紙の本
日本に自由はなくなりつつあるのだろうか
2023/07/02 21:18
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
中国と日本の警察が手を組み、犯罪捜査に立ち向かうという設定に不安を抱きながら、物語を追う。香港の中国への返還、香港の民主化運動等、香港をめぐる政治を背景に、二つの国の思惑が絡みながら、事件が進むのは読みごたえがあった。香港に民主主義はないが自由があるといえた時代が、香港に住む人の矜持であっただろうが、それは日本には自由がなくなりつつあることを、作中人物は示唆している。そうかもしれない。
紙の本
香港警察東京分室
2023/07/17 12:16
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
メンバーそれぞれのキャラクターが際立っていて、銃撃戦のシーンなどとても迫力があり読みごたえがありました。本当にありそうだというリアリティーも感じられて、面白かったです。
電子書籍
スケール大
2023/08/03 16:29
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
舞台は、香港と日本の警察。内容は、非常にハードです。この分室は、日本警察と香港警察から選抜されたメンバーでなっています。そのあり方が、いかにも、と思わせます、たいてい、ツクリモノ、っぽい話が多いけど。コレはリアリティ有り。
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ジャッキーチェンの映画か?と思わせるおもしろタイトルながら物語はどこまでもハード。香港の警察から要請を受けた日本の警察が新たに香港支部を作った、という内容。国際的(主に香港、中国)の犯罪に対抗しようと設立したはずだがチーム内もバラバラでのっけからきな臭いムードが満々。そこへ香港自由化の女性思想家を探す依頼が来たから大変なことに。月村さんは相変わらずエンタメの中に国際情勢を落とし込むのが好きで読んでいるこっちが怖くなるリアリティ。本人が描きたかったことはP250に書いてあると感じた。なるほどそういうことか。
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日本警察と香港警察から選抜されたメンバーで構成された分室が捜査にあたるのは、香港から日本へ逃亡した元教授の逮捕だった。しかしそのさなか、強大な犯罪グループによる襲撃を受け、さらなる謀略が明らかになってくる。アクション満載の警察小説です。
一癖も二癖もある、いわゆる「はみ出し者」ばかりが集められた分室。だけれどこういうのって、大概優秀な人ばかりなんですよねえ。もちろんこれも例外ではなく、いろんな意味でとんでもない人たちが揃っています。ただし、日本警察と香港警察の間にはやはり壁のようなものがあり、協力体制を取るという建前はあるもののどちらも相手を信用していない印象でした。しかし国は違えども、それぞれの国や警察に対する思い、そして誇りを守ろうとする姿勢は同じなんですよね。いずれは素晴らしいチームワークが生まれてくるのでは、という期待も。続編にも期待したいです。
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警視庁「特殊共助係」通称「香港警察東京分室」。香港警察と日本警察の個性的な面々国際的な凶悪事件を追う。ど派手な戦闘シーンは健在。現実版(十分現実離れしているが)「機龍警察」といったところ。
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アクション満載の一編。
一癖も二癖もあるキャラばかりの中で、キャピキャピしたキャラの水越管理官が印象に残る。
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外人の表記は名字が名前かどちらかに統一して欲しい。
水越管理官は、今野敏の竜崎の後任の新所長とかぶる所あり。
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月村さん得意のドンぱち物。日本でショットガン撃ちまくって虫ケラのように人が死んでいく。
これシリーズ化させるつもり?
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変わらぬ月村作品のクオリティの高さに痺れつつ一気に拝読。リアルとフィクションのミックス具合が絶妙で、かつ日本・香港警察の混成チーム10名のキャラも面白く、冒険小説のようなワクワク感たっぷり。香港の置かれた微妙な立ち位置が中南海のパワーバランスに影響する背景も舞台設定に奥行を与えている。抜群に面白いミステリーアクション小説。東京分室はこのメンバで存続となったので続編を期待。
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月村了衛『香港警察東京分室 』読了。
香港と日本の警察官が協働して黒社会とドンパチやる、という荒唐無稽とも言える設定に丁寧に説得力をもたせつつ、一癖も二癖もある登場人物たちの因縁や信念、情念を鮮烈かつ緻密に描く。
時代を先取りしたり、あるいは追い抜かれたり、が話題になる作者だけれど、香港の民主化デモとその弾圧というナマモノもナマモノをここまでのエンタメに仕上げる技量もまたすごい
機甲兵装がでないだけで実質機龍警察なのではというくらいの迫力、活劇。
2作目、3作目と書けそうな魅力ある"分室"メンバーたち。続編に期待したい。
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香港国家安全維持法成立以来、日本に流入する犯罪者は増加傾向にある。国際犯罪に対応すべく日本と中国の警察が協力する――インターポールの仲介で締結された「継続的捜査協力に関する覚書」のもと警視庁に設立されたのが「特殊共助係」だ。だが警察内部では各署の厄介者を集め香港側の接待役をさせるものとされ、「香港警察東京分室」と揶揄されていた。メンバーは日本側の水越真希枝警視ら5名、香港側のグレアム・ウォン警司ら5名である。
初の共助事案は香港でデモを扇動、多数の死者を出した上、助手を殺害し日本に逃亡したキャサリン・ユー元教授を逮捕すること。元教授の足跡を追い密輸業者のアジトに潜入すると、そこへ香港系の犯罪グループ・黒指安が襲撃してくる。対立グループとの抗争に巻き込まれつつもユー元教授の捜索を進める分室メンバー。やがて新たな謎が湧き上がる。なぜ穏健派のユー教授はデモを起こしたのか、彼女の周囲で目撃された謎の男とは。疑問は分室設立に隠された真実を手繰り寄せる。そこにあったのは思いもよらぬ国家の謀略だった――。
機龍警察よりもライトな筆致。アクションシーンは読ませます。
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中国共産党に牛耳られた香港を要素にしてこんな話が書けるとは。
警官という存在の矜持に賭けたか。
作者特有の乾いたユーモアが心地よい。
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2047問題なんて知らなかったな。とても勉強になりました。
物語前半は悪くはないけどやや軽い印象だったけど2047問題が背景にあるのが明らかになってからは香港と中南海を取り巻く権力闘争の代理戦争が日本を舞台にして行われているという意味で重みを増していく展開になったのかなと思う。まあ、日本にとってはえらい迷惑な話だけど、、、
終盤のユーとシドニーとのやりとりは意識朦朧の中でということだがイマイチわからず、、、
個人的に1番響いたのは物語の内容とはあまり関係ないかもしれないけど『日本は香港よりも容易く独裁主義、全体主義の手に落ちるでしょう。いや、すでにそうなっているといったほうがより実情に近いはずだ』というセリフだな。肝に銘じたい。
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警察ものが得意そうな月村さんの作品を始めて読みました。主たる登場人物が日香合わせて10人もいてついていけるかなあと思いましたが、全然オッケーでサクサク読めました。活劇部分はビジュアルがイメージされ、アクション映画を見ているような感覚。
なるほどの直木賞候補作品でした。