波濤の牙 海上保安庁特殊救難隊 (新装版)
著者 今野敏
台風が接近し、海が荒れる茅ヶ崎沖で、海難事故が発生した。海上保安庁特殊救難隊の惣領正らは、直ちに現場に急行。北朝鮮船籍らしき船から、三人の男を無事救出した。だが、救助した...
波濤の牙 海上保安庁特殊救難隊 (新装版)
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商品説明
台風が接近し、海が荒れる茅ヶ崎沖で、海難事故が発生した。海上保安庁特殊救難隊の惣領正らは、直ちに現場に急行。北朝鮮船籍らしき船から、三人の男を無事救出した。だが、救助した男たちが突如変貌し、惣領たちに銃口を向けてきた。男たちの要求は、沈みゆく船から“荷物”を取って来いというものだった。荷物とは一体何なのか? 彼らの目的は? 特救隊の男たちの決死の戦いが始まる――。傑作長篇小説、待望の新装版。(解説・関口苑生)
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ちょっと古い
2017/11/15 19:21
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:julie - この投稿者のレビュー一覧を見る
海上でのスリリングかつスピード感ある描写、さすがです。
この方、本当にいろんなものが書けるんですねえ。地上での格闘・アクションものはよく見かけましたが(正直、描写がマニアック過ぎて私はあまり好きではありませんが)、海の上でのアクションまで見事に書き切るとは。おみそれしました。
それはいいのですが、ちょっと気になるのは…。
この方の作品、日本語の使い方が気になったことは今までにないんですが、こちらの作品では、何か所かありました。さらには、ほかのレビューにもありましたが、主人公の女性の描写が、ちょっと、時代遅れ感否めません・・・。「〇〇ですわ」とか、「…もう迷わない」とか、ちょっと気恥ずかしくなりました。そのあたり、今野さんの作品の中でも古いのかな、と感じさせてしまう瞬間。
気になったのはそれくらいです。全体的に、見事です。この方のほかの作品では、描写がマニアックすぎたり細かすぎてたまに斜め読みしてしまう個所があるんですが、こちらに限っては、斜め読みする部分はありませんでした。
ほかのレビューに、文章が短く分断されていて読みにくい、というものがありましたが、そこは好みだと思います。私は、長い文章より読みやすいし、スピード感は圧倒的に出るので、短さは気になりませんでした。
かなり特異な作品
2022/11/29 09:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「新装版」というタイトルからも分かるように、この作品はかなり古いもので、1996年に祥伝社より発行。2004年に文庫・新装版として角川から発行され、今年8月16日に電子書籍版として発行された作者の76番目の作品。
海上保安庁特殊救難隊という特殊な組織を取り上げ、時化た海でのその活躍を描くというだけでもかなり特異な作品だと思います。
当時の最先端の技術や救難装備などなどかなり念入りに調査したのだろうなと言うのが分かる緻密な描写で、技術的なことにあまり興味を持っていない読者には少々読みづらいかもしれません。
登場している技術ばかりでなく、言葉遣いもやや年代を感じるところはありますが、ドラマ展開には力強い牽引力があります。
また、笑顔が安心感を醸し出すパワフルな海の男たちの魅力もたまりません。惣領正を中心とする救難隊の物語がシリーズ化してもおかしくなかったと思いますが、そうはならなかったのが残念ですね。
そして、ハラハラばかりでなく、惣領正と付き合いの長い恋人のエピソード、30歳を迎えたジャーナリストの彼女の将来の悩みや心の揺れの描写など事件以外の人間関係のドラマも丁寧に織り込まれているところが今野節ですね。