読みやすかった!
2024/03/02 17:52
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投稿者:LiLi - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者さんが本好きなのが伝わってくる&読みやすくて面白いお話でした!
登場人物みんな濃くて、でもテンポよく話が展開していくのが最高に好きです。
くらげ、降るとこ見てみたいなあ
じんわりとハートウォーミング、かも。
2023/06/11 23:08
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ファンタジーと言えばファンタジーで、科学的論拠を付けるなら一応その通り、といった感じです。なんといっても、『はれときどきぶた』を彷彿とさせます。ですが、潔さ感は『はれときどきぶた』に軍配が挙がると思います。
父親に対して素直になれない…思春期男子あるあるとして典型的なスタンスです。
各登場人物については克明に描かれており、キャラクターが夫々に際立ち、印象を持てます。
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クラゲを降らす・・・?
最初はその理由や意味も分からずになんとなく読み進めていましたが、その疑問よりも登場人物たちの思いや葛藤に胸が熱くなりました。
本作の中には実在する作家や小説が登場するのでそれも読んでいて「あー分かる、分かる!!」と共感もできます。
読了後に改めて表紙を見ると、七尾先生と鯨井先生の2冊分のストーリーを読んだ気持ちになります。
主人公の姿は脆く見えたけれど、クラゲ乞いの仲間と共に過ごしていく中で少しずつ成長していく様は読んでいて気持ちが良かったです。
読んでいる最中に、いつの間にか自分も
「来い!クラゲ、降って来い!ここまで来い!クラゲ」
と心の中で叫んでいました。
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個人的にすごくじんわり温かくなったな、と。
はじめはクラゲを呼ぶ?降らせる?ってファンタジー要素にちょっと読む手が遅くなった部分があったけど、読めば読むほど、本の本質的な部分がみれたきがして、
優しさってなんだろう
なんで人は小説を読むのだろう
答えのない、何時間でも考えられるお題に関して少しずつ自分なりの考えが出てくるような
優しくて、温かくて、
こんなに大事に文字を読んだのは久しぶりな気がしました
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最近、気になっていた作家さんだったため、お試しがてら本作を手に取りましたが、青春真っ盛りな感じが好みでした。
無気力な主人公、クラゲを呼ぶ後輩、運動部で明るい親友、図書室の主である先輩など、どこかベタではあるけれども登場人物のキャラクターが粒立ってて魅力的でした。
ところどころ陰りが見られますが、全体的に明るくてホッコリするような作品であったと思います。
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たった2冊の売れない本を残した作家の言葉は呪いか、標か。様々な理不尽に抗う高校生の青春群像。
そぉかぁ、くらげ、降るんだ…。 ま、いいか。
亨くん、いつか「未完成本」を完成させるんだろうな。
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新刊の時に読んでて
めちゃくちゃ面白かった!
けど内容ちょっと忘れてたので文庫本版も購入
やはり良い話だ
こういう世界ならば
この前の様な悲劇は起こらなかったであろう
これが受賞時は大学生だっというのも凄い話
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仕事が少ないだろうと図書委員になった越前亨くん、同じ図書委員の小崎さんと一緒に仕事をしながら、屋上でクラゲを呼ぶ彼女に付き合う。小動物のようで可愛い女子だけど、越前くんの恋愛対象ではなく、好奇心で付き合っている。
彼は日本文学の名作を借りて読んでいるが、好きで読んでいるというよりもある順にのっとって、半ば義務的に読んでいる。それは彼の生活全般に通じるところでもある。
彼が小学校3年生の時に病で亡くなったお父さんは生涯2冊だけ世に出した作家で、亡くなる前にかけられた言葉が彼をしばり、父との会話も記憶から閉め出して、父の作品を読むことなく小学校高学年、中学校を過ごした。彼は忘れていたがそれまではお父さんのような作家になりたいと言っていたし、父からはおまえの書く作品を楽しみにしてるよ、との言葉ももらっていたことにやっと気づく。また記憶に封印されていた父との会話も思い出す。
小崎さんがクラゲを呼ぶ理由が明らかになり、傍観者であった亨くんが主体的に関わるようになり、友も巻き込んでいく。
小崎さんと矢延先輩は本が好きで、現代の作家さんの作品名が大挙して出てくる。幾つかは読んでいたけど、幾つかは読んでみたいリストに入れる。
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作品内に、実在の本が色々出てくるので、同じ世界線のどこかで、このお話が実在しているように感じられる。
ヒロインの「くらげを降らせる」というちょっと変わった目標をきっかけに主人公が少しずつ変わっていく様子は心温まる。そして主人公を取り囲む人々が、大人も含め、心優しい人が多くて嬉しくなる。「目撃者の義務」の話がとても心に残る。
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物語にはいろんな世界があって、人がいるから、何が降ったって、降ることを祈ろうったっていいじゃないか。
砂漠に雪を降らせたい大学生もいる。
ブタの降る世界がある。
クラゲが降るよう願う子たちがいる。
できれば、重力に少し逆らいながら、軽くステップを踏み続ければ避けられるくらいのスピードと量で降ってきてほしいものだ。
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表紙の装丁が素敵。
実在する小説が出てきて、この本読んだことある!と思ったり、読んだことのない本に興味をもったりした。
心に残る文章やセリフがたくさんあった。
この作家さんの他の作品も読みたい。
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ふと、目にしたTwitterで知り何気なく借りた小説
・優しさの本質は他者への興味
・見た限りは話を聞いてあげるなり、諭してあげるなり、何か手を差し伸べてあげるべき
・ひとりは最も近くにいる気軽にやってくる地獄
これらの言葉が心に刺さる。
感動するオススメの本です。
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p13「春の空は柔らかく、引きちぎられた綿菓子のような雲が青の半分を占めていた」
とても良い表現!好き。空をこんなにきれいに表す言葉、初めて。
p182「無関心である事は、人に優しくできないという事だ。自分勝手である事は、感情の矛先を間違えるということだ。優しさの本質は他者への興味だ。」
先輩が読書家で、よく本に出てくる言葉を言うシーン。本好きな人って、語彙力高そうで憧れる。
p246「小説は現実に影響を及ぼすよ。人の考えを変える力がある。」
p285「小説はいいよ。真っ白な紙にインクで文字を写しただけなのに、人の心を動かす。魔法みたいなものだ。生み出される意味があるものだよ。」
p333「あとは、ほら自分がぐんと広がる気がするでしょ。視野が広くなる。登場人物を追いかけながら、そんな考え方もあるんだなあって。」
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わたしたちは日々迷惑をかけたりかけられたりして生きています。ただ一口に迷惑と言っても、色々な種類(あるいは背景)があり、様々な形式、レベルでの「許し」「償い」が必要とされます。本書の主人公は、迷惑が何かが分からなくなり、すべての迷惑を同質な「迷惑」で片付けようとし、それを単に「かけるべきではないもの」「かけられたくないから避けるもの」として退ける生活を送っています。一見クールで合理的に見えますが、そのことによって他人への興味を失っている状態となっており、本書によれば、それはすなわち「優しさ」を欠いた状態ということに他なりません。この背景には幼い頃に売れない小説家の父が最期の病床で「迷惑かけてごめん」という一言を放ったことに起因しています。この迷惑の意味がわからないまま、より正確に言えば、迷惑の意味がわからないという事態が何かがわからない、という中でもがき苦しむ主人公の青春に読者は寄り添うことになります。本書はその対応する許し・償いを探す物語です。
この死は幼い主人公にとっては突発的であり理不尽ですが、世の中には、様々な迷惑に対応する様々な理不尽が転がっています。理不尽が起きると、それに抵抗する形で迷惑が生じる。読者は主人公とともに、世の中に転がる様々な理不尽とそれに対する抵抗に直面し、迷惑の意味について考えていくことになります。
※ ※ ※
例えばトランスジェンダーに生まれるということは、誰が自分をそうしたとかではなく、相手のいない「迷惑」を受けていることです。わたしたちはそれに苦しむ。理不尽だ。したがってそこには抵抗が生まれる。相手がいないので、仕返しをすることもできないし、苦しみを屈曲させて犯罪を犯すことも許されません。それは迷惑の連鎖を生むからです。そこで、主体が非局在化した形で(誰がやったのかわからない形で)、客体も非局在化した形で(すべての人にあまねく)迷惑をかける行為を想定しなければなりません。著者がそこでテーマに選んだことが「クラゲ乞いをして空からクラゲを降らせる」ことだった。現実世界ではなんにあたるでしょうか。それは、本書で図書委員である登場人物からたくさんの小説が紹介されていることから示唆されているように、「書く」ということなのかも知れません。
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ぜひ高校生の方には読んでほしい
青春ものではあるが恋愛物語ではないです。空からクラゲが降ってくるというトンデモ展開のSF要素がありますが、登場人物の抱えるものはどれも現実感溢れるものばかりで、読者はきっと共感できるものだと思います。
世の中は理不尽で溢れていて生きづらいと思うこともあるとは思うけれども、それでも優しくあろうと思えた心温まる作品でした。