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投稿者:タチバナ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「透明な夜の香り」の続編にあたります。一香さんという女性が主人公だった前作とは反対に、今回はもう少し若い男性目線で語られます。香りにまつわる謎を解きながら、さらに周囲の彼らの心へ一歩踏み込んでゆくストーリーです。
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投稿者:302 - この投稿者のレビュー一覧を見る
草花の美しさや味・香りが伝わってくる優しい描写の中に、ぞくっとするような怖さがある。
さみしいラストになるような気がしていたが穏やかで読後感も良く、『透明な夜の香り』から再読したい。
浄化されたような
2023/07/08 14:35
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投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
周囲の音が遠のき、
室温が3℃下がったような感覚になる。
空気までがさらさらになるような。
向こうにに明るさの気配はあるけれど、
こちらは仄暗い。
プールの底から見上げるような。
ドロドロしたおはなしなのに、
浄化されたような読後感でした。
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まさか続編が読めるとは思ってなかったので嬉しい限り。
今回は男性が語り手。
朔の紹介は前作で完了していて、満の内面のお話のせいか楽しみだった香りがあまりしてこなかったの残念だったなー。
前は本なのに香りをまとってるような感覚で読めたのがとても、新しい体験だったので今回も楽しみだったんだけどなー。
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p.27 言った。「猪だってでるしね」
「ここはまだ敷地内ですか」
「そうだね。凍死されると迷惑だから迎えにきた。下の住宅街をでなければ見失わないよ。
よほどの豪雨でない限り」
「それも、匂いで、ですか」
返事はなかった。薄く微笑んだ気配が伝わってくる。明らかに人の常識を超えたことなのに、なぜだか納得している自分がいた。
なぜ逃げたんだろう、と思う。この人はすべてを見透かしているのに。
ひどい言葉を浴びせられたことは無数にある。でも、この人の言葉が一番遠慮がない。なのに、攻撃されている感じはない。
俺はきっと、俺から、逃げたい。
「方向音痴みたいだけど、覚えてね。ここは果園の外れ。育てている植物はすべて香りの原料にする。橙の果実の皮からはオレンジビターが、花からはネロリ、葉や枝からはプチグレンという精油が採れる。ローズウォーターのように花弁からはオレンジフラワーウォーターもできる。どれも香りが違う。同じ木が違う顔を見せるんだ」頭に入ってこないが、黙って頷く。
「でも、僕にしてみればどの植物だってそうだ。それをひとつひとつ見つけていくのが面白い。君だっていろんな顔があるだろう」
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千早さんの何度も美しい言葉の波に溺れながら
ページをそっとめくる度に
透明で優しい香りがたつようで
ずっとこの世界に浸っていたい…
読み終わりたくない…と何度も感じた
叙情的で幻想的…そして
非日常を感じさせながらも
美しい世界を読者に魅せてから
やがて日常へ戻ってくる描写が美しい…
忘れられないあの人の香り
その人が纏う香り以上の何かを
手に入れたい香りもあれば
香りをかぐことで辛い過去の記憶を呼び覚ます
香りもある
時に誰とも共有したくない…
自分だけの物語にしたいと思う作品に
出会うことがある
私にとってこの作品は まさに独占欲を駆り立てる物語だった
前作で登場した一香に出会えたことも嬉しい_
ほのかに恋の香りをかいだ気がした…
きっとそれは…
読者に余白を残すようなラストであり
続編を期待したい想いから
私にほんのり恋の香りをもたらしてくれたのかもしれない
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続編が読めて嬉しいです。
天才調香師・小川朔はカフェでアルバイトをしていた浅倉満をスカウトする。その真意とは…
前作で主人公だった一香が、まだ朔と繋がっているのは嬉しかったです。
そして、満の香りへの執着や過去の罪が明らかになった時、やっと救われてくれてホッとしました。
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記憶に刻まれた香り
具体的に、茉莉花や大葉を思い浮かべると刻まれた香りが蘇る
その刹那、ハッとするほど鮮明に蘇るのに、嗅ぐことはかなわない
再現してまでどうしても手に入れたい香りは、今のところない
何となく続くような予感
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普段、続編を書かないことで有名な千早茜先生初の続編!楽しみすぎて発売前からワクワクしていました。前作のように、どっぷりと惹きこまれたいと思いながら読みましたが、前作同様に楽しすぎて安心しました。出来れば、過去の作品の続編も書いて欲しいと思っています。
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「透明な夜の香り」の続編。
前回の透明感溢れる雰囲気から一変し、今作では「赤」が要所要所にちりばめられている。
新たに洋館で働くことになった朝倉満。
彼の背負ってきたものが、香りの記憶と共に蘇っていく過程が面白かった。
物語に漂う、この艶っぽい何とも言えない雰囲気が好きだなと思った。
是非シリーズ化して欲しい。
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透明な夜の香りがとても好きな設定や描写だったので続編も読んでみたが、人間の嫌悪感などの引き出し方がすごく好みな作家だ。
前作とは違った綺麗なまとめ方だったがとくに思うことはなくスラスラ読めた。
販売当初に買い、ブックカバーをしたまま今になって読み終え、最後に表紙を見たときに思わず笑みが溢れた。
あえて日を開けて読んでよかった。表紙の美しさを最後に味わえて2度楽しめる作品だった。
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前作が良かったから続編に期待するところはあったけど、思い描いた物語とは言えず、ちょっと残念だったかな。
このシリーズは"静"を主としていると感じていたけど、表紙の"赤"を見た時に"?"が頭に浮かんだ。
もっと静謐で淡く、動きの少ない色を表現していくのかと思ったから。
あえてダブル主人公のように対として行くのかと思いきや、"赤"が鮮明すぎたのと血や官能といった強すぎる事象に、私の中では"こうじゃない感"が出てしまって、せっかくの香りが匂い立ちすぎたようになってストーリーを乱されたように感じてしまった。
朔よりも朝倉満が前に出すぎたのも納得いかず、前作の一香が絡んだのもわざとらしく見えて…。
朔のバックグラウンドを知れたのは良かったけど、期待値が高すぎたかな…。
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大好きな千早茜さんの新刊。
表紙の赤色がぞくっとするくらい妖しくてどきどきしてしまう。
読み終わるのが勿体無くって、でも早く読みたくってそわそわしていたのに、読み始めると一気に読み切ってしまった。
千早さんの世界観に呑み込まれて、しんとした仄昏い洋館の中、冷たい床の上を裸足で佇んでいるような気持ちになる。
源さんが育てた噎せかえりそうな程濃い植物の香りや、清涼感のあるハーブや柑橘類の香りを鼻奥で感じたような気がする。
香りと記憶ってなんて不思議なんだろう。
嗅覚障害の依頼人の章は、流行り病の後遺症で嗅覚障害がまだ少し残っている今、とてもタイムリーな内容だった。
丁寧すぎるくらいに丁寧な朔の暮らしも、朔と新城のやりとりも、ずっと見ていたいくらい、たまらなく好き。
漫才か!と言いたくなるユニークなやり取りが前作よりも増えていてニヤッとしてしまう。
どこか歪みを抱いた依頼人達や、満が抱えた「秘密」も妖しく魅力的で、もう最後まで夢中だった。
読み終わってからもしばらくこの静かで美しい世界から抜け出せなくてぼうっとしている。
はぁ、読み終わってしまった…!
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本を読んだら片っ端から忘れる私にしては、前作を割と覚えていたくらい印象的なシリーズ。
小川朔の人の匂いを嗅ぎ分ける能力、相変わらず恐ろしい。
かなり初期の虫歯も匂いの変化で見つけてしまうとは…それはちょっと指摘してほしい。
しかし、耳の後ろや指の間をもう少しちゃんと洗った方が良い旨の指摘はあまり聞きたくないな。笑
今作も特徴的な依頼人が次から次へと現れ、朔は依頼人の欲望に合わせて調香していく訳だが、誰かの香りに執着している人が多かった。
常に嗅いでいたい体臭と言うのは、私にも思い当たる節があるので不思議ではないが、依頼人たちの独白には少し狂気を感じた。執着の塊だった。
今作の主人公とも言える朝倉満は人に愛されたいために香りを纏うことが常態化していく。
寂しいことだ。彼の生い立ちを考えるとそうなってしまうのも肯ける。
自ら呪縛を断ち切ることができて良かったと思う。
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前作がすごく好きだったので
同じく一香と小川朔の日常を求めてたようで読み始めて違うことにがっくりした
でもそうじゃなく他者から一香との関係を、存在を、浮かび上がらせ語る本だった
正しい執着 お互いが心地よくいれるための距離感はどこなんだろう という 手に入れる葛藤を咀嚼しながら やはり 私自身もそれを知りたいから この本が心地よく 好きなんだと
香りは 本の中の世界を 私も体験できる 共有できるから いつか味あうために ハーブをそだてるかもしれないな
表紙の柘榴の花言葉に 心が惹かれた