政治は変えるもの
2024/04/03 12:04
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投稿者:nobita - この投稿者のレビュー一覧を見る
泉氏が何をしたいと考えて、政治を目指したのがよくわかります。
4冊目ですが、読めば読むほど我々国民が怒り、対処していけないことがわかります。
今の守旧派の政治家は既成勢力の利益を保つため、泉氏は困っている人に対して、サポートすること。日本人はおとなし過ぎると思います。これは聖徳太子の”和を以て貴しとなす”を誤適用しています。きちんととしていない物に対しては戦い、その後は平和に論議しながら対応すれば良いのでは。
あきらめてはいけない
2023/06/03 05:14
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投稿者:チップ - この投稿者のレビュー一覧を見る
明石市の名物市長泉氏の幼少期から市長をやめるまでの記録
泉氏が経済的に恵まれない家庭から東大へ進み、弁護士になった事は知らなかった事が市長になってからの「やさしい政治」につながっているのだと思った。
泉市長が行った事は「剛腕」などと話題になるが、実は当たり前の事。
ところが実現しようと思うとさまざまな利権がからみあい、とても難しい。
徐々に人口が増えて町や商店街がにぎわうなど効果が目に見えてくると共感してくれる人が増えたが、最初はとても大変だったと思う。
泉氏の実行力・精神力に頭がさがる
泉氏のメッセージ「政治を諦めてはいけない」を心に刻みたいと思う
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大好きな明石市長・泉房穂さんの本。泉さんのアツい思いと、政策に込められた意味が解説されていて、国民である私たちも、首長である政治家さんも、みんな必読な本だと思った。明石LOVEな泉さんLOVEなわたし。泉さんの脳内を覗けたような気がして、愛をより実感した。
暴言報道の裏側も書かれていて、やっぱりそうなのね、と市議会とマスコミを少し残念に思ったり。
p.29 本人の幸せを決めるのは、他の誰でもなく、本人。親や兄でもなく、本人。本人の人生の進行は、あくまでもその本人。その後の私のスタンスを決定、づけたエピソードの1つです。
p.37 理不尽な社会への怒りを胸に生きてきたものとして、大学に行ってさらに強く感じたのは、周りの物の無関心、現場追認の空気感。そして、誰かが代わりに戦ってくれることもなく、誰かが世の中を良くしてくれることも期待しがたい。気づいたものが、自らそれをただし、世の中を良くしていくしかないであろうと言う冷徹な現実。そうであれば、苦難から解放された立場の私がやらずして、誰がやるのか。誰が人の痛みや悲しみに寄り添うのか。自分の家族の世話で精一杯の人間に、それ以上何をさせるのか。
p.44 子供の権利ですら、どこにも書かれておらず、財産権ばかりが過度に保護されており、お金持ちにばかり有利なように書かれている。強盗の処罰は厳しいのに、強姦の処罰はあまりにも軽い。極めて不公平な内容が次々と目に飛び込んできました。理不尽な冷たい条文が、あたかも当たり前のように存在し続けていることに、驚きを通り越して腹が立ってきました。にもかかわらず、司法試験の受験者らは、必死にそれを丸暗記しようと励んでいる。そして、自分もその1人であることが情けなくて仕方がありませんでした。
「赤点ペン入れて直したろうか!」と怒りながら、勉強する日々がしばらく続きましたが、あるときにを境に発送を切り替えることにしました。こう考えることにしたのです。「世の中の理不尽の正体、言い換えれば、子供時代から感じてきていた社会の冷たさの原因の1つは、法律にある。間違っている。これらの法律を変えていくためには、まずはその法律を知る必要がある」と。そう思い直し、司法試験に臨むことにしました。
p.87 子供の頃、私は「絵本を買って」と言えませんでした。お金がなく、受験勉強の参考書すら買えず、近くの本屋さんに行っては必死で立ち読みしていました。見かねた親父さんが店内に机と椅子を用意してくれるようになり、私は東大に行けた。あの時のありがたさと申し訳なさは、決して忘れられません。だからせめて、明石の子供には思う存分、本を読ませてあげたいと思ってきました。
1つの家庭で1500円の絵本を一冊買っても、1人の子供しか読むことができません。でも、みんなから預かった税金で絵本を一冊買えば、何十人、何百人と言う子供たちが良い本を読めるのです。今のような市民にお金がない時代こそ、みんなから預かっているお金で公が本を買う。本は、優しさや勇気、想像力をはぐくみます。人の悲しみや痛みを知るのは難しいことですが、本を読む事はその支えにもなってくれます。誰もが本に親しめる街にする事は、冷たい街を変え、優しい社会につながっていく。税金はこういうことにこそ使うべきです。
p.98 無料化に関連して、「なぜ所得制限を設けないのか」とよく聞かれます。「年収00,000円以上だと児童手当がもらえない」。なぜこの国はあんなにせこいのか。所得制限をかければ、予算の0の桁を1つ位減らせるから、そして、少ない費用で「やってるフリ」ができるからです。そもそも、なぜ親の所得で分けようとするのか。見るべきは、親の所得ではなく、子供自身です。もし所得を見るなら、親でなく、子供自身の所得。根本の発想から変えていかなければなりません。
明石の5つの無料化は所得制限なし。対象はすべての子供です。それにはいくつもの理由があります。まず、所得制限で対象外とされる方々は、すでに多額の税金や保険料を納めているからです。行政サービスには財源が必要です。そのための利用料を市民は税金として前払い支払い済みです。だからこそ、国や行政が一定以上の所得があるだけで、サービスの対象外とするのは、納得しにくいことでしょう。一定以上の所得がある方から預けていただいた税金を1部の低所得の方だけに配る事は、社会に深刻な分断を招きます。「あんたは金もらったやろ」「私はもらってない」。ここの不満は、「もっと所得制限を厳しくしろ」。ついには「こんな施策を辞めてしまえ」と言う大きなうねりになりかねません。「みんな」に必要な施策、それが子供政策です。いわゆる「中間層」には、子供支援など必要ないと言う人もいます。でも、今の日本は、中間層をとって楽ではない社会です。消費税も介護保険料も制度開始から上昇し続け、国民負担率は増加の一途。それに見合うほどの給与は上がらず、社会的な負担も重くなるばかりです。ましてや、子供を産み育てることには、服に食事に病院にも学校にも費用がかかる。お金も不安も大きな負担です。しっかり税金を預けているにもかかわらず、何の恩恵もない。子供を見たくてもためらってしまう。そんな所得制限のある街に、誰が住み続けたいと思うでしょうか。中間層がいなくなれば、街にも行政にもお金もありません。支援制度の維持すら難しくなります。所得制限をかけず、苦しんでいる中間層にも光を当てる。そうすれば、家を立てたり、子供の習い事にな会話することもできる。そうしてこそ、お金が回り、持続可能なまちづくりにつながります。
一方で「これ以上稼いだら、給付の対象外になる、ほどほどにしとこう」と、やる気すら削がれる「130万円の壁」が立ちはだかります。扶養控除の対象から外れないためにパートの給料を月10万円で抑えようとさせ、人が頑張れないように、追い込むのなんて、理不尽なことを強いる政治は愚かです。支え手を減らすような発想を転換しなければなりません。
p.117 「お金の不安」と「もしもの不安」2つの不安に真摯に向き合い、「安心」を積み重ねていけると信じられるからこそ、その街は選ばれ、人々が来る。
p.146 面倒は「社会が見て」当たり前
かつては、日本にあった大家族の村社会の制度は、農業漁業中心の社会では、一定のセーフティーネットとして機能していました。何かあれば、家族の誰かが面倒を見る。たとえ障害があっても���教師、野村なら網を引っ張る仕事がある。みんなで分ければ何とか食べていくことができる。村社会のコミュニティーの中で、助け合い、生きていく仕組みが有効に機能していました。そんな時代は既に終わっています。会社勤めの方が増え、共働きも増え、各家族は普通の形。高齢化も進んでいます。身内の助け合いの枠組みはなくなり、もう使えません。家族任せでは支え切れない社会に変わったのです。それなのに、いまだに「家族の面倒だから、家族が見て当たり前」と言う価値観だけが、社会に根強く残っている。意識がアップデートされていないのです。母親が「この子を残して死ねない」と、障害のある子供と無理心中するのが美化されるのは日本だけです。日本以外だと、子供に対する殺人でしかありません。なぜこんな言葉が出てくるのか。すべての責任を家庭に押し付けてきたからです。「法は家庭に入らず」と、家族の事は家庭内に努める。こんな発想は今の時代に通用しません。地域や社会のみんなで担うべき「共助」や「公助」を「自助」と言い張って、家族にも丸投げする。こんな残念な発想が、いまだに冷たい日本社会の根底にあるのです。明らかに間違っています。
p.191 弁護士と社会福祉士では、発想が大きく異なります。司法の世界では、人に関わるのは「介入」。法律根拠となる理由が必要。昔は「法は家庭に入らず」とも言われてきました。少しの世界は違います。人に関わるのは「支援」。困っているなら、根拠があろうがなかろうが助ける。「放置せず、関わる事はいいことだ」と言う価値判断です。「どちらが正しいか」ではなく「どちらも必要」です。司法と福祉、この両者の連携が不十分なために、必要な支援が行き届かない場所が数多くあります。
そして、司法と福祉の橋渡しができる立場にあり、総合的な支援をコーディネートできる立場にあるのが自治体です。リーガルマインドとソーシャルワーカーのマインド、両方の専門性を兼ね備えた体制で臨んでこそ、ようやく本当の意味での寄り添う支援が可能となる。そう思えてなりません。けれども、日本社会は、福祉を担う人材をあまりにおろそかにしています。社会において、重要な役割を担っているのに、あまりにも扱いがひどいままです。ヨーロッパでは、弁護士は医者に負けず劣らず、ソーシャルワーカーは社会的地位のある職業です。年収も日本の倍を超える国もあります。人に寄り添い、継続的に支援を続ける事は、後でやりがいのある仕事だと認められているのです。日本で福祉に携わる人、例えば、社会福祉士を見ても、その地位は、弁護士は医師に比べて、明らかに低い。業務量が多いのに、年収が低い。そんな環境では、能力も十分に発揮できず、憧れの職業にもならない。そんな現場が、冷たい社会にさらなる歪みを生んでいます。だからこそ、明石市では、正規職員として、社会福祉士に本来の活躍をしてもらい、冷たい社会を変えていく大きな力にしています。
p.217 「人様に迷惑をかけてはいけません」なんて言われても、どうやってかけてしまいます。「しっかり生きなさい」と言われたって、みんなが一生しっかりできる状態でい続けけられるとは限りません。だからこそ、今の社会制度の中で「できる」とされる側の多数に、少数を従わせることを知るような対応ではなく、少数の「できない」にも寄り添い、応援することこそが、政治行政の役割。それが明石市のやさしいまちづくりの理念であり、「SDGs」でも示されているグローバルスタンダードの姿勢、普遍的な概念です。
p.227 当初は、人証の疑いがある方に検査費用7000円の女性も行いましたが、2020年には、支援を拡大、診断費用を全額無料にしました。加えて、認知症と診断された場合には、6000円分のタクシー券も配布、サポート給付金も20,000円を支給。本人がサービスにつながるだけでなく、家族の負担軽減にもつながる。3つのサービスの無料券もお届けしています。宅配弁当券、ヘルパー派遣等の寄り添い支援サービス券、ショートステイ利用券です。さらに、継続的総合的に支援していくために、認知症手帳(あかしオレンジ手帳)をお渡ししています。2022年には、新たに認知症安心まちづくり条例教えて。認知症のある方と普段一緒に暮らす家族みんなが、住み慣れた地域で安心して暮らせるまちづくりを進めています。
認知症になる前の予防よりも、認知症になっても大丈夫な街を作る。本人や家族任せにすることなく、地域の皆で寄り添い支える。そのための認知症、サポートの拡大にも力を注ぎ、小学生向け、団体向け、職場向け、各地域での開催など、継続的にオレンジサポーター養成講座も実施しています。
p.230 勝者と敗者で分け隔てしない。一人一人がみんな違って、それでいいのです。今から40年ほど前、私が20歳の時、自主制作の雑誌にこんなことを書きました。タイトルは「わがままのススメ」。「一人ひとりの幸せは異なるから、それぞれの幸せをしっかり応援できる社会こそが望ましい。周囲に遠慮し、我慢して合わせるのは、かえって不幸招く」。まさに明石のまちづくりのスタンスそのものです。市長になる前から、もっと言うと、子供の頃から、ずっと思いは変わっていません。多数派でなければ、当たり前の枠から外れる要望とされ、わがままだと切り捨てられる。でも、一人一人顔も体格も違うのが当たり前と認識されているのと同じで、本来、個人の願いも違って当然です。たった1人の願いでも叶えていく。それが、みんなの未来につながると本気で考えています。だからこそ、私は大学生の時から、「一人ひとりのわがままを応援できる社会を作りたい」と思えるようになったのです。多数火傷するかは問題ではありません。切実な市民の声に寄り添い、課題を解決していく。そのために政治行政が知恵を絞り、対応を制度化する。その繰り返しがあれば生きやすい街になっていきます。
p.237 国連で2006年に制定された障害者権利条約の審議には、障害当事者も参画し、その審議過程では「私たち抜きに、私たちのことを決めないで(nothing about us without us)」と言うフレーズが繰り返されました。
p.250 明石市では、パートナー同士の関係とともに、全国で初めて一緒に暮らす子供も合わせて、関係性を証明する「パートナーシップファミリーシップ制度」を開始しました。性別に関係なく利用できる制度にしたので、LG BT 9+の方だけでなく、事実婚の方も対象です。また、当事者の気持ちに沿った届け出ができるよう、6種類の届出様式を用意しました。パートナーシップ届け、ファミリーシップ届、結婚届��家族届、事実婚届、そしてタイトルを自由に記載できる〇〇届けです。制度開始に先立ち、2020年の末には、市内の医療機関と連携し、制度実施後も、さらに市医師会との包括連携協定を結ぶなど、医療機関で安心して家族としての対応が受けられるように働きかけてきました。その他にもこの制度で、市営住宅、市内の県営住宅・県公社者住宅への入居、市営墓園の使用・承継、犯罪被害者等遺族支援金の給付、税証明書の申請、保育施設の申し込み等が家族として可能になっています。また、これまで「同居人」しか選択できなかった住民票の続柄を「縁故者」に変更することもできるようになりました。方で認められているでのではなく、充分ではありませんが、当事者の声を踏まえて実効性のある制度を心がけました。その後1年余りで、ファミリーシップ制度など、子供との関係を証明できる事自体は、全国で40以上になりました。パートナーシップ制度の導入自治体2022年11月で240になり、総人口の62%をカバーできるまでになってきました。目指すのは「ありのままが当たり前の街」。誰もが自分らしく生きることができる社会です。
p.260 障害者、犯罪、被害者、無国籍者、1人、親、LG BT Q+、子供、女性…そういった「マイノリティ」とされる人たちをすくいあげ、たし、合わせていけば、それはもはや「マジョリティ」です。世界の主流であるインクルーシブの視点は、この世の中を「少数派と多数派」に区別して、分断や排除を強制的に持ち込む発想とは異なります。冷たい社会を変えていく。行政だけでなく、私たち一人一人にも託されています。
p.286 入学準備金として一括で300,000円を必要な時までに給付。進学後も在学時支援金として、毎月10,000円を卒業まで3年間給付します。さらに入学前には、高校入試に向けた学習支援を週2回行い、進路や生活面の相談にも応じています。進学時だけでなく、入学後にも学校生活支援として、専門の相談員を配置し、継続的にサポートを行っています。
p.308 「ポスターの中から選ぶだけ」はもうやめましょう
「選挙に行けと言われても、投票したい人なんていない」。よく聞く言葉です。そもそも立候補している人たちをよく知らない。地方選ならまだしも、国勢だと投票所でたくさんの名前を女にして、「この人誰?」と言う反応になってしまう。入社で国の政治や政治間の間、塩見家しても、「自分ごと」いたなんて到底思えない。別の世界の出来事であり、政治が身近にあるとは実感でき用もない。政治が国民の方を向いて行われていないし、政治家も国民から遠いところにいる。それが日本の残念な現状です。そんな現場では、誰も選ぶ人がいない。そんなふうに考えたも不思議ではありません。でも、自分が選ばなくても、誰かが当選して正常になるのです。投票しないこと、それはあなたいや、家族の人生を「成り行きに任せること」にしたのと同じようなものです。私たちは選べる。政治に参加する権利があります。その気になれば、立候補することだってできます。もし選ぶ人がいないなら、あなた自身が立候補すればいい。自ら立ち上がり、あなたのポスターを掲示板に貼り、市民のためにより良い街にしていく。一定の年齢以上であれば、誰でも立候補できるのです。試験もないし、資格も必要ない。必要��のは志です。自分や周りの人たちの生活を良くしたい。すなわち、今の冷たい社会を良い方向に変えると言う強い気持ちです。街を良くしたいと言うつよい志と語る言葉があればできることです。それが政治家に1番必要なもの。戦う要件は既に備わっているのです。自らの街を自らの手で、よりよく変えていくことができる。あなたは自分の街を自分たちで幸せにしていいのです。諦めてはいけません。
p.362 市役所の職員への令和、市民を代表して、new長の私にだけ言うことにしていました。「民間ではなく、公務員の仕事を選んでくれてありがとう、国ではなく、地方自治体を選んでくれてありがと、中でも1番大変な明石市役所を選んでくれてありがとう」。基本的に、「公」は尊いと思っている立場です。公務員を目立たない仕事ですが、一人ひとりの市民に向き合い、寄り添うことができる。こんなに誇り、高い仕事はありません。頑張って対応して、市民が喜んでくれる。しんどい。顔の人がちょっとほっとした顔になる。笑顔でありがとうと言ってくれる。それこそが職員へのご褒美です。市長にではなく、市民に褒められる仕事をしてもらいたい。常々そう願っています。私の職員からしたら、市長は何も理解してくれないと思っているかもしれません。頑張っても理解してもらえないことも多いでしょう。それでも、他人に評価されないことを気に病む事はありません。良いと信じて働いていても評価してもらえないことの方が多い。自然なことです。人はわかってくれないものなのです。誰からも評価されなくても、1人だけ自分を評価できる人間がいます。それは自分です。夜、風呂に入った時、布団に入った時、1日を振り返る。自分がどう行動したのか、自分自身を知っています。努力したか、サボった日。嘘をついたか、誠実に対応した何誤解されたのか。真面目にしようとしたことを、自分は分かっていればそれでいいと思っています。
毎年、新入職員に贈る言葉があります。映画「ライムライト」のチャールズ、チャップリンのセリフ「人生は、あなたが恐れさえしなければ素晴らしいものになる。そのために必要なのは、勇気と想像力…そしてほんの少しのお金だ」をちょっと混じった言葉です。「人生に必要なのは、優しさと賢さと、ほんの少しの強さ」。人がよく「あなたの痛みが分かります」と言いますが、私が本をつねっても、あなたは痛くない。逆もそうです。残念ながら、本当のところは本人にしかわからない。それでも想像することはできます。つねられたら痛いだろうな。いじめられたら悔しいだろうな。その想像力を「優しさ」と呼びます。ただ、想像力には限界があることを知っておくのも大切です。主人公は本人です。当事者の話を真摯に聞く姿勢を忘れてはいけない。小学生の時、運動会で弟が教えてくれたことです。「賢さ」とは、本質を見抜く力です。マスコミで報道されていること、政府が発表していること。全てを疑えと言うわけではありませんが。本当はどうなんだろうと自分の脳みそで考える癖をつけなければなりません。財源がない、仕方がない、自己責任、家族の責任…メディアは、パターン化した思考で、かえって世の中おかしくしています。繰り返される言葉にならされず、疑問を持ってほしい。世界は広いです。本当に手立���は無いのか、他の国ではどうか、自分の頭で考え、調べるのです。「ほんの少しの強さ」とは、様々な課題や困難にぶつかったときに、やり抜く力です。ポイントは「ほんの少し」です。人は皆スーパーマンではありません。私だってそうです。けれども、今より少しだけ強くあろうとする勇気が、いつしか人を本当に強くすると信じています。
p.373 3年前に、母が亡くなった時、近所のおばちゃんが教えてくれた。「房穂には我慢ばっかりさせてきた。あの子のこと大好きやのに、何もしてやれなかった」「あの子はしたいことをしているんじゃなくて、しなければならないことをしているんよ」。いつもそんなこと言ってたよ、と聞いてその場で泣き崩れた。親父とお袋に恥じない生き方をしたい。お地蔵さんには胸をはれる人生を送りたい。私には、まだまだやるべきことがたくさんある。冷たい社会を優しい社会に変えるのが、私の使命だ。
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政治の本というより、人としての生き方の本だと感じた。
様々なエピソードから、泉さんの正義感・使命感・誠実さがひしひしと伝わってきた。
子育て支援等の政策を進める上で学べる点は多々あると思うので、政策担当者はもちろん必読をと思うが、すべての国民に読んでほしい内容だと感じた。異なる仕事をしていても、仕事への向き合い方として学ぶべき点が多い。仕事に限らず、他者との向き合い方、生き方としても耳を傾けるべき内容が多くあった。
現在の世の中の異常に気づかずもしくは気づかぬふりをしている、思考停止している人たち、1人1人が少し行動を変えるだけでも、この世の中は少しずつ良くなると信じたい。少しでも多くの人にこの本が届くとうれしい。
心に残ったメッセージはたくさんあったけれど、一つ選ぶとしたらこちら。
「人生に必要なのは、やさしさと、かしこさと、ほんの少しの強さ」
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読みやすく、わかりやすい言葉で書かれていて、ぐんぐん読めてしまった。
自分の中の思い込みや勘違いで苦しくなっていないかと、振り返りたくなった。
やさしさと、かしこさと、ほんの少しの強さ。
自分の中にはあるだろうか。
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泉市長の熱い思いがつづられ、読んでるこちら側も熱い想いを持ちたくなった。自分のしてる仕事は大丈夫なのか、市長から後ろ指さされないかと、心配する、心を熱くしてくれる本!
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#社会の変え方
#泉房穂
23/1/31出版
行政の長で発言が気になる人のひとり、明石市長の泉房穂さん
今や市民満足度91.2%、人口増加率が全国の中核市で第1位の明石市
その変化をもたらしたのは何なのかを知りたい
#読書好きな人と繋がりたい
#読書
#本好き
#読みたい本
https://amzn.to/3Joi4B9
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2023年2月1日 紀伊國屋書店 新宿本店 新刊イベント サイン本お渡し会にて購入。
2023年2月2日 TSUTAYA BOOKSTORE MARUNOUCHI 新刊イベントにてトークイベント開催、オンラインからの参加。
かなり分厚い本です。
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行政の内側を、市長の側から見たときにどのようになっているのかにふれることのできる、貴重な内容でした。
子どもの支援のための予算をしっかり確保されている明石市の実践はとても気になっていたので、読むことができてよかったです。
福祉的な観点のある方が意思決定できるポジションにいらっしゃると、こんなにも変わってゆくのだと思いながら読みました。
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とても想いが詰まった本。序章から、気持ちが湧き立つのを感じた。
未来志向で、言い訳を捨てて何をして行くべきかを考えさせてくれる。今後もモチベーションが下がったときに是非読みたい。
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日本がいかに子どもに冷たいか。
自ら児童相談所を見て回る。
市民の負担を取り除き、支援する市民を支える。
市民に寄り添うのが役所の仕事
福祉部署に移動になったらがっかりするような役所では、社会はやさしくならない。
子育てや高齢者の施策には、タクシー券付与など活性化策も行う。
こんな首長がいること自体が驚く。
その上まだまだ取り組めていない施策もあると。
広範な知識と素早い行動力、自分の言葉で話す。
公務員の頑張る理由は「公の誇り」首長の想いが職員に伝わると組織は動く。
職員が組織(上司?)のためでなく、市民のために働く。そうでないものもいるとは思うが。
市長が方針決定し、予算を決め、人事の差配する。
会社も自治体もトップで変わることがよくわかる。
良くも悪くもトップ次第。その逆もあるのが怖いところ。
「羽交い締めされ、止められ続けたツイッター」には、笑ってしまった。
まさにこれからの公務員に必要なもの。
「チームアプローチ」「アウトリーチ」「ワンストップ」
「お地蔵さんになりたい」
良い書に出会えた。
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泉市長の12年の成果
○10年連続人口増
○ 人口増加率 中核市で全国第1位
○地価7年連続上昇
○ 明石駅南側の新規出店2.4倍
○ 税収8年連続増
○基金残高51億円増
○市民満足度91.2%
政治家は結果が全て。その一点で見ると圧倒的な好成績なのではないでしょうか。
前例主義の内部の抵抗や既得権益者からの妨害など多くの弊害も語られています。日本の政治が変わらない一端が垣間見えた気がします。
高圧的な暴言、失言は流石にまずいですが、市を変えた手腕は本物だと感じました。
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「冷たい社会」を変えるために生きてきた明石市長・泉氏の幼少期からの生い立ちや、12年間の任期中の実績を振り返り、今国民へ届けたいメッセージは、「政治は自分たちで変えられる。」
暴言の報道がありながらも、ここまで明石市のために奮闘する、泉市長の原動力は一体何なのだろう―。それを知りたくて本書を手に取った。
弟に障害があり、幼いころから社会から冷たい仕打ちを受けてきた。そんな社会を変えることが自分の使命だと感じ、そのために東大に入りマスコミで働き、弁護士になり国会議員になり、地元明石市の市長になった。
「市民の声を聴き、溺れそうな人がいれば溺れる前に助ける。」
弱者を見捨てない徹底した市民目線の政策を実現してきたのは、自らが少数派を無視する社会へ感じてきた怒りからくるものだった。
本書を読んで明石市の子育て・認知症患者・障害者支援施策などについて知り、うちの自治体にもこんな施策があったらいいのになと思った。泉市長に言わせれば、「明石市で実現してきた施策はほかの自治体、ひいては国でも実施可能」。「税金は市民から預かっているもの。それにほんの少しの汗と知恵を付けてお返しする」。政治は弱者を助けてくれなくて当たり前、いつの間にかそんな諦めの感覚に支配されていることに気づいた。
政治は既得権益者のためのものではなく、市民・国民のもの。一人一人がこのことを忘れず、投票でもSNSでも、住む場所を施策で選ぶことでも、手段は何でもいいから声を上げることが大切だと改めて気づかされた。
また、本書にもある通り、社会の多数派で構成されるエリート官僚は少数派である弱者の声に気づけない。そして目の前の仕事に忙殺されてそこまで考える余裕がない。公の仕事をする方こそ、一旦立ち止まってこの本を読むことで、新たな気づきを得ることができるのではと思う。
私自身も公の仕事をする者だが、本書を読んで明石市の様々な施策事例を知ることができ非常に勉強になった。特に優生保護法の問題については詳しく知らず、衝撃を受けた。自分が携わったことがない分野においても、まだまだやるべき仕事がたくさんあるのだと感じさせられた。
さらに業務削減について、明石市では職員がやらなければいけない仕事に集中できるよう、トップダウンで人を減らし、その分仕事も減らしたという。まだまだ前例踏襲文化で不必要な仕事がなくならない役所も多いと思うが、業務の削減は現場主導で行うことが難しいので、どの自治体でも首長がトップダウンで行うべきと思う。
最後に、明石市の施策のなかでも特に「本のまち 明石」施策に惹かれた。
図書館とブックストアを駅前に共存させる。また。4か月・3歳半検診で絵本の読み聞かせとプレゼントをする。
お金がない世帯は1冊千数百円ほどする本を買うことは難しいかもしれない。でも、図書館で一冊本を買えば何十人、何百人という子供がその本を読める。だから、市民から預かっている税金で本を買うべき。
本は想像力や勇気、やさしさを育む。どんな家庭環境にある子どもも、本に触れる機会を与えるこの施策は素晴らしい。
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泉市長の頭のなかが、とてもよく分かる1冊。
障がい者の弟と家族通してみてきた冷たい社会を変えたい、というその一心から、すべての行動が行われている。だから諦めないし視点が明確でブレないのだなと。
こんな熱い思いの政治家がいるなんて。という驚きとともに、
本来政治家はこうあるべきなんだな、ということを改めて。
今はそうは思えないほど、政治に期待もしていないし諦めている。
だからといって何もしなければこのままだという泉市長の声が
もっとシンプルに素直に世の中に広がっていけばいいと思う。
弱者のためという社会づくりも大切だけれど
同じくらいの熱量で、経済や国際競争力を高めてくれる政治家がいれば
もっと日本の未来に期待ができるのになと。
すらすらと読みやすい1冊でした。
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みんなにやさしいまちづくりをしたいという政治信念
そしてその政治信念に至った経緯
どういう政策を行ってきたか
これからの展望
自伝形式で書かれている。興味深い内容で、心動かされる。