紙の本
地元が舞台
2023/02/26 09:56
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投稿者:あやめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
地元が話の舞台であったこともあり、久しぶりに一気に読めた一冊
山口の家族を支えるため神戸に出てきた少年・利一。牛より安い値段で花街に売られてきた少女・ハナ。
神戸の花隈での二人の出会いは、やがて日本の生活をも一変させる発明、大ヒット商品誕生へとつながっていく。そして、幼い日に誓い合った約束の行方、そうなるのねという展開でした。
電子書籍
モデルアリのフィクション
2023/03/11 00:52
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
実話ベースに書かれているだけあってリアルでした。ただ、フィクションならば、この二人をくっつけハッピーエンドなんでしょうけど。でも、強い自立していく女性の姿が見られたので、コレでいいのかな~とも思いました。
紙の本
狸の子同士
2022/07/19 22:42
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投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
狸の子であった時からの
心意気と出会いを大切にして、
戦前、戦中、戦後を駆け抜けたコスメの王様。
ハナにはコスメの女王になってほしかったけど、
晩年になって、
狸の子同士で仲睦まじくあるのも
また夢のようでよかったです。
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秀才ながらも家の事情で上の学校へ進学させて貰えず、単身神戸へ働きに出た利一。
家の借金の為、牛より安い値段で花街に売られてきたハナ。
幼馴染の二人がそれぞれ激動の人生を歩んで行く…
両思いの二人だったけど、花街の人気芸妓のハナを身請けするだけの技量もない利一が死に物狂いで立ち上げたハート化粧品。安全安心で使用してほしいと言う「真心」の信念がとても素敵でした。
あと少しで一緒になれると思った所にまたも試練が。ハナの所為ではないけれど、身のさける思いでした。
戦争の影が濃くなり、ハラハラしっぱなしでしたが、倒産しても利一を助けてくれる人脈の多さが、真心の信念に共感してくれていた人が多いのが物語ってましたね。
晩年の二人のゆったりした時間が穏やかで、とてもホッとしました。
結婚して子供が産まれてと言う流れではないけれど、この二人らしくて良かったです。
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時代背景的にわかってはいるけれど、仕事を成功させる→戦争が始まってすべてを失っていく過程が辛かった。人も、工場も。前半の成功する過程までのところはすごく爽やかなお仕事小説で、ここまでで胸に留めておきたかったというか。
そしてわりとコスメが好きな私でも、この会社を知らなかったことに少しショックをを感じる。ここまでして紡いだものは、会社としては現代まで続いていても社会にはねづかなかったんだなぁと。
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牛の代わりに売られてきた少女と、長男なのに奉公に出された少年の「負けない」物語。
花柳界で生きること、そこで暮らすこと。何んとなくしか知らなかったそのしきたりやきまりごとを調べながら読む。
おちょぼ呼ばれる見習いから舞妓、そして芸妓へと美しさと芯の強さと踊りを武器に駆けあがっていくハナ。どぶにはまって死にかけていたところをハナに拾ってもらいみなにかわいがられ見守られていく狸の子と呼ばれた利一。
お互いの身の上のやるせなさに泣いた日、そして幼い約束。
花隈一と呼ばれる芸妓花千代と東洋の化粧品王と呼ばれ一大企業を作り上げた利一の、二人の成功譚ではあるけれど、人が成功していく過程で大切なこと、人として失ってはいけないこと、そして捨てなければいけないこと、が描かれていて変なビジネス書よりも深い。
どんなに社会が機械化されようと、最終的にたどり着くのは「人」。人と人の縁を信じ、己の力を信じ、前を向いて生きていくことの、最終的な目的地がそこであったことの安堵。
二人の行く末が気になって気になってどんどんページをめくってしまった。どうなるんだ、この二人の未来に幸はあるのか。
実際に東洋の化粧品王と呼ばれた人物をモデルに描かれたこの小説の、艶やかで華やかで、それでいて泥くさく地に足就いた世界が、本当に本当に心地よくて、読んでいる間ずっと頭の中が関西の花柳言葉だった。
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ドロドロした処が無くて朝ドラの原作みたいですね。
主人公の二人が純粋です。
本当にこんな人間がいるのかなと思いました。
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同時期に李王家の縁談を読んだので、つくづくと明治から昭和というのは激動の時代であったと気付かされました。
実家が貧しく、売られてきた子どもである主人公の利一とハナ、ふたりの視点で描かれる子ども時代から始まるストーリー。
ふたりとも好感の持てるキャラクターでした。
粉おしろいや粉石けんを開発していく過程もとても興味深かった。
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戦前の大手化粧品会社である中山太陽堂を創立した中山太一をモデルとした小説
恋愛小説でもあり大正、昭和の経済社会を学べる最高に面白い本だった
関西がメインで神戸の地名も沢山出てきて親しみやすかったけど、テンポは良くは無いから読みずらさは少しあった
長男として家族を支えるために休む暇もなく働き続ける利一と
両親に幼い頃に色町に売られたハナ
の2人の物語
利一の真心を大切に、毎日が吉日、という言葉が彼の生真面目さをよく表していた。化粧品会社を大きくして成功!以上!で終わらなくて戦時中の悲惨やその後の苦しみが壮大で、老いとどう向き合うかが描かれていて涙が出てきた。
ハナは利一を誰よりも大切に思っていたが故に利一に迷惑をかけまいと利一の元を去ってしまったのが、ハナらしいと思った
利一とハナは恋人にも夫婦にもならなかったけど誰よりもお互いのことを想っていて、最後に再開できてよかったほんとに
サクセスストーリーでは無いかもしれないけど読んでいてとても考えさせられたし、リアルな世界を描いていたと思う
ずっと手元に置いておきたい1冊
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コスメを広めることに尽力した1人の男と、陰ながらに支え強く強く生きた女の物語
凄く胸が熱くなる
女性の為に、身体に害のない化粧を作る
そして、真心を持って全ての人が使える物を作り広めてく
利一さんのその志がとてもカッコイイ
化粧品王の名に相応しい程の名声を手に入れる
けれど、同じ王様が王座に君臨することはない事だろう
戦争による打撃は凄まじく、一気に衰退する
落ちぶれていく様は本当に苦しいものだ
栄光一瞬で、瞬く間に名が忘れられていくのはどの時代どの人間でも一緒だ
彼からとても、学ばせてもらえる
そして、ハナ
彼女の努力はとても美しい
自身の身の上に苦しみながら、今を受け入れる
私は芸妓や舞妓に詳しくなかったが、読んでいてつい調べてしまった
沢山の人から愛されるのは彼女の人柄や強さや努力なんだと思う
だから、頑張れって思うし私自身にも応援してもらえているようだ
利一とハナが結ばれることは無かったけれど、近くて離れてまた近寄って、それが彼らの形であるよう
近くて遠い存在だったからこそ、キラキラして強く輝く人生だったのだと思うのだ
帯の書店員さんの感想に、「ビジネス書としても、恋愛小説、自己啓発本としても楽しめる1冊です」の文字になるほどと理解する
化粧は苦手だけれど、私も永山心美堂のはハートの化粧品使って化粧したい
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大戦前に「東洋の化粧品王」と呼ばれた中山太一がモデルとのことだが、裸一貫からの叩き上げの一代記というよりは、主人公たちを巡る神戸の花街、財界の大立者たちの雰囲気や、主人公たちの思うに任せない運命により深い味わいを感じる。
結末はまるでおとぎ話のよう。
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面白かった!
明治時代に花街に売られたハナとやはり貧しく生きてきた利一の出世話。
利一の身体に良い化粧品をの思いがトントンと大きな企業となっていく。
それを支えたハナも花街では出世するが…
明治から昭和へと難しい時代を生き抜いた人達の心意気が心地良かった。
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芸妓のことはよくしらずなので、あれだけど
遊郭については少しだけ知識があり様々な境遇におかれていた人を文字越しだがなんとなく理解できた気になっていたので
ハナの境遇はかなりいい方だと思い読み進めたが、読後に作者さんのインタビューを読み伝えたいことはそこではないことを知った(どの記事か忘れてしまいその時の感想を忘れてしまったことが悔やまれる…)
あの時、ハナが別れを選んだ理由がインタビューを読んであぁそうだったのかと思ったのだけども、どの記事だったかな…
女性だからと男性の後ろをついて歩く、仕事としてお酌をして仕事の場を盛り上げるのだけが女性の生き方ではないと思ったから、利一と対等でいたいから渡米したのかなと思ったんだったかな…?
はじめて高円さんの小説を読んだのだが、同じ本の中でなん十年と時を経てという描写がとてもうまいなと思った
利一の少年期はこだぬきらしさが目に浮かぶようだし、会社を興した辺りの青年期は凛々しさが思い浮かび
ハナと再会する前の壮年期ではたぬきジジイとして本当に年老いたしょぼくれたおじいさんを思い浮かべることができた
ハナが渡米してから、その後の利一の話は涙なしには読めず、後半はぼろぼろ涙をこぼしながら読んだ
こんなに胸が切なくなること実生活でないので、とても新鮮だった
最後のハナと普通に日々を共に生きるようになったところは元気なたぬきジジイになってくれて
戦後畑のなかで立ち尽くし、近しい人を亡くしを乗り越えてハナと再会できたことでようやっと重い荷物が手放せたのかなと嬉しかった
装丁も美しく見ても読んでも楽しい心に残る一冊
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341ページなのに長かったーーーーー!!
面白くない!って訳ではないのだけど…
心折れながらも読了までに14日。
起承転結の「承」あたりが長い退屈。
当時の上流層や花街の様子がとても興味深く読めた。
高殿円だな!って小説だった。
サクセスストーリーでハートフル。
ハッピーエンド。
ふんわりとした読後感が良かった。
ハートの石鹸がどこかで手に入らないものか?と思う。使ってみたいものだ。
神戸に行ってみたら花隈を歩いてみたい。
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真心と、毎日が吉日。
決して狂うことなく。怒りすぎず妬みすぎず、感情を出しすぎない。
私も自分のお教室を開いたら、大切にしようと思わされる内容ばかりだった。
ちょっと切なかったけど、最後はハッピーエンドでよかった。