死に戻り皇女は前世の夫の初恋を成就させるため、身代わりの死を望む　下

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えっ、そういうオチ？　という感はあったのだが、番外編のラストでうっかり泣いてしまった……。挿し絵がいかんよ、挿し絵が。

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全部分かった上で読む番外編に最後の最後で泣かされた。
挿絵がまた泣かしにかかる……
今世だけでなく「前世」にも救いのあるラストでよかった。

上巻では重要人物だったアルバートが登場人物一覧から消えたと思っていたら、政治的駆け引きというか、ガチで命のやり取りをするような展開は下巻冒頭で決着。
あまりに意外な展開で、一気に片付いたので驚いた。
法王の件は終盤まで引っ張るのかと予想していたので。
だから、下巻でのメインの話は「死した乙女の願い」に対しての決着になる。

かつて愛した人を思い出してしまうという呪い（と言っていいだろう）
前世ではアンを愛していたレイは、そのときにアンジェリカへの愛を忘れてしまうのでは。
その恐怖とアンジェリカは戦うことに。
ただ思っていたほどの悲壮感はない。
何しろ下巻のレイはこちらが砂を吐くほど甘い台詞しか言わないので。
8割方ぶっこわれな砂糖まみれの台詞だから……キャラ崩壊を本気で心配するレベル。

パレードまでの懐妊を心配しなくてはいけないレベルで蜜月を過ごした二人が迎えたその瞬間。
そこからの展開は、ほらやっぱりねと思った部分と、はい！？と驚いた部分が半々。
アンを愛していたと言う証言があのアルバートだったので、その点は疑っていたのだけど、さらに隠されていた裏があった展開は衝撃的だった。
前世のレイは何という重いものを背負っていたのだろうと思うと、もう（そして番外編で涙する）

驚いたと言えば、ユングの件も。
只者ではないとは思っていたら、まさかの。
侍女のあの子と口喧嘩がすごく好きだったので、この展開は個人的にちょっと寂しかった（何せ彼女は別キャラとフラグ立っちゃったので、余計に寂しかった）
でも、最後までいいキャラでした。

上巻ほどのハラハラや悲壮感はなく、安心して読めた下巻。
寧ろ2人のラブラブっぷりに終始当てられる、そんな下巻だったと思う。
表紙の通り「光」の話でした。

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上巻のほうが人気が高いですが個人的には下巻のほうが好きです。

上巻での悪役の断罪、ヒーローとヒロインの結ばれてからの溺愛、皇女の死に戻りの真実…。上巻でのいろいろが消化されていく過程と、甘い口説き文句の連続！
身近な登場人物もみんな幸せになれてハッピーエンド。

と思ったら、死に戻り前のヒーローの苦難の上に成り立つ幸せという結末で、胸が苦しくなりました。ヒロインが死に戻ってヒーローを救った話だと思っていたけど、ヒーローも人生をかけてヒロインを救っていたのね…。切ないです。でもそんな救い救われる関係が大好きです。