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フローリングのお手入れ法
著者 ウィル・ワイルズ(著) , 赤尾秀子(訳)
部屋はただの空間ではなく、精神の表出、知性の産物でもある……われわれは部屋をつくり、部屋はわれわれをつくる。それがオスカーの信念だった。神経質で完璧主義の音楽家である友人...
フローリングのお手入れ法
05/09まで通常2,200円
税込 1,100 円 10ptワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
フローリングのお手入れ法 (海外文学セレクション)
商品説明
部屋はただの空間ではなく、精神の表出、知性の産物でもある……われわれは部屋をつくり、部屋はわれわれをつくる。それがオスカーの信念だった。神経質で完璧主義の音楽家である友人オスカー宅で、二匹の猫を預かり留守番をすることになったぼく。スタイリッシュなフラットでの気ままな日々が待っているはずだったが、思いもかけない展開に……。そこここで見つかる友人の細かい注意書き。フローリングには万全の注意を払ってほしい、コースターなしで床に飲み物を置かないこと。猫をソファには絶対上がらせないこと。ピアノで遊ばないでほしい……等々。次第に追い詰められていくぼく。恐ろしくもおかしいカフカ的不条理世界。悪夢のような八日間の果てにオスカーから聞かされたのは? ベティ・トラスク賞受賞作。
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紙の本
整理整頓
2023/01/01 17:21
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
1) 日本では、捨てるブームが起きて久しい。 捨てて捨てて捨てて、まるで新たに興った 「 捨てる宗教 」 みたい、と感じることがある。
2) 本書は、捨てる話ではない。 家具も台所もバイオリンもバルコニーも、全ての物は、本来の目的で使われてこそ満足し、その積み重ねがオーラとなって部屋に漂う。 家は美しいが、愛情豊かに輝いているか。温もりはあるか。 幾ら綺麗でも人を寄せつけない家、これが原因で離婚に至ることもある。 こんな感じの内容で、確かに、羊頭狗肉の家に羊頭狗肉の客や友人を招く、ってのもどうかと首を捻ってしまう。
3) イランの 「 白の拷問 」 と 「 人間が完璧さを求めることは罪深い 」 という話しが出て来るが、この二つは、捨てて捨てて完璧に近く整理整頓された白っぽいミニマリストと重なった。
4)主人公は、床に付けてしまったワインの染みを消そうと奮闘する、、、病的なくらいに。 これを読みながら、私自身は、私をも含めた家族と飼い猫が、部屋の壁や床、家具等のあちこちに付けてしまった数々の消えない傷や落ちない染みが、愛おしく、それらを見る度に懐かしい思い出が甦り、「 いろいろあったよね~、楽しい事もそうでないことも、でも許しちゃうよね~ 」 って、そう思っていたら、チャンドラー・ノヴァイクなる人物のお手入れ本が登場して、 「 どんな木の床でも時が経てば傷むが、それは木に魂があり生きている証拠。人間だからアクシデントは起こる 」 とあり、思わずニンマリ。
5)本書は、「 家 」 を手入れして綺麗にするのは、住んでいる人や訪れる人が、「 いかに居心地が良いか 」 に尽きるのではないか、と思わせてくれる。