読割 50
電子書籍
もっと秘境駅へ行こう!(小学館文庫)
著者 著:牛山隆信
【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。「駅」なのになぜ!? 利用客がゼロ...
もっと秘境駅へ行こう!(小学館文庫)
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もっと秘境駅へ行こう! (小学館文庫)
商品説明
【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。
「駅」なのになぜ!? 利用客がゼロに近い駅、断崖絶壁や深い山中など立地条件が厳しすぎる駅…そんな存在自体が不思議な「秘境駅」を求め、秘境駅訪問家は今日も全国を行く! 日本で一番海に近い駅で黄昏れ、明治時代の駅舎でホッ、リニアモーターカーの夢に費えた駅で時の流れを想い、渓谷沿いの絶景を一人占め、駅前の公衆温泉で一杯……「旅」の醍醐味はここにあった! メディアで大反響の前作に続き、さらに深化した爆笑の第二弾!
※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
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紙の本
あぁ秘境駅。
2010/03/23 01:35
10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:marekuro - この投稿者のレビュー一覧を見る
前作「秘境駅へ行こう」の続編です。
先に断っておきますが評者は鉄道オタク
いわゆる「鉄ちゃん」ではありません。
正直言うと、列車の型番や時刻表を覚えて
何が楽しいのかわかりません。理解に苦しみます。
ただ、長い付き合いの年上の友人が
「病気」いや「ビョーキ」と表現しても
差し支えのない「鉄ちゃん」なのです。
前回もその友人に本書を渡され、挙句は
現地にまで連れて行かれました。
その友人から渡された前作
が結構楽しかったので、続編の本作は自分で
購入してみました。
なお、前作、本作ともに
秘境駅へ行こう
というサイトの書籍化です。
ほぼ同じ内容の文章が上記リンク先で読めます。
前作の書評において、北海道で一番理解に苦しむ
場所に設置された小幌駅
に野宿した(させられた)事を書かせていただきました。
リンク先を見ていただけるとわかると思いますが
とんでもない場所です。死ぬかと思いました。
で、前置きが長くなりましたが
続編である本作においても、前作と同様に
「どうしてこうなった??」
的な場所に建てられた駅のオンパレード。
北は北海道の西女満別駅から南は薩摩塩屋駅まで
かなり一癖も二癖もある駅たちが紹介されています。
以下、目次から抜粋
旅1 「海」へと続く駅
旅2 川を「独り占め」できる駅
旅3 駅旅のついでに「温泉」で入浴
旅4 古い駅舎が歴史を語る駅
旅5 駅が秘境になるまでの物語
旅6 「町から至近」の秘境駅
旅7 日本の「広さ」を感じる駅
旅8 ちょっと変わった駅を探検に
となっており、本作と前作の違いを挙げるなら
本作は前作のように北から南と順に書いていくの
ではなく、テーマごとに書かれている事でしょう。
個人的には「旅4」と「旅5」が秘境駅の歴史的
な流れを丁寧に書かれていて興味深く読ませていただき
ました。
「旅3」の温泉も風情があって良い感じです。
「旅2」の川と駅の関係も、なるほどと思う記述が
たくさんありました。
掲載されている駅はどれもこれも国鉄時代のなごりの
ような駅だったり昔は栄えてた地方都市から比較的
近い町村が過疎化してしまい、結果として秘境駅に
なったというものが目立ちます。
秘境というからには当然、無人駅です。
無人駅というのは端から見ると、とっても不気味です。
ですが、その不気味さというか不思議さ、秘境駅の
建っている空間だけが時間においていかれたような感覚。
かつては人の生活のにおいが感じられた箇所が現在では人
の気配すら感じることができない事の不思議。
そして、その空間に対する恐怖心と憧れと、ある種の
畏敬の念。それらの入り混じったものが秘境駅マニアの心
をくすぐるようです。
その点に関しては評者も本書を読むことで感じたこと
でもありますし、本という媒体を通してなら充分に
楽しめることでもあります。
正直、前回の小幌駅での野宿で心身共に疲れ果て
ド田舎というのは憧憬の眼差しで眺めるだけにする
のが無難である。
という教訓を得た自分は、次は何があっても秘境駅
などというおぞましい場所へは行かないと決意
していたのですが・・・
色々あって、やっぱり今回も連れて行かれました・・・
大狩部駅
本書だと26頁~30頁に詳細が記述されています。
実はこの頁を読んでいて比較的、近場にある事から「
危ないかも・・」と思っていたのです。
友人がいつもより厚着で色々と荷物を持って
我が家にやってきたのを見たときには
「やっぱり・・」と思いました。
本書27頁には大狩部駅へ訪問した著者の印象が
ひゅ~~~~~~~~~
(27p)
とありましたが、まさにその通り。
当日は、ひゅ~~~~~~ ではなく
ビュ~~~ゴゴォ~~~~~ざっぶ~ん!!!!
という感じでしたが。
駅と海と重い色をした空と強風しかありません。
唯一ある建物の待合室などむき出しのブロック
で作られていて、昔の石炭小屋のようです。
著者が本書で記述している事、そのまんまの世界。
友人と二人、無言で2時間、過ごしました。
※今回は2時間で退散
バカらしいと思いつつも、秘境駅めぐりが
どこか楽しいと思っている自分を発見して
嫌になります。
ですが、前作、本作共に大変面白い内容です。
繰り返しの代わり映えのしない日常に嫌気を感じた
時などは、ちょっと荒療法的ではありますが
良い気分転換になります。
毎日目を通すような類の書籍ではありませんが
時々、無性に読み返したくなる一冊でもあります。
前作の書評で
ジャンルが独特でもあるため声高に
誰にでもおすすめできる本ではありませんが
ちょっとした非日常を感じたい方には
そっとおすすめしたい1冊です。
などと書きましたが、本作では
上記の推薦文に加えて体験談として
とっても嫌なことがあって、例えば生きていく事が
辛いと感じたり、対人ストレスに苛まされて
誰もいない場所へ行きたい!一人になりたい!
と思うなら、その時は本書をひも解くことで
ある種の悟りを得ることが出来る・・かもしれない。
と付け足したいと思います。
実際、自分は何もない大狩部駅で2時間滞在した際
「生きているって良い事なのかもしれない」
「対人ストレスっていうけど、誰もいないよりまし」
と湧き上がるように想いが、こみ上げてきました。
自分の価値観の一側面に強く揺さぶりかけてくる
本書は前作同様やっぱり、そっとおすすめしたい
1冊です。