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投稿者:K.ザムザ - この投稿者のレビュー一覧を見る
これは恋愛と言えるのか?みたいな恋愛を男女それぞれの視点で共作する趣向がきっちりハマっている。大輔の無自覚暴走ぶりが非常に愉快。福は不満タラタラだけど客観的に見るとかなりお似合いだなと感じられて面白い。
言葉の足りなさを言葉で表現する皮肉
2023/10/29 22:59
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投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る
なんとなく同棲して、些細なことで喧嘩して、互いに対する言葉の足りなさに自己嫌悪する毎日を男女の視点から書き分けた共作小説。風邪を引いた時の思いやりの無さとか誰かと暮らすことの苛立ちの書き方が巧くて、自分までやるせなくなってくるのが堪らない。
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ほんと「犬も食わない」よなぁ
女の言い分と 男の言い分
どちらもイライラしながらも
わかる部分もあって
でもやっぱり「犬も食わない」ってなる
2人の文章の世界観がピッタリで
面白かった
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文庫化したので再読。
魚喃キリコさんの表紙と挿絵が素敵!
まさに「犬も食わない」。
馬鹿かよお前ら、勝手にやってろ!と思うけど、2人とも憎めないんだよ。とても好きな一冊。
福の罵りの場面が好き。え、そこまで言う?!な怒涛の口撃に笑ってしまう。
福の章で言葉が足りなすぎる大輔にイライラして、大輔の章で「こいつ色々考えてるのに微塵も言葉に出来てないやん…」とちょっと可哀想になる、の繰り返し。大輔が犬に見えてきた。
だからこそ、大輔の手紙のシーンがとても好きだ。『クソボールペン』が可愛い。
千早さん目当てで手に取った本だけど、尾崎世界観の文章もすき。「間奏」は思わずキュンときた。言ってることめちゃくちゃダメ男なのに。
そういえばクリープハイプを聴くきっかけになった一冊だったな。
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本当に「犬も食わない」笑笑
尾崎世界観さんと千早茜さんの相性が良いのか、感性が似ているのか、どっちが書いた文章と思うくらい。
今度は「犬も食う」ほどの純愛?を読みたい。
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尾崎世界観さんの書く男性目線の部分が読みにくい。
千早茜さんからテンポが落ちる感じ、かつ理解しにくくて文章の落差を感じてしまった。
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最悪の出会いから始まる福と大輔の同棲生活を、
男女の視点別に描いた全六編の共作小説。
同じ物語が描かれているのに、それぞれの視点で感じ方、考え方が全然違っていて飽きなかった。
読み進めるうちに小説の形式にも慣れていって、片方の視点だけを読んだときに、このシーンで相手はどんなことを思っていたのかなと考えたりして、相手側の視点を読むと面白かった。
千早さんが描く女性は共感できる感情も多かった。複雑な感情の変化、葛藤する様子の描き方はとても上手で、さすがの一言だった。
尾崎さんが描く男性はとにかく不器用で、だらしない男。独特の視点、尾崎さんらしい歌詞のような文章もあって楽しめた。
特別なメッセージ性は感じなかったけれど、
男女関係にとどまらず、想いを言葉にして人に伝えることの重要性は、この二人のすれ違い様を見ているとひしひしと感じた。
些細なきっかけから始まる喧嘩やすれ違い、生活の中でお互いの嫌な部分が見えてしまう「恋愛のリアル」が詰め込まれた作品。
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犬も食わない。
恋愛の醜悪な部分を煮詰めた共作小説。
恋愛って全然綺麗じゃなくて、自分の嫌な部分をこれでもかと自覚させられる。
独占欲、嫉妬。相手が自分の思い通りにならないという不満。自分が相手に振り回されているというストレス。
共同生活の些細なすれ違い。
蝕まれていくリソース。
恋愛は恋愛だけで完結しなくて、いつかは生活と結びついてしまうから。
*
よくわからないまま始まって、なし崩し的に同棲をはじめて、好きだとも付き合ってとも言わないまま続いていく。
福も大輔も思いっきり悪態をつきあうのがよかったな。読んでてしんどくなるくらい。
あんな風に自分の中にある暴力性を言葉にのせることができたら。
大輔は見たまま自由奔放で行動のひとつひとつが理解できないのだけど、福の思考回路もまあまあぶっ飛んでいてかわいい。
みんなそうなんだろうか。そうやって、普通の人のフリして生きてる。
〝別れを決めて吹っ切れた気がしたのは、期待しないという状況が楽だっただけで、ひとりになりたいわけではなかった。〟(p246)
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男女の視点で恋人同士のモノローグや思いを描く共作小説。対話になっていないのだよなあ。会話はしているのに、対話していない。すれ違いも面白いのだけど、二人のものの見方もおもしろい。
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恋愛は他人事だからこそ俯瞰的にみることができるんだろう。
この作中の日常が我が事なら気が滅入ってしまう。
なんとなく一緒にいると考える事を放棄してしまいがちだけど、許容と妥協って似て非なるものだなぁ。
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言わなきゃわからない
ということがよくわかった。
二人が素直に思いを伝えられていたら違う未来があったんじゃないだろうか。
それぞれの視点で描かれるからこそ歯がゆいと感じ、共感できる部分もあった。
素直に思いを伝えられるということがどれだけ難しいことかわかる。
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尾崎の文が結構すき
すっごく澱んで動かないふたりの関係
でもすっごく動いて目まぐるしい関係が溢れているから
福も大輔も、このまま生きるのかも
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福と大輔、両方の視点から読む恋愛。
第一に、二人ともの思考を読むのが面白かった。
他人が生きていく上で、日常の中で、どんなことを考えながら、
煩悩?雑念?思考?を持って過ごしているのか。
それを覗く機会は滅多にないから、面白かった。
それは他の本でもいくらでも描写されているだろうけど
リアルな本だからこそ、身近なものとして、
フィクションであるはずなのに、友だちの話を聞いているかのような気分だった。面白い。
その中でも男女の思考のすれ違いが大きく描かれていて。
性別で分けられるわけではないけど、100%同じ思考の人間なんているはずないから、そこのすれ違い、もどかしさを感じた。
特に二人はお互いに伝えることをせず、なあなあと過ごしていて。
最後の大輔の手紙にもあったようにこんなことになるなら、もっと気持ちを思っていることを伝えて、
泣かせた分だけ笑わせればよかった。
思いを伝え合っていても、全く違う思考を持った二人が
恋愛をしていく、一緒に過ごしていくことは簡単ではないのに。
その場その時が、いかに面倒くさくならないように逃げるか、
楽をするか、後回しにするか。
お互いにそんな感情を持っていたからこそ、始まりも終わりも曖昧で
いつしか本音やまともな話し合いもできなくなってしまって。
あとがき?にもあったけど、何の得にもならない本を作りたいと尾崎さんが語っていたように、
何かを得られるというかは淡々とリアルな恋愛を聞くことのできる、そんな一冊だった。淡々と読める中でも、まるでノンフィクションのような、友達の恋愛話を聞いているかのような、リアルさがあるからこそ、イライラもしたし、もどかしいとも思ったし、自分と重なる部分もあってズーンってなったし、恋愛について、男女のすれ違いについて考えさせられる本だった。
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しょーもないことで喧嘩を繰り返しながらも生活を続けていく、カップルの話。
〈夫婦喧嘩は犬も食わぬ〉
犬の食べない物はほとんどないが、その犬ですら夫婦喧嘩には見向きもしないところからいう。夫婦の喧嘩は、たいがい些細なことが原因で起こり、すぐに仲直りするものであるから、仲裁などせずに放っておくことが肝要である。
-imidas より抜粋。https://is.gd/8w51CM
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ちょっとめんどくさくて、そして自分が生活している現実の世界で周りを見渡せばきっと沢山あるような恋愛のお話。
どれだけ綺麗で完璧に近いものよりも、自分でじっくり、時に手を止めながらつくった歪なものの方が愛おしく愛着が湧くということと恋愛は似ていると思った。
たとえそれが周りから見たとき綺麗でなくとも。