電子書籍
ユーミン・陽水からみゆきまで
著者 富澤一誠
1960年代から始まったフォークとニューミュージックの時代。「あの時代を作ったアーティストたちと共に生き てきた」と語る著者が、彼らとどう出会い、時代がどう動いていったの...
ユーミン・陽水からみゆきまで
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
ユーミン・陽水からみゆきまで 時代を変えたフォーク・ニューミュージックのカリスマたち (廣済堂新書)
商品説明
1960年代から始まったフォークとニューミュージックの時代。「あの時代を作ったアーティストたちと共に生き てきた」と語る著者が、彼らとどう出会い、時代がどう動いていったのかを熱く語る。
誰もが熱狂した10人のアーティストたち
荒井由実
岡林信康
吉田拓郎
井上陽水
かぐや姫
さだまさし
アリス
松山千春
小田和正
中島みゆき
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
あの年この歌
2015/08/21 07:59
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
もう40年前になる。大学生の頃、中島みゆきの歌を聴いていたら、暗い曲だねと言われてことがある。その時、本当は山崎ハコというもっと暗いシンガーにはまっていたのだが。
そういえば、と思い出したことがある。ユーミンがテレビで特集されて時のことだ。テレビの前にカセットを持っていって、録音したことがある。周りの家族には静かにしてもらって。
まるで、少し前の青春映画みたいだ。
そんな場面にいつもカセットプレイヤーがあった。もちろんラジオもはいる。FM放送でよく録音したものだ。その頃の私がもっていた唯一の音楽プレーヤーだ。
そんな時代に聴いた歌。そんな時代に一緒だった歌。
音楽評論家富澤一誠がこれまでの「傍観者」としてではなく、その時代の「当事者」として綴った、音楽極私的評論集が、この本である。
この本に登場するミュージシャンはユーミン、岡林信康、吉田拓郎、井上陽水、かぐや姫、さだまさし、アリス、松山千春、小田和正、そして中島みゆきの、1970年前半に登場し、私たちを夢中にさせた10人である。
それに、若き日の「フォーク評論家」富澤一誠だ。
そして、今やおそらく60歳を超えた私たち「読者」の青春の群像だ。
もちろん、小椋桂がはいっていないとか高石ともやははずせないとか、加川良は、とか個人的な好みはあるだろうが、この10人はどうしてもはずせないような気がする。
歌の流れでいえば、ユーミンこと荒井由美の登場はそれまでのフォークソングの大きな流れを一気に変えた事件であった。この時からニューミュージックという大河になっていく。
でも、あの時代は歌が同伴者だった。
文学的にいえば、太宰治の文学に似ていた。読んでいる(聴いている)私だけに語って(唄って)くれた。手を伸ばせば、歌と肩を寄せ合えた。歌が背中をとんとん叩いてくれた。
ユーミンが作詞作曲した「いちご白書をもう一度」のように、就職をして長い髪を切った時から、私たちは彼らの歌をどこかで切り捨てていったような気がする。
どんなにしても、中島みゆきの「麦の唄」は、「時代」にはなれないのだ。