電子書籍
一抹の切なさ
2022/12/03 15:41
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投稿者:イヨリ - この投稿者のレビュー一覧を見る
何となく合いそうだったので購入。
ひとつの世界にまつわるエピソードを多角的に描き、それらを纏めた短編集のような作りで好きだった。
文体は比較的淡々としているが、それがかえって雄大な時空のうねりを際立たせていた。
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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
洪水のときに拾った箱の中には、別な世界が存在していた。恒川光太郎さんの作品では(他の作品と比較して)痛みや毒の少ない作品と思いました。ミルフィーユのように重層の物語が展開します。
紙の本
SF短編連作集
2022/09/26 12:45
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投稿者:S910 - この投稿者のレビュー一覧を見る
6つの物語と、5つの幕間の話で構成されている。
それぞれが独立した話だが、前の話の登場人物の名前が出てきたりして微妙に繋がりを感じさせるSF作品群。
短時間接着剤が一番SF要素は薄いかな?
最後の円環の夜叉が一番好みかもしれない。
帯に異能とか多元世界ファンタジーと書いてあったけど、多元世界はともかく異能らしい異能はほとんど出てこなかったような?
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読み進めると、どんどん壮大な世界に引き込まれていくんだけど、もともとは箱の中の世界のお話だったはずなのに!と気づいて驚かされる。
ファンタジーもSFも苦手なんだけど、これは恒川テイストが感じられて、なかなか面白かったな。
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いつしか旅をしている
時や人の流れに乗って小さな箱から広がる世界を俯瞰するこの感覚は、何とも言い難い
それぞれの作品はいつか繋がり、物語を超越する
自分の脳内で箱化する展開も興味深い
時間があったら年表図にするのに
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ドラえもんに出てきそうな話、
伊坂ワールドのような話、
星新一のような不思議な話
何かに当てはめてしまうのは悪いクセ
それぞれの短編は面白い
自分は面白い順が、キレイに出てくる短編順だった。
章をまたぐ「物語の断片」は単行本化にあたって書いたみたいだけど、
蛇足だったんじゃないかな。
短編が繋がったり、後づけも嫌いではないけど、
やっぱり相乗効果がないとな
せっかく、面白く読んでたのに
自分的には減点の対象になった…。
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壮大だった。
始まりは一つの箱なのに終わりは世界の終わり。
章ごとに世界が変わり時代も変わり混乱するところもあったけど、全てつながりがある。
ラルスの生まれ変わりはルルフェルなのかな。
シグマ怖かった。
日本と箱の中の別世界が繋がっていると最初は思っていたけど、もしかして箱の中の世界はすごく先の未来?
考察は色々考えられる。
私としては久々の読書だったけど夢中で読めた。
これまでの恒川光太郎作品とはなにかが違うような…それが何かうまく説明できないけど。
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今流行りの時空ものに恒川ワールドが絶妙に融合した、捻りのある連作短編集
一つの箱からどんどん壮大な物語になっていくが、私は前半から中盤までが好みだった
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森見登美彦さんの熱帯ほどパラレルワールド往復してなかったけど、循環する世界って感じ面白かったな。
一つ一つの話ごとに紙にメモして、どの話とどの話が繋がっているか整理した。本はその紙一と緒に本棚へ。
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最初のお話から最後のお話まで、おそらく2万年位あるんじゃないかしら。壮大で複雑で、次元も空間も超えてどんどん広がっていく。
長かったのでなかなか読み終わらなくて、恒川超ファンとしては、至福の毎日を過ごせました
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気づいたらお話の世界にどっぷりつかって魅せられてました。
うっとりする文章ですぐに引き込まれました。
連作短編集で、少しずつ少しずつ世界がどこかで繋がっていて、読み終えたときにまた最初から読み始めたくなります。
世界の繋がりを知らなかった自分と、知った後の自分と、二度の読書体験が出来ておいしいです。
銀時計の話が一番どきどきしました。
得体の知れないものが追いかけてくる恐怖で手に汗にぎりました。
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マルチバースな連作短編集。各短編は登場人物も世界も変えながらゆるやかにつながっている。
「箱の中の王国」はなかなかないアイディアで、カタルシスもあってよかった。
「スズとギンタの銀時計」はタイムリープを繰り返す姉弟の物語。人生を生きるとはというテーマもうまく織り込まれている。
「円環の夜叉」はちょっと『三体1』に出てくる三体世界の「脱水」のエピソードを思い出した。
面白かったです。
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珍しく立て続けにリリースされた氏の新作。個人的には、箱庭を題材にした1つ目の短編が一番好み。今回はこの世界観における長編なのかと思いきや、全体がゆるく繋がる短編集だった。直近が短編集だったのもあり、今回は長編をという期待があった分、ちょっとしたガッカリ感も。でももちろん、つまらないということは決してなく、面白く読了しました。
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箱の中にある異世界。
連作短編のそれぞれのお話が連動していて、円環になっている感じ。
箱の中の世界は人間界の3倍の速さで時が過ぎる。箱に入ると特定の場所に降りる。帰ってこれない。
箱の中にも社会があって、決して理想郷ではない。
途中、箱と違うアイテムが出てきて、ここから別の話かと思いきや、繋がってた。繋がりを感じて嬉しかった。
なんともイマジネーション豊かな、楽しいファンタジーだった。
楽しいばかりではないやるせなさも詰まっているが、そのざらつきがとても魅力的。
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久しぶりに読んだ恒川作品は、
なぜしばらく読まずに離れていたのか信じられないほど
めちゃくちゃ好みのお話でした。
「最近何か面白い本、読んだ?」
て訊かれたら(訊かれないけど)真っ先にこの本を挙げます。
「怪と幽」掲載の6話と
合間に挟まれる書き下ろしの「物語の断片」5話が収録。
始まりは縦47センチ横38センチ高さ16センチの箱。
この閉じた小さな箱の中に、
これほど広大な豊潤な物語世界が詰まっていようとは。
物語単独でも興味深く素晴らしいのですが、
読んでいくうちに物語同士が緩く意外な形で
結びついていることに気づかされるところがたまりません。
円環し、滅亡と再生が繰り返される世界。
その世界で生きる様々な人たちの生に胸が熱くなります。
「円環の夜叉」からの「物語の断片5 最果てから未知へ」は
ズルいと思ったし、ちょっと泣きました。
「物語の断片2 静物平原」は、
読んで諸星大二郎作品のカオカオ様が登場する
『遠い国から』シリーズを連想しました。
そうそう恒川さん、
ドラえもんが好きだと思ったんだけどどうだろう(笑)