紙の本
現実は直視しにくい
2009/12/08 23:00
11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:marekuro - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、ギャンブルを題材としたマンガで有名な
福本伸行氏の著作から、名(迷?)言を集めたものである。
評者自身はギャンブルをするわけでもなく
福本伸行氏の著作が特に好きな訳でもない。
代表作である「カイジ」や「アカギ」「最強伝説 黒沢」
を読んだ程度である。
本書を書店で何気なく手に取って、1ページ目にある
強烈な一文が気になった。
その強烈な一文とは
勝たなきゃダメだ・・・
勝たなきゃ悲惨がむしろ当たり前!
勝たなきゃ誰かの養分・・・!
というもの。
文章だけ見ると、平凡極まりないが
決して外人にはウケないような癖のある独特な絵と共に
上記の引用部分を見ると、妙に説得力がある。
評者の仕事は福祉専門職である。
色々な現場があり、色々な考え方があると思うが
福祉はどうしても「みんな平等」とか、ちょっと前に流行った
歌のように「No.1じゃなくオンリーワン」を目指す的な雰囲気がある。
※もちろん、全てに当てはまるわけではない。
それはそれで良いことなのだが、働いている中で
上記とは相容れない場面に遭遇する事もしばしばだ。
それは組織の中で感じる場合もあれば、援助を必要としている
人たち(ケース)との関わりで感じる場合もある。
”厳しい現実”と言い換えても良いかもしれない。
そんな時、キレイ事の無力さを味わうことになる。
いわゆる、理想と現実の矛盾である。その矛盾を抱えるが故の
強さも、もちろんあるが・・・
その強さの前提には、現実をしっかりと直視する
ということが欠かせない。
本書は、その「現実」の部分を若干、誇張した上で、嫌というほど
主張してくれている。
もちろん、この「現実」の部分は、福祉分野だけに限定したもの
ではなく、広く一般に照らし合わせて解釈することが可能だろう。
本書の名言をいくつか引用する。
30になろうと40になろうと奴らは言い続ける・・・!
自分の人生の本番はまだ先なんだと・・・!
「本当のオレ」を使ってないから
今はこの程度なのだと・・・
そう飽きず、言い続け 結局は老い・・・死ぬっ・・・!
その間際、いやでも気がつくだろう・・・
今まで生きてきたすべてが
丸ごと「本物」だったことを・・・!
(p16)
ここぞという時・・・
そんな急所・・・
悪魔はみな優しいのだっ・・・!
何故それに気づかない・・・?
(p30)
一生迷ってろ
そして失い続けるんだ・・・・・
貴重な機会を・・・・・!
(p40)
教えたる
正しさとは つごうや・・・
ある者たちの都合にすぎへん・・・!
正しさをふりかざす奴は・・・
それは ただ
おどれの都合を声高に主張しているだけや
(p50)
本当の悪党っていうのは
もっと巧妙にピンハネするものなのさ
多分されてる方はそれをピンハネと気づきもしねぇ
大抵は呼び名を変えてあるしな・・・
税金がそうだろうし 企業の給料 銀行の金利・・・
人間が集まれば蜜は自然に湧いてくる・・・
大切なのは蜜ではなく
それを受け取る皿の方だ・・・
甘い蜜は受け皿(システム)を用意した者の手に渡る
(p58)
人のスキをつけ・・・!
欲望が飽和点に達した時
人の注意力はもろくも飛散する・・・!
そこを撃て・・・!
(p132)
こうやってランダムに引用すると、
これらのセリフの引用元はギャンブルマンガだと
言うことをあまり感じさせない。
どの分野に当てはめても、ある程度の普遍性を
もったセリフであるように感じる。
福本氏はギャンブルマンガの中に
人生を描いているのだと思った。
引用こそしなかったが、名言として掲載された
ものの中には、福祉的にちょっと・・・
というものもあるには、あった。
しかし、評者にとっては”だからこそ”
刮目して見た箇所でもある。
自分の専門分野に入り込んで
安全圏からしか、ものを考えなくなるのは
視野が狭まってしまう。
一方で、この本にあるような世界観だけで
全て事が運ぶ訳ではない事にも留意したい。
本書に引用されている名言達は、元々が
漫画の中でのセリフである。
当然、ストーリーを盛り上げるために
誇張して書かれたセリフもあるだろう。
それが故なのか、あまりに厳しすぎるのだ。
中には、 失敗=死
という図式をにおわす名言(?)もあった。
福祉系の評者としては、もう少し
安心とか優しさとか、見る人が見たら
生ぬるいと感じるようなセリフも欲しかった。
言い換えるなら、ハード面だけではない
セーフティーネットを意識したセリフである。
※福本氏の漫画の中にもそういうセリフはある。
本書を読む場合には、厳しさと安心との
さじ加減が大切になるだろう。
それを自己調節できない状態で本書を読むのは
怪我のもとかもしれない。
個人的には、心身共に順調で
自分自身を奮い立たせたい時などに
カンフル剤的に本書を読むのが良いと思う。
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作中の名言の数々、改めて読み返すとまた違った感じを受けました。
これ一種の自己啓発書だよなぁと思いました。
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アカギ、天、銀と金、黒沢、辺ちゃんといった福本伸行が描いた漫画の名言集。名言、状況、解説、一コマの構成で100チョイの名言ども。
奇抜なのも多いけど、基本前向きな言葉。でも、長くて覚える感じではない。それよりも、解説で紹介される名言がグッとくる感じも。まぁ楽しめた。
友達から借りた。返した。
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日頃の怠惰が胸に突き刺さる本であるorz
それでも、自分を奮起する言葉が何か見つかるはずである。
個人的には著者自身の言葉である部分(最終章)に感銘を受けた。
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福本伸行さんの作品は結構読んだが、この本を読んでみてこんな言葉あったっけ?と思うことが多かった。しかし、この作者の本を読むと自分を改めよう!と思う気持ちになるので、この本はそういう意味ではとても人生の勉強になる本だと思った。また、名言の一つ一つに解説がしてあるので、読んでいない作品の名言を見ると自然とその作品が読みたくなる。自分が日々生活していく中でこの作者の書いた言葉を思い出すことがあるくらいこの本にはまりました。
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たまらなく良かった、福本マンガの名言が詰っている
人生における局面に対してどうあるべきか教えてくれる
これに共感出来ない人は人生で一度も挫折を味わった事の無い人だと思う
買って良かった本当に。心に響いた。
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→この本ではありません
松井竜馬式逆転発想のサロン経営術
貸出:吉田裕志返却(2010.10.25)
ちいさな美容室というくくりではなく、大型店でも取り組まないといけない内容です。そもそも、美容室は、ほとんどが、小さな会社です。今後の時代を生き残っていく、具体的な施策が盛りだくさんです。
ぜひ、読みましょう!!
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「人生の勝利者になるための名言が満載」
人生に躓いたとき、また立ち上がれるエネルギーを貰える本だと思う。
1日1日を真剣に生きること
失敗を恐れないこと
自分の信じた道を貫くこと
など、多くのことを教えてくれる。
天、アカギ、カイジなどの福本先生の原作とともに是非とも読んで欲しい。
それにしても、漫画家とは思えないほど絵は下手なんだけどな。
何でこんなに鬼気迫る感情が伝わってくるんだろう。
もしかして、下手うま?ピカソみたいにあえてやってるのか?
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「何者になれるかどうか悩んでいる若い人たちに言いたい。おまえは東大首席か、と。そういうエリートなら、今いる位置が惜しくて、挑戦しないってのもわかるけど、普通の人生しか送れそうにない人たちなら、挑戦するべきですよ。20代でやるべきことは、勝つなり負けるなりすること。勝てばいいし、負けてもいい。一番まずいのは、勝ちも負けもしないこと」
一番印象に残ったのはこのセリフ。色々悩んでいたのですが、これで実行に移す勇気が出ました。
東大主席のようなトップクラスの人間ではありません。現状に満足してはいけないのだなと感じました。
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2011.1.25-29
図書館
福本マンガの絵はともかくストーリーが好きなので読んでみた。
読むにつれて、なんかだんだん暗くなってくるなぁ…。
確かに良い言葉も多いが、名言集にまですると少々飽きてくる。
人生のどん底で読む分には多いにアリだと思う。
難しい漢字が多かった。
以下気になった言葉
悪を葬るものがあるとすれば、それはつまり、それ以上の悪…!
他人の感動に満足するな!
甘い蜜は受け皿を用意した者の手に渡る
もう…漕ぎ出そう…!いわゆる『まとも』から放たれた人生に…!
いい加減気が付けっ…!耐えることなくして勝利はないんだっ…!
20代でやるべきことは、勝つなり負けるなりすること。一番まずいのは、勝ちも負けもしないこと
責任をとる道は…もっと地味で全うな道…
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フクモト作品好きとしては買わなければならない超必須本。次にどのフクモト作品を読もうかな、というフクモトインデックスとしても使えます。
とりあえず、赤木しげるは13歳から全開ということが判明。そんな66番の解説が私的にすきです。
あと、涯もすごいこと言ってる。涯ってまだ学生だ…よね…?私も「ふざけろっ」て言ってみたい…。
やっぱ名言は作中で読むのが一番ですが、人生に何だかなぁってなったときにぱらりとめくってみるとよいのかもしれません。それで「死ねば助かるのに」って出たら、もう死ぬしかない!よネ!笑
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気になったところをメモ。
■30になろうと40になろうと奴らは言い続ける…。自分の人生の本番はまだ先なんだと…!「本当のオレ」を使ってないから今はこの程度なのだと…。そう飽きず、言い続け、結局は老い…死ぬっ…!その間際、いやでも気が付くだろう…。
今まで生きてきたすべてが丸ごと「本物」だったことを…!
・“本当の自分”を使おうと使うまいと、貴重な人生の1日1日は無慈悲に過ぎ去っていく。「やってくるこの毎日が“人生”だと知っていたら!」とはスウェーデンのことわざだが、利根川の言う「人生の本番」も先にあるものではなく、今まさにこの瞬間なのだ。
・あなたは“本当の自分”を使って毎日を“真剣”に生きているだろうか?
■責任をとる道は…、もっとずーっと地味で全うな道…。
・『責任』を取るというのは、端的に言えば、『失敗から学ぶ』ということ。
・過ちが起きた経緯、その原因、それによって被った損害、解決に向かっているか否かの現状、最善の対応、損害に対する賠償…自分が犯した過ちに関するすべてを把握し、検討し、反省する。そして、二度と同じ過ちを犯さないようにし、過ちを挽回するために全力を注ぐ。それは謝罪して罰を受けいれることより、はるかに地味で苦しい作業だ。しかし、責任を取るという行為はその中にしかない。
・神に祈っても、櫂の手は休めるな。
■目先を追うなっ…!その場その場の状況で動くなよ。
いい加減、気が付けっ…!耐えることなくして勝利はないんだっ…!
・長期的なビジョンや計画を持てない人間ほど、目の前の誘惑やトラブルに弱い。明日の後悔よりも今夜の一杯、1時間の復習よりも1時間の惰眠、定期的な貯金よりも当たれば大きい宝くじ。
■奴ら…、可能性を見ていない。気持ちが状況に押し潰され、僅かだけどまだ皆に残っている勝ちへの道を閉ざしているんだ…、自分から。
言っちゃ悪いが、奴ら正真正銘のクズ…、負けたからクズってことじゃなくて、可能性を追わないからクズ…。
■自分で辿り着いたアイディアは本人にとっては格別でのぉ…。大した考えでなくとも大変な閃きに感じられ…、何の吟味もなく、あっさりそれに沿おうとする…!
疑い続けること…、不安であり続けることが…、ギャンブルで生き残るために最も必要な心構えなのに…。
素人ほど、それをすぐに捨てる。言い換えれば、すぐ…、肚を括る。
・どれだけ考え続けることができるか、それが勝負強さにつながる。
■「明日からがんばろう」という発想からは…、どんな芽も吹きはしない…!
明日からがんばるんじゃない…、今日…、今日だけがんばるんだっ…!今日がんばった者…、今日がんばり始めた者にのみ…、明日が来るんだよ…!
・頑張らなかった今日はやがて昨日になり、頑張るはずの明日が今日になったとき、怠惰な心はまだ言うだろう。「明日から」と。
・「『明日は、明日こそは』と、人はそれを慰める。この『明日』が彼を墓場に送り込むその日まで」
・今日できなかった大変なことが、どうして明日になったらできるというのだろう?
■オレは…、オレに依って立っている…!
自由…、そう…、これが自由だ…!
自由は…、何でも出来る事じゃないっ…!
自由とは自分に由ることだ…。
・自由とは自分のやりたいことを何でも好き勝手に振舞うということではない。精神的にも経済的にも、誰にも頼ることをせず、すべての選択を自分の意志と責任で決定できること。
・できることが限られているのは、今の自分の力がそこまでしかないからに過ぎない。それがイヤなら自分の力を伸ばせばいい。
・自分によって生活のすべてが決まるから現実(リアル)なのだ。
・あらゆる自分の選択が、自分の未来の人生を決定する。自分がどう生きていくか、それはすべて自分の手の中にある。他人任せにせず、すべて自分に依って立っている魂の自由を持つ人だけが、その現実(リアル)を感じることができる。そして、魂が自由なら、その行き先も無限に広がっている。
■命っていうのは自分を表現するためにあるエネルギーじゃないですか。ガソリンですよね。
それより自分が大事。自分が思っている自分のイメージが大事。命よりも…。
・命を“ガソリン”に例えるならば、それを使う目的たる“車”という主役は、自分自身。命はその自分を運ぶものに過ぎない。ガソリンを長持ちさせるために、アクセルを踏み込めないなんてことは、まさに本末転倒。
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まず本書の構成は、福本伸行さんの漫画で描かれている名言に対して、橘富政彦さんが1ページつかって解説する形となっている。
サクッと読み終わった感想としてはイマイチだった。
福本さんの名言は、確かに熱いものがいくつかあり共感を得るものも多々あった。
しかし、解説の内容に関しては当たり障りのない感じでそこまで得るものはなかった。
名言に対する解釈は、人それぞれであり、私があまり興味をそそられなかっただけかもしれないが・・・
福本さん自体がどういった思いで描いたのかを知りたい方には、お薦めしません。
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私はギャンブルとは縁がない。それでも心を揺さぶられるのは、ギャンブルという装置を通して福本が限界状況を描いているためだ。熾烈な攻防と過酷な勝負。ビジネスであれ、学問であれ、そうした局面に身を置くことは珍しくない。少なからず人生において「戦う」姿勢をもつ人であれば、福本が弾(はじ)く弦(いと)の響きに共振するはずだ。
http://sessendo.blogspot.com/2011/06/blog-post_26.html
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「勝つものは勝つべくして勝っているのだ。勝つってことは具体的な行為の延長線上にある確実な未来。必然。当たり前のことなんだ。」
「悪魔はみな優しいのだ。感動や優しさに惑わされるな。」
「正しいことは本当に正しいのか?正しさとは都合や。あるものたちの都合にすぎへん。正しさを振りかざすやつは、それはただおどれの都合を声高に主張しているだけや。」
「死すべき時を知らざる人は、生くべき時を知らず。」
「不合理こそが合理。あらゆる人間が参加する以上、そこに理を求めるのは不可能。」
「あの不可能ってのは何だったんだ?結局わしらは何の意味もなく、自分を見限ってたって事じゃないのか?俺たちの敵はここ。ここに巣食う、自分はこの程度だっていう思い込み。幻想だ。」
「赤木にとって前へ進もうとする願いだけが人生の熱だった。無念が願いを光らせる。だから赤木は愛していた。無念を。」
・・・とにかく自分が持っているイメージ、理想。それに向かって前に進もうとすることが人生の熱であり、人間たらしめるか。くぅ。素直にかっけぇ!