文春ムック 石原慎太郎と日本の青春
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石原慎太郎と日本の青春 永久保存版 (文春ムック)
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紙の本
政治家の印象が強いが、根は作家。
2022/03/23 08:56
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トッツアン - この投稿者のレビュー一覧を見る
どうしても、強権発動のタカ派の政治家の色が強く、作家としてのイメージが薄い。
けれども、やはり根は作家。沢山の小説を読んだわけでは無いけれど、著者の精神は永遠の若者だったと感じている。
若者ゆえの悩み、世に対する不満、正義を正義として通そうとする理想と挫折。
そういったものを感じる。
結局、著者はタカ派だの強引だの色々言われてきたようだが、根が純粋で真っ直ぐな人なのだと思う。だから、YESとNOがハッキリと言えた。周りから見れば、あれ?と思うようなことでも、信念があったから周りがついてきた。
孤独な時もあったろうけれど、決して孤立することはなかった。そこに、人に与える共感性があったから。
大局観に立って10年後、20年後先を考えた政策を実施したり、尖閣を東京都で購入する(これは関係をこじらせただけだと思うけれど)と言ったり、少なくとも顔色を見ながら曖昧な主義主張をする議員(国会、都道府県、市町村)とは異なる。息子も含めて、今の議員は小物だ。吉田茂から始まり著者や田中角栄等々腹芸の出来る政治家はもう出てこないと思う。日本沈没だな。
批判もあった都知事ではあったが、それだけの行動があったからこそ。人気だけを気にして、任期をことなかれで終わらせることもなかった。小池都知事が注目を浴び続けているが、結局は著者の引いた路線(レール)を走っているだけ。
稀有の才能をもった作家兼政治家と思う。政治家と言うよりは思想家かな。
考えの相違はあったけれど、好きな人だった。
合掌