紙の本
少しだけ何かが違った世界のお話
2022/08/21 19:52
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:koji - この投稿者のレビュー一覧を見る
久しぶりの三崎亜記氏の作品です。
私には珍しく購入してすぐに読みました。
全部で19編からなるショートショート集です。
どの作品もいかにも三崎亜記氏の作品らしいなと思いました。
私たちの暮らす日常と地続きのような世界なのに
どこかほんの少し何かが違っている異世界のお話でした。
私はほとんどホラー系の小説は読まないのですが、
この作品はそこらへんの作品よりも十分に怖いお話が多かったです。
今ある日常が本当はひどく脆弱なものでしかないことへの怖さだと思うのです。
それは自分が知っているつもり事が実際にはほとんど何も知らないことの怖さでしょうか。
中でも「回収」と「緊急自爆装置」は印象的で忘れられない作品になりそうです。
19編の中にポツポツと少しだけ読み手をホッとさせてくれるお話も混じっているのは
三崎亜記氏の読者への心遣いのような気もしています。
紙の本
何かが違う日常
2022/11/18 03:02
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆかの - この投稿者のレビュー一覧を見る
三崎作品は久しぶりな気がしますが、変わらず独特な世界がいくつも在ってよかったです。
毒気の多いものから、少し泣きたくなるような話、あとほんのりとあったかい気持ちになれるようなものまで揃ってるので、隙間時間におすすめ。
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普通じゃないことが普通になっている世界の設定が抜群な三崎作品。自爆する権利が普通にある世界、体の部品を定期的に交換する世界などなど存分に三崎ワールドを堪能出来ます。が、やっぱり長編の方が三崎ワールドの彷徨い甲斐があります。
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三崎亜記感溢れる19編のショートストーリーが、ショートショートの面白さを再認識させてくれます。
実写ドラマで見てみたいなぁ。
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19の掌編。最後の「The Book Day」には羽ばたく本が登場し、これまでの作品とのつながりを感じさせますが、いつも三崎作品に登場する”この国””この街”は出てきません。しかし、原因と結果がひっくり返ったような不思議な世界、理由も分からない不条理な設定、これぞ三崎ワールドという作品ばかりです。
帯に”中学・高校の教科書に採用された「私」「ゴール」「公園」も収録”とあります。いくつかの文学賞候補にはなるものの、デビュー作『となり町戦争』の小説すばる新人賞以外に受賞作も無く、さほどポピュラーとも思えない三崎さんの作品が教科書に載るのですね。この不条理な世界に面食らう生徒さんも多いでしょう。いや、むしろ頭の柔らかい若い人向きなのかもしれませんが。
クレームを回避するために全てが取り払われ、入るのに誓約書が必要になった「公園」の様な風刺的作品も良いけれど、旅人の間で回し読みされる本を描いた「待合室」、亡くなった妻と旅をする「きこえる」、亡くなった人の大切な本を手放す「The Book Day」など、今までにはあまりなかった様な素敵な透明感のある話が印象的でした。
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初読。19編の短編集。いろんな味わいの短編が一息で読める幸せ。コワイものも、ホッコリするものも、悲しくなるものも、幸せに感じるものも、どれもこれも三崎さんらしさが滲みでているのがスゴイ。
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三崎亜記ワールドが濃厚に詰まったショートショート、だと思う。表題作の『名もなき本棚』も素敵だったが『回収』のざらりとした読了感は世にも奇妙な物語に出てきても不思議ではないほど。他のどの作品も刺激的で、短いが故により欲しくなるちょっぴり中毒性さえ感じてしまう1冊ではないだろうか。
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不思議でブラックなショートショート集。
「部品」「闇」「私」「回収」「妻の一割」「緊急自爆装置」「流出」が印象に残りました。どれも遠くない未来におこりうるかもしれない、そんな怖さがありました。何よりも淡々とした文章が感情を置き去ったように思えて、不思議な世界観をより広げていました。
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世の常、現代の暗黙の認識のようなものが揶揄?して現されている。少しドキッとすることもあるが、これが現実だよね、と思わされる。
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三崎さん久々に読んだが、面白かった!常識が違う世界の不条理加減が好み。自爆するときってどんな時なんだろう。
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三崎亜記さんの大ファンなので、色々なところに発表されていた短編たちがまとめられてとても嬉しい!と思って購入しました。
収録されている「私」という作品は教科書に採用されていまして、もう既に教科書からさよならしてしまった私にとっては、読みたくても読めない〜!!とハンカチを噛む思いをしていたのでした。それがついに!こちらに収録されまして!読むことができました!ありがとうございます。フリマで教科書買おうか悩んだことが懐かしい・・・・・・。内容は流石というかちょっと不思議でちょっと難しいんですけど、テスト対策و・◡・وみたいな動画がYouTubeに上がってたりして、新鮮な楽しみ方ができますよ。
お気に入りは「スノードーム」です。これはアンソロジー作品集『不思議の扉 ありえない恋』で先に読んだことがありまして、うわ〜流石三崎亜記先生!天才!甘酸っぱいね!!と1人でめちゃめちゃ感動したお気に入りの1話だったので、ここで再録されて嬉しかったです。簡単なあらすじですが、ディスプレイの女性に恋する男性の物語です。変態じゃないですよ!?静かで美しい雪を見ながら、あったかい部屋でココアを飲むみたいな雰囲気の美しい話です。恋っていいな〜♥クリスマスにぴったりのお話なので、私は友人へのクリスマスプレゼントにこの本を選びました。
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ありえない事が普通に起こる世界という設定ばかりで星新一みたいだった
短編も意外と面白いな、と思ったけれど、時々ホラーっぽい話もあって、とりあえず命を大事にして欲しいと思った
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数ページで終わる超短編もあるし、ファンタジー、SFとかぬるっとした怖さもある話とか色々。読みやすい。
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ショートだったり、ショートショートだったりからなる一冊。
ほとんどの作品が、"結局何だったんだろう"という不可思議話の不可思議結末で終わるけど、それで良いというか、そこが良い作品だと思う。
ピースの又吉さんのYouTubeでやっている、インスタントフィクションであった作品を思い出させる作品があり、もしかしたらこれを見て又吉さんのYouTubeに投稿した?と思ったけど、
もし違ったとしたら、同じ様な事を考える別人がいることが不可思議話だと思いました( ͡° ͜ʖ ͡°)
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”近年ますます、日常生活で「自爆」を求められる状況は多様化している”
そうなのか?と疑問を挟む余地を与えられずにストーリーは進む。
解説に書かれている作風の説明で「予め疑問が排除されている空気感」とあり、まさにそうだと思う。
現実に見えるが、明らかに異なる世界が現実として存在するかのように世界観を作り上げる。
本書はショートショート19編、
うがいをした拍子で体から部品を失くしてしまった男の違和感を描く「部品」
政府が確認したために日常で見かけることが多くなった飛行物体をめぐる「確認済飛行物体」
祖父も父も失踪した原因となる”闇”が、ついに自分の近くで見かける機会が増えた「闇」
その女性は、二重管理されていて削除されたデータのほうが本当の私だと訴えた「私」
エレベータを使うのが嫌いな私は、非常階段に本棚があることに気が付いた「名もなき本棚」
緊急時に自爆に迫られた時の手段である”緊急自爆装置”導入の予算に悩む公務員「緊急自爆装置」
回収は一週間先の”会社員”が不法投棄され、今週のゴミ置場の当番の主婦は怒りを感じる「回収」
ほか、全19編