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「低学歴国」ニッポン
著者 日本経済新聞社
大学教育が普及し、教育水準が高い「教育大国」――そんなニッポン像はもはや幻想?日本の博士号取得者数は他先進国を大きく下回り、英語力やデジタル競争力の世界ランキングでも年々...
「低学歴国」ニッポン
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「低学歴国」ニッポン (日経プレミアシリーズ)
商品説明
大学教育が普及し、教育水準が高い「教育大国」――そんなニッポン像はもはや幻想?
日本の博士号取得者数は他先進国を大きく下回り、英語力やデジタル競争力の世界ランキングでも年々遅れをとっている。
とがった能力の子をふるい落とし、平均点の高い優等生ばかり選抜する難関大入試。世界の主流とずれる4月入学。理解が早い子にも遅い子にも苦痛なだけの「履修主義」指導……。
岩盤のように変化を忌避する学校教育はいま、私たちの未来をも危うくしている。
世界をけん引する人材を輩出するには、「何」を変えればいいのか。教育の今をルポし、わが国が抱える構造的な問題をあぶり出す。
目次
- はじめに 日本人の「低学歴」化を見つめる
- 第1章 変わらない日本の「学校」
- 第2章 いびつな日本の「学歴」問題
- 第3章 二極化する「入試」、形骸化する「偏差値」
- 第4章 「学校崩壊」避けるためにできること
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紙の本
学校の問題は社会を写す鏡
2023/06/10 10:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雑多な本読み - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、日本経済新聞社社会報道グループの教育担当チームが2021年10月から23年1月の連載企画「教育岩盤」の記事をまとめたもの。読み進むと、日本が劣化している言われる問題は教育だけでないことも解ってくる。日本が置かれている状況は、英語を母国語としていない国・地域での日本人の英語力は低く、相対的に低下し、ITスキルを持つ人材も振るわず、今回のテーマである「低学歴」で、博士号取得者の減少が取り上げられている。目次を見ると、
はじめに 日本人の「低学歴」化を見つめる
第1章 変わらない日本の「学校」
第2章 いびつな日本の「学歴」問題
第3章 二極化する「入試」、形骸化する「偏差値」 となっている。
確かに、教育体系にしろ、教育現場にしろ、閉塞感が漂い、教師を目指す人が減少、少子化がとどめをさすような事態になっている。ITに遅れ、訳の分からない校則を後生大事に抱え込む姿はなんとも言えない。しかし、問題は学校だけだろうか。本書でも指摘している経営者に大学院卒、博士号取得者が少ないというのは学校の責任だろうか。明らかに企業や社会の責任で、博士号を持つ人は大学に集中し、研究所も含め、非正規が多く、雇止めで社会問題になっているが、教育の問題であろうか。そもそも、企業が大学院卒を積極的に採用すれば問題は緩和されたはずである。大学進学率が上昇したというけれど、世界的に見て伸び悩んでいる姿も見える。学校の状況では、低学力の生徒・学生に対応しきれず、ギフテッドと言われる人も含めて、高いレベルを求めることにも対応できずという状況はよくわかる。それでも過度の平等主義という決めつけはどうかと思う。適度な平等はどういうものか示していない限り意味不明となる。詰めた説明が必要だろう。
社会の問題として見ると、社会的に一般入試が問題として取り上げられ、その結果、今や推薦型、総合型が半分を超え、低学力の大学生が生まれてきている。大学の問題だけとも思われない。少子化で高校や大学が囲い込みに躍起になっている。PTAのことにしろ、日本社会の問題であり、現実に起きていることを理解するには必要な書である。一読してほしい本である。