様々な時代の今村翔吾さんの作品
2023/12/06 23:08
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投稿者:一式観測機 - この投稿者のレビュー一覧を見る
初めての賞レースの大会に作品を出した作品が何点かあり、売れっ子作家になる前の作品が多いと感じた。
だからこそ、デビューしたての今村翔吾氏の作風とこの頃から大事にしている信念を感じる事が出来ました。
今村翔吾氏が好きな人・興味があるけど何を読めば分からないて言うの状況の時に読んでもらいたいです。
短編も秀逸です!
2023/11/10 10:23
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投稿者:future4227 - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史上あまりクローズアップされることのない人物にスポットライトを当て、とても魅力ある人物として描く短編集。今川氏真、織田秀信、間部詮勝、新発田重家、武田義信、北条氏規など、ともするとスルーされがちな人ばかり。世間の評価も決して高いとは言えない人たちにも、何かしらの才能があり、時代や身分が異なればヒーローになったかもしれない。そして今村翔吾さんが描く人物はとにかくカッコいい。どんな人もたちまち爽やかで清々しい人物に仕立て上げてしまう。登場人物を幼名で呼ぶ手法も今村さんの特徴として定着しつつある。
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
狐の城の北条氏直の子供とのお話は、良かったです。それと、蹴れ、彦五郎、は、桶狭間での父義元が亡くなって、息子の彦五郎氏真は駿河今川氏の当主となってからのお話。その後、徳川家康が離反し、武田からも……という彦五郎の転落していく様が悲しい
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今川氏真(今川義元の嫡男)、織田秀信(織田信長の孫、三法師)、などを主役にした話から始まる8編の短編集。スター性のある戦国武将のなかで、能力がないとみなされ、目立つところがなかった人物と思われていたところにスポットをあて、そしてむちゃくちゃ魅力的!
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今村さんの初期作品短編集。デビュー前に書かれた作品を含む、八話が収録されています。
表題作で第一話「蹴れ、彦五郎」の今川彦氏真、第二話「黄金」の織田秀信、第七話「晴れのち月」の武田義信、第八話「狐の城」の北条氏規など・・・。
この短編集で描かれるのは、名だたる武将達の子息や孫など、偉大な父祖の影に隠れがちな、渋いチョイスの人物達です。
ですが、そこはキャラ造形がお上手な今村さん。
各話読むごとに、その話のメインキャラ達を好きになってしまうような、魅力あふれる描かれ方をされていて、流石だなと唸らせるものがあります。
一冊通して“人はそれぞれ独自の才能がある”という事がテーマなのかな、という印象を受けました。
時代や社会構造等の事情でそれが活かせない事もあるかもしれないけれど、皆必ず何かしらの“才”はあるんだよ・・というメッセージのようなものを勝手に感じとった次第です。
そんな中、異色作といえるのが第三話「三人目の人形師」。時代も近代ですし、サイコサスペンス的な仕上がりで、ゾクっとしながらも、このような話も書かれるのだなぁと新鮮に思いました。
というわけで、本書は様々な人物が味わい深く書かれた、“才”の玉手箱のような短編集です。装丁も美しくて良きですね。
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8つの短編集で、室町から明治まで名は知っているがイマイチパッとしないまま・・・だった人物の素の生き様を描いたもの。とりわけタイトルでもある「蹴れ、彦五郎」の主人公である今川氏真がよかった。おそらく辞世の句をもとに人物像を新たに描いたのだろうけど、現代人の考え方と同じだな、親近感が湧いた。
367冊目読了。
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今村先生、短編も面白い!
マイナー武将がメインだったけど、
全部面白く読みました。
やっぱ、旬の作家さんだな~
と思ったけど、
あとがきを読むと結構、前に書いたみたいね…。
最初、全編通した裏テーマで、
人には向き、不向きがあるんだよ
自分に合った才能を見つけるのが大事
ただ、時代によって、それは許されないけどね
その点、現代は無限の可能性が広がってるじゃないか
というメッセージを入れてるのかと思ったが、
たまたまだったかな!?
愚将として有名な
戦国のファンタジスタ
今川氏真
が、かっこよく見える表題作でつかまれ、
今作では趣の違う「生き人形」では
一気に没頭
(この短編が一番好きでした。)
わずか数ページの青鬼の涙
で、切ない気持ちにさせられ、
すげーとなった。
やっぱ、今後も追いかけたい
マイブームの作家さんです。
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ノりにノってる今村翔吾の魅力満載の短編集。いろんな今村テイストが味わえるお得な一冊。
ずっしりとした舞台で、しっかりと「人」を描き続ける今村さんならではの余白の味。
行と行の、ページとページの間にある人の時間。
表舞台の華々しい人生の、その隣に、あるいは向こう側にある多くの人生。
表題作の『蹴れ、彦五郎』は父義元の死により今川家当主となった氏真こと彦五郎の、その矜持を描く。
和歌と蹴鞠に溺れ国を滅ぼしたといわれる彦五郎のもう一つの顔。
今村翔吾の筆が掬いとるその人生のひとつひとつの散り際を堪能。
短編集の中で注目は『三人目の人形師』。今まで主に「武」の人を描いてきた今村翔吾が人形師をどう捌くのか。
武士という一定の形の中で生きている人生ではない、その新しい世界。これはもっともっと読みたくなるはず。
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面白かった。
短編の多くは、作者がこうありたいと思う世の中を志向する、こうありたいと思う生き様の男を描いており、主人公がだぶって見えた。
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デビュー前、デビュー 当時の短編集
《蹴れ、彦五郎》
父、今川義元の跡を継いで、駿河今川氏の当主となった、彦五郎氏真。
松平元康の離反や、甲斐武田の圧迫を受け、正室・早川殿と、大名の地位を失い放浪する。近江六角家臣の遺児たちに請われ、剣術や兵法を教える中で、彼らの将来や、無限の可能性を感じる。そんな時、父の仇・織田信長から『蹴鞠を披露せよ』との要請が届く。断り続ける氏真だったが・・。
《黄金》
織田信長の孫・織田秀信は、徳川家康討伐の兵を出した、石田方に味方する。
「織田信長の嫡孫らしくあろう」と
負け戦の最中、家臣に与える、感状を書き続ける。
《三人目の人形師》
生き人形に魅入られた、三人の人形師の狂気。
《瞬きの城》
雁に出た、太田道灌は、降り出した雨を凌ぐため、一件の民家に着いた。一人の見目麗しい女性に「蓑を貸してくれ」と頼む。女性は、しばし後、山吹の枝を差し出した。
道灌は、和歌に疎く、その意味が理解できなかった。
《青鬼の涙》
"彦根の赤鬼"井伊直弼に対して"鯖江の青鬼"と、並び称された、間部詮勝。
掌編と呼ばれる短い小説。
《山茶花の人》
由良勝三郎が見た、新発田重家。上杉家に刃向かった彼は、悪なのか、義を持ち合わせていたのか。
《晴れのち月》
17歳で初陣を飾った、武田信玄の嫡男・武田義信。
武田家に反旗を翻した、知久氏は、武田勢を分散させて、本陣を突く。
父親を守ろうと、義信は、自ら動いたが、父を助けたい一念で駆けつけた義信に、論功行賞の場で、信玄は、義信を詰った。
そんな折、今川義元が討たれたとの報が・・。
《狐の城田 》
氏政、氏邦が、豊臣秀吉に逆らった事で、戦に。
豊臣との戦に必ず勝つと信じる重臣。
北条四兄弟の四男氏規は「負ける」と言い放つ。
知っている歴史上人物や、知らなかった人物。
それぞれ、魅力的に書かれているが、やはり、長編の
ドラマティックさに、欠けるところがある。
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小説家デビュー前後の作品を中心とした短編歴史小説集。
「蹴れ、彦五郎」今川氏真
「黄金」織田秀信
「三人目の人形師」安本亀八
「瞬きの城」太田道灌
「青鬼の涙」間部詮勝
「山茶花の人」新発田重家
「晴れのち月」武田義信
「狐の城」北条氏規
8編収録。
長さは掌編から短編までありますが、どれも面白く珠玉の作品集、歴史小説の玉手箱、宝石箱、クッキー缶という感じです。
負け組を描いているのですが、そのもっとも輝いた時を描くことで爽やかな読後感を得ました。
適才適生という感じでしょうか。
時代小説はあまり好きでないので、著者を知るのが遅くなったことを後悔しています。
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初期短篇集
マイナー武将や職人が主だけれど、彼らから見た有名武将、という視点も面白いです
人はどこまで貪欲になれて、また人で居続けられるのかを常に問われる、ある意味怖い作品群でした
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『童の神』『じんかん』『塞王の盾』『ぼろ鳶組シリーズ』『くらまし屋シリーズ』など長編小説を描かれるイメージの強い今村先生の、デビュー前に描かれた短編を含む初期作品を集めた短編集。
今川義元の嫡男・今川氏真、織田信長の孫・織田秀信(三法師)、大田道灌、新発田重家、武田信玄の嫡男・武田義信、北条氏規等など。戦国の世に名を轟かせた有名武将たちの周りには、あまり著名ではないけれど、戦国の世を確かに彩った漢たちは当然のごとく大勢いた。
そんな当たり前のことを、今更ながら世に知らしめようとする今村先生の知識力にはいつも感心させられっぱなし。
武田信玄が廃嫡した武田義信を主人公にした『晴れのち月』が特に良かった。
「それぞれ守るものが異なるために戦になるのだ」
「死んでも守らねばならんものは名なのか」
数々の戦を前に自問自答を繰り返し、武士としての矜持を持ち自分の信じる道を突き進む漢たちの姿はいつ見ても素敵だ。
それにして武将のみなさん、名前が似ているので読んでいて何度も混乱した。苗字がないと区別がつきにくい。
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面白かったねー!
今村翔吾さん初期の短編集
短編も面白いのは分かってましたが、内容もバラエティに富んでいます
まだまだ隠し持った武器も感じさせ、さらなる飛躍を期待させます
ところで今村翔吾さんの歴史上の人物が登場する作品レビューに「○○○○はこんな一面があったんですね」とか「△△△△は本当はこんな人だったんですね」といった感想が散見され、どうしても「んんん?」と思ってしまいます
もちろん本を読んでどのような感想を抱こうが個々人の自由であるというのが大前提であり、他人がとやかく言うことではないとは思うのですが、どうしても「いやいやいやこれはあくまで今村翔吾さんの創作で…」と突っ込みたくなってしまいます
ですがここでふと考えました
そもそも歴史上の人物の人となりなんてほとんどが伝聞によって残っているにすぎず、その伝聞にフィクションが多分に混じっているであろうことは想像に難くないのです
例えば三国志の英雄などで言えば現在信じられている人となりは完全なる創作物である『三国志演義』によるものだし、さらに日本でいえば吉川英治さんの著作にある人物像こそが日本人の思い描く関羽であり諸葛孔明として定着しています
また日本が誇る幕末の偉人坂本龍馬は現在の研究ではさほど大きな役割を果たしていなかったのではとまで言われていますが、多くの日本人が思い描く人物像は司馬遼太郎さんの『竜馬がゆく』の幕末の志士坂本龍馬であり、日本の近代化に大きな功績のあった人物として今後も語り継がれてゆくのではないかと思います
ですからまぁそもそも歴史などというものは曖昧模糊のものと割り切って、深く考えずに今村翔吾さんの世界観に浸りとことん楽しむのも一興ではないかと思うのです
1000年後には今村翔吾さんの著作が史実になってるかもしれませんしねw
ちなみに吉川英治さんの著作はすでに史実です(そんな奴がよう人様のレビューをとやかく言えたな!)
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今村翔吾さんの作品はとにかく長くて、読み手としては徐々に気持ちが乗ってくるのが醍醐味だと思ってますが、今回の短編集は、ひと味もふた味も違った作風で楽しめました。
個人的に好きなのは「瞬きの城」、「晴れのち月」、そして「三人目の人形師」。
さきの二作は人間愛をうまく歴史上の人物にあてはめていて主人公のチョイスが絶妙。
そして「三人目の人形師」は意表を突くホラー作品に仕上げてあり、読後にゾクっとくる。 こんなのも行けるんですか今村さん!
すごいわ。