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クロストーク 下
恋人の愛情をダイレクトに伝えてくれるはずのEED処置なのに、ブリディはとんでもない相手と接続してしまう。しかも、やがて不特定多数の心の声が聞こえ始め、パニックに陥るブリデ...
クロストーク 下
クロストーク 下 (ハヤカワ文庫 SF)
商品説明
恋人の愛情をダイレクトに伝えてくれるはずのEED処置なのに、ブリディはとんでもない相手と接続してしまう。しかも、やがて不特定多数の心の声が聞こえ始め、パニックに陥るブリディ。そんな彼女に救いの手を差し伸べてくれたのは、変人だと思っていたCBだった……。人の心がわかることは呪いなのか、福音なのか?SFならではのモチーフでコミュニケーションの未来をコミカルに描き出す、ラブコメサスペンス大作
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紙の本
張り巡らされた伏線と見事な収斂。
2022/02/10 23:00
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゲイリーゲイリー - この投稿者のレビュー一覧を見る
上巻に引き続き、下巻でもストーリーの勢いは止まらない。
二転三転する予期せぬ展開にグングン引き込まれてしまった。
そして何より、上巻から用意周到に張り巡らされていた伏線回収が見事過ぎる。
あの時のあれがまさかこういう意味だったなんて、と何度驚かされたことか。
上巻に戻って該当するシーンを読み直したくなる気持ちと、先の展開が知りたい気持ちの板挟みになること必須だ。
ラブコメエンターテイメントとして非常に完成度の高い本作は、情報社会に異議を問う側面をも持ち合わせている。
常に誰かと繋がってしまっているという閉塞感と、情報化が進むにつれ人間の汚い一面が表出してしまう現状を憂いているのだ。
そんな情報過多な現代を舞台にした本作において、CBというキャラクターは著者の代弁者の役割を果たしているように思える。
コミュニケーションはこれ以上増やすべきではなくて減らすべきである、真実を話すべきだと口にしているにも関わらず嘘をつき続ける人間たち、といったセリフは著者の考えそのものだろう。
ラブコメエンターテイメントとして読者を大いに楽しませながら、現代の溢れんばかりの情報化の波に異議を唱える本作。
SFとしての役割とエンターテインメントの役割を十二分に発揮した作品だ。