紙の本
大迫さんと座間味くんと聖子ちゃん。
2022/03/01 21:55
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
聖子ちゃんは、あのハイジャック事件で人質になった赤ちゃんです。大学生になりました。良いお嬢さんに成長しました。
この三人で集まってご飯食べながら「そう言えば・・・」話をしつつ、例によって座間味くんの推理が始まります。
警察沙汰にはならないけど、人の行き過ぎた善意の裏の悪意や、そうは見えない復讐などが明るみになっていきます。
一話目は大学生だった聖子ちゃんも、話が進むうちに社会人になり、そして結婚が決まります。
みんな歳をとっていきます。
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大学生の玉城聖子、警視庁の幹部、会社員の座間味くん。世代も性別もバラバラだが、不可解な話を肴に酌み交わす仲だ。杯が進むほど推理は冴えていく。極上の酒。かけがえのない友。不可解な謎。鮮やかな反転。2021年の掉尾を飾る、短編本格ミステリの精華!
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座間味くんシリーズとしては約5年ぶりの新刊が、昨年末に刊行されていた。前作『パレードの明暗』の感想を読み返すと、シリーズとしてはもう限界かもしれないなどと書いていたが、何だかんだで手に取ってみる。
前作、前々作と、探偵役の座間味くん、警視庁の大迫、ゲストの女性という3人が登場するフォーマットになっていた。今回のゲストは、座間味くんの初登場作である『月の扉』の関係者なのだが、『月の扉』を未読でも特に支障はないだろう。
「新しい世界で」。現実にもありそうな夫婦の離婚理由。そもそも、この結婚に愛はあったのか? 「救出」。ゲストの女性の生い立ちに関係する、異例の展開。座間味くんの想像…ではなく推理で救われる、珍しいパターンではある。
「雨中の守り神」。起業のサクセス・ストーリーかと思いきや、真相は。ここまで頭が働かないと成功者にはなれないのか。「猫と小鳥」。リタイア後も趣味は持ちたいものである。一見幸せそうでも、座間味くんには違う絵が見えてしまう。
「場違いな客」。スーツ姿でキャンプに来ている客。それだけです、はい。「安住の地」。このご時世、安住の地にしがみつくのが悪いとは思わない。ある意味、意識が高すぎるのも不幸というか。気づく座間味くんも座間味くんだが。
最後に「お揃いのカップ」。何だろうこの、石持さんご自身の別のシリーズみたいな展開は。この座間味くんと夫婦でいられる奥様の肝っ玉はすごい。末永くお幸せになるといいですね。某別シリーズのように、今後はどうなるのやら
すべて座間味くんの想像に過ぎないのは、前作までと同じだが、今回はそもそも事件ですらない話が多い。座間味くんの推理が常に当たっているわけでもあるまい。胸の内に収めておくことはできんのかという気がしないでもない。
石持さんらしさが詰まったシリーズではありました、はい。一時期のようなハイペースでは新刊が出なくなったが、このくらいがいいのかもしれない。
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相変わらず面白い。石持浅海の新刊、座間味くん(もちろんあだ名)シリーズだ。いわゆる安楽椅子探偵もので、主人公の座間味くんが、他者の何気ない会話から、彼独自の鋭い視点で、誰も気づかなかった真相を解き明かす連作短編だ。主人公の観察眼とロジックに引き込まれること間違いなし。
石持浅海の作品はどれもオススメ。
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「月の扉」から始まった「座間味くん」シリーズ。
20年の時を経て、ハイジャック事件の時、人質となった赤ちゃんである玉城聖子が成人になり、再会するところから今作は始まる。
これまでは、美味しい料理を食べながら、「座間味くん」と刑事の大迫とゲストと言うスタイルだったが、今作は全ていつもの二人と聖子と言う構図で、複数年に渡る連作短編集。
20歳になった聖子、就職に悩む聖子、無事に安定の公務員になった聖子、そして結婚する聖子と完全に聖子の成長の物語で、肝心の謎解きはあまり頭に入って来ないのは私だけだろうか?
「座間味くん」シリーズもこれで終わりか?というほどのラストの展開が印象的だった。
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【収録作品】新しい世界で/救出/雨中の守り神/猫と小鳥/場違いな客/安住の地/お揃いのカップ
座間味くんシリーズ5。今回は、大学生の玉城聖子(ハイジャック事件で人質になった赤ん坊の一人)が加わる。
浮気による離婚、母を父の元に残して家を出た娘の罪悪感、資産家の息子の起業、定年後オートバイを趣味にした男性と猫好きな女性の出会い、スーツ姿でキャンプする女性の謎、新人教師の奮闘、職場でペアに見えるカップを使っている二人の関係。
表面的な事実から、裏に隠されている事情を見抜く「座間味くん」の考察力は健在。それが正しいのかどうかはわからないが、いずれにせよ、物事の見方の多面性を教えてくれる。
本作品を読むために、1作目から読み返してきたので、この巻、特に最終話は感慨深い。
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座間味くんシリーズの安楽椅子探偵6編。
ハイジャック事件の赤ん坊が成長して一緒に語らう中で隠れていた真相を導いていく。最後の一編はチョットだけ捻りがある。
テンポ良く進みミステリ部分も解決編が腹落ちするので楽しい。
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大学生の玉城聖子、警視庁の幹部、会社員の座間味くん。世代も性別もバラバラだが、不可解な話を肴に酌み交わす仲だ。杯が進むほど推理は冴えていく。極上の酒。かけがえのない友。不可解な謎。鮮やかな反転。2021年の掉尾を飾る、短編本格ミステリの精華!
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新宿東口の書店で待ち合わせて飲みに行き、警視庁幹部の大迫が提供した話題に、座間味くんと聖子があれこれコメントし、最後は座間味くんがぽつりとつぶやくひとことから始まる謎解きのような見解にうならされる、という定型と言ってもいい趣向の物語である。なので、座間味くんがどう解明するかと、考えながら読み進めるのだが、いつも目を開かされる心持ちになるのである。相変わらず頭が切れる座間味くんである。そして、このラストはなんてしあわせなのだろう。これ以上ない展開ではないか。座間味くんシリーズは終わってしまうの?新しい世界でまだまだ続いてほしいシリーズである。
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座間味くんシリーズ最新作。
警視庁の大迫警視長と『座間味くん』と呼ばれる切れ者の男性との飲み会に毎回女性ゲストを加えて始まるのは大迫が聞いた様々な事件話。その話を聞いた座間味くんが新たな視点で事件を解釈するという趣向は同じだが、今回はゲストが『月の扉』のハイジャック事件で人質になった、当時赤ちゃんだった女性が二十歳になり再会するということで、シリーズとしての興味も加わる。
大迫が話す事件話の表面的な解釈を座間味くんがひっくり返して…という展開は毎度お馴染みだが、今回は大迫のアドバイスというか説話というか、そこを座間味くんの新たな視点で補強する感じなのでそれほど嫌な印象はなかった。
しかし毎度大迫がため息混じりに『聞こうか』と座間味くんの推理を促すところはやはり快いとは思っていないのか。
シリーズは全て読んだものの遠い昔のため詳細は記憶がない。この最新作を読むにあたりシリーズ作品のレビューを読み返してみたが、曖昧なまま。
しかし未読でも問題ないように思う。勿論読んでいればなお一層感慨深いものがあるかも知れない。
あの人質の赤ちゃんがこんなに大きくなったのかとか、その後の人生も大変だったのかとか。そして彼女の人生にも座間味くん流の解釈が入る。その結果救われるのか否かは読んでのお楽しみに。
作品内でも年月が過ぎるので、最新は大学生だった彼女が卒業し就職し、そして人生の転機を迎える。
同時に座間味くんの家族、特に子どもたちも成長していく。座間味くんの血筋らしく成績優秀なようだが、最後に思わぬとも予想通りとも言える展開があった。
シリーズとしては一旦区切りと言って良いようだが、これで完結なのだろうか。
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真相を推理して楽しむというより、読んで楽しむシリーズですね。
相変わらず「さすがに無理がないか?」とは思うけど、ちょっと感じた違和感をちゃんと回収してくれるのはさすが。
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過去の事件の構図は、彼の一言で反転する。
あまりの鮮やかさに思わず身震いしてしまう。
なんて面白い。
純粋に推理だけで楽しませてくれるこのシリーズには、驚かされてばかりいる。
読者と共に年を重ねていく彼らを見るのも良い。
一作目と二作目を読んだ人にこそ読んで欲しい最新作。
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短編連作で、同じパターンで進んでいくので、読みやすい。また話題も、個人的に好きな日常の謎系。しかし、この話に行く前の話があるよう。順番が逆になってしまうが、そっちも読んでみよう。
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シリーズものの短編集は、その短編での味わいだけでなく仕組み的に最終話で落としてくる事が多いが、ここで一気に来ましたか。微笑ましく見れる部分も多いのですが、この展開は少々予想より早いのです。もっと掌編を読みたい気持ちもありますが、彼ら、彼女らの時の流れがー。そうなることは嬉しい展開ではあるのですけど、もうちょっとゆっくり進みましょうよ。と少々ジレンマな気持ちが味わえた一冊でした。
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最後の章でびっくり展開でしたね。
おめでたいサプライズで何よりでしたが、座間味くん、もうそんな年齢なのか…としみじみしちゃいましたよ笑
毎度のことながら、ご飯もお酒が美味しそうで何よりです。
お話の展開が『Rのつく月…』に似ていますよね。
どちらも好きなので読んでいて楽しいです。
続編あるのかなー?
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最終話は叙述ミステリーだったのか。少しニコニコしてしまう。だから、こういうタイトルだったのか。
好みはあるかもしれないけれど、論理で進めていくスタイルは楽しめるので、気持ち良く許せる。