紙の本
医療の危険性
2022/07/02 09:33
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
人体の各部分の解剖学的な概説から入り、終盤に医療や医薬について述べている。前半の解剖学的な話も面白いが、感銘を受けたのは終盤の現代医療や医薬に関する話である。確かに現代医学は急速に進んでいるが、今日正しいと考えていたことが明日もただしとは限らない ということをしみじみと感じてしまった。特別な健康法を実施するのではなく、適度に食べて 運動して しっかり眠る に尽きるということがよくわかった。レンブラントのカバーが結構目を引いて効果的である。
紙の本
人の身体は未知
2021/10/23 06:40
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
人体に関して、不明のことが多いが、わかっていることも、意外と多い。人体に関する様々な話題を、ほんとにもれなく押し込めたような書籍だ。人の身体について、体系的に理解できる訳ではないが、よく調べて書いているなと思う。これからは、再び感染症の時代になるかもしれない。
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読みやすいし、読者の興味の引き方がうまい。
人体を網羅した雑学の結集という感じ。
明らかに語り足らない(人体の)部分もあるように感じるが、これ以上は頁数が増えすぎるし一般教養書としての限界か。
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人体にこれほど未知なことがあって、驚きや奇跡に満ちているとは。むかしNHKでやっていた人体シリーズの漫画を愛読していたが、そのときのワクワク感を思いだした。
本当に面白かった。著者がジャーナリストで、専門家ではないが故に素人にも分かりやすくなってるのだと思う。
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喫煙すると6人に1人がんになるという表現を反転させて、6人に5人はがんにならないという人体の優秀さが際立つ。
人間自体は不合理さを抱えていながら、不合理なセックス で繁殖すると多様性が生まれて、環境変化に対応できる種が生まれる可能性が高まる。不合理さこそ、合理的な生存戦略か、なるほど。
人体はタフで寛容でもある。ジャンクフードを口に放り込み、煌々と光るディスプレイの前でだらだら過ごすことも許してくれる。心臓発作を起こすことはほとんどないし、喫煙者でさえ6人に5人は肺がんにならない。毎日、あなたの細胞の約5個ががん化していると推定されるが、免疫系がそれをすかさず殺してくれる。わたしたちの体は、ほぼ休みなく、ほぼ完璧な協力態勢で働いてくれる、37兆2000億個の細胞から成る宇宙なのである。
ただし、人体は決して完璧ではない。顎が小さすぎるせいで親知らずが収まらないし、骨盤を小さくしすぎたから、他の動物に比べて出産には耐えがたい痛みが生じる。それでも、わたしたちがいくつかの弱点に打ち負かされずに生き延びてきたことは奇跡だ。あなたは、30億年にわたる進化が微調整を積み重ねた結果、いまこの形で生きているのだ。
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ビル・ブライソンのノンフィクション。 医学、解剖学、栄養学、薬理学など人体の様々な分野について網羅した著作。20余りの分野に分けて、エピソードを紹介しながら関連する医学知識の紹介、関連する出来事、関わった人々などを、通常の医学本とは違ったアプローチで書かれており、大変面白かった。 著者は医学の専門家ではないけれど、論文や学術書や研究者へのインタビューから得た最新の知見をもとに考察しており、情報の信頼度も高そうだ。
また、調査しても分からない点を率直に述べていることにも好感が持てた。人体は大変複雑で、 医学の進歩は他の科学分野に比べて遅かった。昔からの慣習に縛られることも多く、科学の一分野として 扱われるようになったのも19世紀 ごろからだ。人間は個体差も大きく、人命というシリアスなものが対象になっており、実験をするわけにもいかない。ドイツや日本の人体実験の例も紹介されていたが、薬剤の効果の証明も統計的に投与して判断するしかない。そういう点で大変難しい分野であることは今も昔も変わらない。
この本の執筆は2019年なので、現在のコロナ禍について言及はない。あとがきで少し触れている程度だ。感染症は世界の死因から順位が下がっていたが、今後は死因の上位になってきそうだ。 それぞれの時代で、最新の考え方で行われた治療が結果的に悲惨な例になってしまった事例が多いということだ。(ロボトミー手術等の事例)
ちなみに私の知人に、栄養学の最新研究に影響されて、今までの栄養学は全て間違ってると主張し、研究で紹介された偏った食事をストイックに実践した人がいる。 最初はダイエットに成功する等の効果がみられたが、徐々に病気がちになってしまい、体調を崩して自宅から出れなくなってしまった。人体というのは機械のように理論的に動くものではない。最新の研究の成果だからといって、すぐ飛びついたり鵜呑みにしてはいけない。少し時間を置いて、経過や副作用も含めてよく確かめることが必要だろう。
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人体の不思議さについてあらゆる角度から書かれている。何かしら人体についての発見があり面白い。わかっていることだけでなく、何がどこまでわかっているのか、何がまったくわかっていないのか、事細かに書かれていて大変興味深い。
個人的には、やはり運動の重要性が指摘されている点が印象に残った。健康本ではなく、この人体大全に書かれていることが、その説得力を増している。また、まだ未知のことも多いが、帝王切開で生まれた子供と産道を通って生まれて子供の違いについての研究も興味深かった。
読み手によって何か印象に残って、何を面白いと感じ
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タイトル通り、体に関する、臓器や病気など諸々集めた雑学本。
家庭の医学のように一家に一冊とはなりませんが、網羅的な本なので、ざっくりした知識をアップデートするには最適。
とにかく医学は人類の健康には貢献はしているけど、誤解やむしろ害になっていることも多いということも知っておくべきことと思います。
過去にはスタンダードな処置であった瀉血も今では害にしかならないと判明している通り、昨今氾濫している医療情報も、結局は歴史しか証明し得ないのだな、と改めて考えさせられる本でした。
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章がちょうどいい量だったからサクサク読めた。
今は科学医学が発展してネットで調べたら情報が沢山出てくるから、もう身体なんて全て解明されてると思ってた。こんなに未解明な分野だとは!
しかも今振り返ればわかる過ちも多い。研究をする人も結局は人間なんですな。
自分の身体も自然の一部でご先祖様の遺伝子も受け継いで、かつ、まだまだ進化の途中だと思うと不思議だし嬉しくてわくわくする。
「ほどほどに食べて、定期的に運動し、どちらにせよ死ぬ」1番好き
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500ページ近い文字ぎっしりの本だけど次のページ、次のページと読んでしまう。書名の通り人体についての科学本だけれど、それを解明するために医学や薬学がどう立ち向かったのか(またははね返されたか)を紹介し、逆に人体の不思議さ、凄さを浮かび上がらせる。科学<自然という東洋的な思想も感じてしまう。
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人体の不思議を改めて感じた。日常では存在を意識しない心臓にありがたいと感じたり、脳のシナプスの伝達を想像したり楽しい読書時間だった。
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健康に関する知識をつけようとして読みはじめたところ、医学の発展の歴史などの記載も充実していて良かった。読むきっかけとなったのは、何処かの書評て書かれていた最後の著者のフレーズにほっとしたという一言。確かに、ウイットが効いた良書。
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興味ある分野はスラスラ読めたが、特にないところはなかなか読み進められなかった。だが総じて未知なる人体は面白い。
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今まで脳こそ全てというイメージを持っていたのだけれど、これを読むと人体って凄い。仕組みは良く分からないけれど、進化の試行錯誤の結果成り立っているのだと思うと感動さえ覚える。与えられた奇跡的な身体を粗末にしてはいけないなと、科学的なアプローチから思う。当然イギリス、アメリカ、ヨーロッパ中心に書かれているので、他の地域ではどうだったのだろうという疑問が湧いた。途中眠くなる部分もあったけれど、読み応え抜群。
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突然だが、人体について我々はどれくらい知っているのだろう?
臓器や骨格がどのあたりにあるかは小学校か中学校の理科室にある人体模型が教えてくれるかもしれない。
怪我をしたり風邪をひいたりして痛みや熱が出ることで自身の免疫機構の働きを思い出すこともあるだろう。
親族や身近な人物が他界した際に死について深く考えることも至って自然であると思う。
しかしこれらの例はいずれも非日常時の話であり、毎日寝て起きて食事をして排泄をして呼吸をして目で見て音を聴いて臭いを嗅いで、といった人間が生きている際に行う一連の営みについて、人は普段特に意識はしていないだろう(毎日意識してたら疲れるし)。
いや、例えば非日常の例に挙げた「死」に対する意識についても「死ぬのはイヤだ」とは考えても「死とは何なのか」まで深堀して考える人は少数派かもしれない。
本書はそういった我々が普段意識しない「人体」の秘密について、23章にわたって時にはユーモアも交えながらとても分かりやすく記した読み物となっている。
一章一章はそれこそ新書一冊分ぐらいかけて掘り下げても良さそうなテーマなのだが、あえて読者が興味を持ちそうなポイントに絞って簡潔に取り上げている印象で、とっかかりやすい。
簡潔にまとめすぎると味気ない結論だけの羅列になってしまいそうなものだが、著者の語り口は実に達者で、読者を飽きさせないところがうまい。
冒頭にある、人体を構成している化学物質が果たしていくらで買えるのか?といった問いは専門知識をただ並べただけの本では絶対に出てこないだろう。
また、分からないことは分からないとはっきり書いている点も好感が持てる。
コロナ禍を経験しているがゆえに、やはり興味を持って読んだのはウイルスや免疫について書かれた三章、十二章、二十章あたりだった。
まあこれらの章に限った話でもないのだが、病気への過剰な介入(治療・投薬・予防など)はデメリットもよくよく考えないとマズイことがよく分かる。人間の免疫はそんなにヤワではないのだから。
著者はイギリス在住のノンフィクションライターだそうで、専門家でもないのによくここまで調べ上げたなあと感服した。
まさにプロのお仕事と呼べるような作品に仕上がっていると思う。