紙の本
愛の物語
2001/10/23 21:24
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆずさ - この投稿者のレビュー一覧を見る
これほど美しい本はあまり見たことがない。そう言っていいと思います。
ヘッセの書いた知と愛は、全く正反対の二人、ナルチスとゴルトムントという青年の愛憎半ばする友情を軸に描かれた非常に美しい小説なのです。
私はこの話で三度泣かされました。いずれも、ナルチスとゴルトムントの厚い友情のシーン。なんといっても最期、ナルチスが死に行くゴルトムントを前に、初めて自らの愛を告白するシーンは涙なしには読めません。
「もし君がいなければ、私は生涯愛を知ることはなかっただろう」
このナルチスの言葉にあるのは、あふれんばかりのゴルトムントへの愛と、生命への憧れに満ちた讃歌なのです。
紙の本
ヘッセの入門書として
2016/09/03 23:19
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エノテーク - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヘッセの入門書としてとても良いです。
子供にも読ませたい一つです。
紙の本
ヘッセの代表作
2018/05/16 22:06
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:H2A - この投稿者のレビュー一覧を見る
知に生きるナルツィスと、恋と芸術に生きるゴルトムント。この2人を主人公にしているのでこの邦題は出来過ぎと思いながら違和感はない。ゴルトムントは欲望の赴くまま放浪のの旅に出る。ペストに襲われた街が出てきたり、弟子入りした親方の二人の娘とねんごろになったり、ヘッセのなかで唯一エロチックな描写もあちこちにある。結局ゴルトムントは年老いてようやくナルツィスのもとに帰ってから最期を迎えるのだが、とにかく大変おもしろい小説で、個人的にはヘッセの読んだ作品中では最良のもの。
紙の本
ヘーゲル的な
2022/12/12 21:39
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投稿者:こっこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公が昇華していく人生を辿った長編小説。話を大きく三つに分けた内の真ん中はただただ女性遍歴で、主人公が何故これほどにモテるかはさておき、食傷気味な感があったが、終盤の芸術に生きる人生を引き立たせる演出と思えば、劇的な効果を上げているのかも知れない。ところどころヘッセ自身の体験なのではと思うところもあり、真実味を増して心に残る大作。
紙の本
ヘッセ二作目挑戦。
2017/01/29 10:15
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投稿者:鶴 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「車輪の下」から二作目ヘッセもの。
ヘッセが好きな人にとったら面白いんだろうけど、正直入り込めず、断念。
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美しすぎて泣きました。読み終わったあときっとナルチスの眼差しが見えたように、染みとおるように感じるはずです。これはBLで片付けたくないなー。
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ナルチスとゴルトムント。お互いが惹かれ合う感情、わかるなぁと。自分の中にこの2人がいる様な気がする。
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人生を貫く二つの欲求である知と愛、それぞれを体現するナルチスとゴルトムント。出会い、別れ、邂逅する彼らの人生は、離れ離れのようで常に寄り添っているように感じられ、それは知と愛という相反するようでありながら共に真理である二つのものの在り方そのものとも思える。詩人を志したヘッセならではの豊かな詩情と、美しく深い物語が胸に残る名作。素晴らしい邦題にも感動を覚える。
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ヘッセの小説ではこれがいっとう好きでございます。ナルチスとゴルトムントの、ラストの会話、「私は君によって愛を知った」うんぬんのあたりは感激でした。西田幾多郎哲学からのタイトルもうーんとうなるものがある。
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大好きです!
ナルチスとゴルトムントの正反対ながらも惹かれあうこころ。
正直文庫の帯の「愛か友情かそれが問題だ」という言葉は全然関係ないと思う…。
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現実を超えることを模索していた時期に出会ったので、忘れられない作品の一つ。ヘッセの後期作品は全てそうです。
最後のナルチスの独白がいい。
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ある日孤児院に黄金の美少年ゴルトムントが現れる。神に仕えるナルキスは、ゴルトムントに惹かれていくが手を伸ばし切れない。文豪ヘッセの名を胸に刻みたくなる圧巻の結末。
言い方がちょっとおかしいかもしれないが、全ての女性同人作家に捧げたい美しい少年の物語なのだ。
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で、なんだかんだ言って感想(?)(になってないし)書く私。
知と愛はそっりゃーもうどっぷりどっぽりはまり込んだんで、感想書こうとすると延々だらだら書いちゃうんですが、とりあえずは今回は知と愛のキンキさんっぽさについて!
知と愛って、結構美学についてとか、神について、とかいろいろ小難しそうなことは出てきたりするんだけど、それらが全てナルチスくんのKYっぷりを表すためだけに出てきてんのがナンダカナーと思います。
前半でのナルチスくんのとうとうとした演説が、一読ではとっさに意味が掴みにくかったんで、しゃーねー気合入れて読み直すかーとか思ってたら「ナルチスは自分の言葉に酔っていた」とか出てくるじゃないですか。
え!ああ、酔ってるだけ!!じゃあ、まじめに取る必要ナシってことでオッケーね!てなもんで。
で、ゴルトムントの方も前半は、いちいちまじめにナルチスくんの言葉を受け取って、苦悩したり考え込んだりしてたのが、自分自身いろいろ人生経験積んだ後半は、ナルチスくんの演説が始まったら、「あ〜また始まった〜ナルチスはかわいいな〜」と内容に関してはほぼスルーで、まったりナルチスくん観察に励んでるさまがなんとも・・・カワユス。
なんか、この辺り、光一さんが一生懸命水の話だの車の話だのしてて、ツヨシ様「フン・・・フン・・・フン・・・」と全く内容には関心ナッシングなのに根気強く相槌だけは打ってあげてて、光一さんが話し終わって満足したら、テケトーな答えを返して光一さんを「??」にさせるあのやり取りをホーフツとさせるじゃないっすか。
(で、その典型的な例・・・どこだったっけ・・・と自分備忘録を検索してみたら、去年の4/17どんなもんやだったらしい。光一さんが熱心に環境問題、エネルギー問題について演説をぶってるのをツヨシ様は、フン・・・フン・・・フン・・・と、関心ゼロなの丸分かりつつも辛抱強く相槌打ってあげてて、話し終わったら「お前なんか買え!」と、話の内容に沿ってないコメントをし、光一さんは「へぇ!?!?」とビックリ声、というキュートな一幕だった模様。かわいいなあ。)
つか、ブンガクって・・・一体・・・と思わせてくれるに十分な素敵ブンガクですよな。
そして、感想書いてる方ほぼ「BLぽい」と口をそろえてらっしゃるのが・・・アハハー。
読んだ当時激ハマリで、ろくすっぽドイツ語出来なかったけど、お気に入りシーンを一語一語辞書引いて必死で脳内補完に努めました。若かったなー。イッヒリーベディッヒ!とかにいちいちドキドキしたなー。(若い若い)
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同じくヘッセ作の『デミアン』『シッダールタ』ほどの衝撃はなかったものの、ストーリーでは優れていたのかもしれない『知と愛ーナルシスとゴルトムントー』。精神の世界と愛の世界に生きる2人の友人の物語。この「精神と愛」というのはすなわち「信仰と芸術」であり、「教会での規律ある生活と放浪の旅」の対比である。2人の極端な性質を持つ人間を、ヘッセは自分の中に住まわせていたのだろう。そしてその2人の矛盾は常にヘッセを悩ませた。しかしその矛盾こそは不完全な人間の証で、だからこそ人間は創作などを通して永遠を求め続ける、まさに人間が人間足り得るものになるための溝なのだ。私達は誰もが心にナルシスもゴルトムントを住まわせているのだろう。
自分が自分になる事のみが達成されるべきことなのだ、というヘッセの核のメッセージも、ナルシスの言葉として登場します。
ヘッセの作品はベッドで寝転んで読んでても、途中から「!」ってなって、正座して読んでしまうとこがあるなー。心に刷り込まれていく。私、ゼッタイこの作品忘れないわ、っていうかんじがしまふ。。
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高校時代初めて読んだ時、登場人物の性格や物語構成がつぼにはまりすぎて暫く脳内の興奮が収まらなかった。 読破するまで眠れなくなるので要注意。