電子書籍
全ての年代の人に読んでもらいたい
2023/09/29 08:10
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投稿者:アッキー - この投稿者のレビュー一覧を見る
子供の頃からの「なぜ人は死ぬのか」「なぜ年をとるのか」等々の疑問に対し、インスピレーションをもらった気がした。
かみ砕いた表現で、僕のような初心者にも分かりやすかった。
死ぬ事がプログラムされている人生を歩かなければならない「ヒト」にとって、道標となる一冊ではないか。
紙の本
老いて世のため人のために生きる
2023/07/07 16:33
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
老化という現象を生物学的に定義すれば、生殖可能な時期(年齢)を過ぎた後の期間の身体的機能の低下、喪失ととらえることができる。多くの野生動物は、そのような期間がなく、捕食生物に食べられてしまうか、餌を捕れなくなって死んでしまうのだという。ただ子育てする(孫育てか)ヒトやシャチなど限られた哺乳類にみられる老化を、理解し受け止める必要がある。老化をネガティブにとらえず、自分のためではなく共益的に働き、孫世代を多方面から育て支えるシニアにならなくてはいけないと。なんちゃってシニアとして老害と言われないように。
電子書籍
おじいちゃん、おばあちゃん理論
2023/11/15 05:04
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投稿者:チップ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ここでいる「ヒト」はホモサピエンスの事
生物としてホモサピエンスはなぜ老いるのか
勿論、他の生物も老いはあるが、自然界では弱ってくれば他の生物に捕食されるか、エサがとれなくなって死んでいく。
人間のような「老い」の時期が無い。
最初の部分は学問的で難しい。
生殖時期が終わっても生きる理由に「おばあちゃん理論」がある
現代版「おじいちゃん、おばあちゃん理論」を考える時期に来ていると思う
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前書『生物はなぜ死ぬのか』にて、「死は進化に必要である」とした著者は、本書にて「老いを実感しているシニアは社会にとって必須の存在であり、「老い」のおかげで人類の寿命が延び、今の文明社会が築かれた」と結論づけています。
「死」はすべての生物に共通した絶対的なものであるのに対し、「老い」はヒト以外の生物にはほとんど見られない現象であるらしい。生物が持つ全ての性質は、進化の結果できたと考えられるので、ヒトに特有の「老い」にも生物学的な意味があるはずである。本書では、様々な生物との比較のなかで、ヒトにしかない「老い」の正体を考察する。さらに本書がユニークなのは、生物学的な視点からの「老い」の意味を踏まえて、私たち人にだけ与えられた「長い老後」をどう過ごせば良いかのシニア論になっていることであります。
「老い」の意味を考え、それと向かうあう楽しみを考える本です。
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出だしは様々な発見があり面白かった。後半は著者の思想が混じってきて、やや興味が薄れていった。
実は老いて生きれるのは人だけ。そこには必然性があるから。
改めて突きつけられたこの事実を踏まえて、老いていく中で社会における自分の存在感を考えていきたい。
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半分くらいまではとても面白い。
多くの動物には「老後」はない、「老い」が始まったらすぐに死ぬ。
「老い」は具体的には「幹細胞の老化(=遺伝子変異の蓄積)」と「細胞がターンオーバーしない臓器である脳と心臓の老化」により起こるが、多くの動物では遺伝子異常を抱えた幹細胞は排除される機構が強力なため、遺伝子異常細胞が増えてくると生体を維持できなくなって死ぬ。つまり「老い」は「死」に直結している。遺伝子異常蓄積理論から導かれるヒトの本来の寿命は55歳くらい。
ヒトではこの遺伝子異常排除機構がゆるいため「老い」が「死」に直結せず「長い老後」を過ごす。おまけにその老後期間は遺伝子異常のために「がん」が起きやすい。
ではなぜ、そのような「長い老後」を持つヒトが進化的に選択されて存在しているのか?それはそれが進化的に有利だったから・・・と、ここまでは面白いし納得感があり、さあその答えは・・・と期待して読み進むと。。
「おばあちゃん仮説」「おじいちゃん(シニア)仮説」と話がすすんでしまうと、急に社会科学みたいになって、おばあちゃんが子育てに、シニアが社会の安定に役立つから進化的に有利・・・それってどうかなあ?それは結果論じゃないの?
そもそも平均寿命が55歳くらいの頃の人類が進化的に適正だったんじゃないのか。まれに長寿者がいても平均的には事故や戦争や感染症もあって55歳くらい。それが抗生物質やら栄養状態の改善やら文明力で無理やり伸ばして85歳までも生きているのが現状。そう考えると、「おばあちゃん仮説」「おじいちゃん(シニア)仮説」はその無駄に長い老後の仕方のない使いみちとして結果的に生じてきた現象なのでは・・・というのが私の感想。
後半は1963年生まれの著者が考える高齢者の生き方論みたいな人生訓話になってしまい拍子抜け。
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前作がすごく面白かっただけに残念、本書は科学的な見識も多少はあるものの経験や筆者の感想が多くを占め読み物としては目新しさや納得に欠けた。
とはいえ、シニアは公共に尽くすことで居場所を見つける的な言いたいことは共感でき、筆者のような先生に政策提言をたくさんしていただきたいなとは思った。
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この本の中でも触れられていますが、哺乳類の動物は全て寿命までの心臓の心拍数が決まっているらしく、それによると「ヒト」の寿命は55歳程度になるそうです。数年前に希望すれば、会社勤めの人は65歳まで勤務できるようになりましたが、いわゆる定年は「60歳」私が子供の頃は「55歳」だったと思います。戦争が終わった頃の日本人の平均寿命はその程度だったと認識していますので、政府は平均寿命を超えて生きた人に対して年金を支払うという考えだったのかもしれませんね。
さて、この本は寿命を伸ばした「ヒト」は、他の哺乳類とは異なって「老後」という問題を抱えるようになりましたが、元を辿るとそれを獲得するには色々と重要な意味があって、それについて解説がなされています。今の人類は、ホモサピエンスが多くの競合の中で生き残った人類のようですが、老後を獲得した=寿命が延びたことが、栄える原因となっているようですね。
私もそろそろ老後について考えなければならない時期に差し掛かっていますが、先輩たちが獲得してくれた「寿命」を有効に使えるようにしていきたいと思いました。
以下は気になったポイントです。
・集団(社会)の中で進化したヒトは特に死への恐怖が強く、これは他人を思いやることができる「共感力」によるものです、共感力は人と人との絆を強め、社会を強固にしています。自分が死んだ時の周りの悲しみを想像すると辛く、死への恐怖はなおさら強くなります(p5)
・ヒトと他の生き物とので違うところは「自分の存在を客観視できること」である、そのため他人と比べて上手く行かないと悩むし、辛いことがあると苦しむ(p18)
・ヒトとチンパンジーは最近(6000万年前)に共通の祖先から別れて、その時間をかけて1.5%の遺伝子の違いが生じた(p20)
・RNAには遺伝子の基となる3つの性質がある、1)自身を複製して子孫に継承する「自己複製能」、2)変化すること、3)壊れやすい(p24)RNAが最初にできた物質で、主体的に細胞を動かしているのはRNA、DNAはただのストックセンター(情報の貯蔵庫)であった、DNAのほうがRNAのコピーであった(p35)
・なぜ死ぬか、ではなく死ぬものだけが進化できて、今存在している、老化は死に向かう過程であり、老化とは、複製するよりも分解が起こりやすくなった状態である(p39)
・コロナによる死者は、2021年には1万5000人となり、死因全体の1%程度で、死亡者の平均年齢は82歳であった(p42)
・ヒトの細胞の中で一番数が多い血液の細胞は、約4ヶ月で新しい細胞と入れ替わる、造血幹細胞という骨髄にある細胞が常に新しい細胞を作っている、寿命が長く、なかなか入れ替わらない細胞は骨の細胞で、約4年周期である。つまり大体4年で体の細胞はほぼ新しく入れ替わると考えて良い(p74)
・ヒトの老化の原因は、1)新しい細胞の供給能力の低下、つまり幹細胞の老化の影響が大きい、2)細胞が入れ替わらない臓器(脳、心臓)の細胞の老化である(p75)心臓の細胞(心筋)は大きく太くなることはあっても、新しいものと入れ替わるこ���はありません。心筋症、心筋梗塞で心臓の細胞が減ると、心臓が上手く機能しなくなる=心不全となる(p76)
・本来の生物学的なヒトの寿命は、50−60歳である、その根拠として、1)ゴリラやチンパンジーの寿命からの推定、2)哺乳動物の総心拍数は一生でほぼ「20億回」これによると、50歳前後となる、3)55歳くらいから癌で亡くなる人数が急増する、野生の哺乳動物で癌で死ぬものがほとんどいない(p81)
・進化の過程から確かにヒトの体毛のほとんどは退化して捨てられたが、今でも残っている毛には、現在でも必要性があって残っている、具体的には「わき」「性器」の周りの毛である。共通点は、ともに縮毛であること、青春期から生え始めることである。縮れた毛は摩擦を減らす、脇毛は腕を動かしやすくする、性器の周りの毛は、その保護や性交時の摩擦を減らす役割がある(p103)
・体力だけでなく、知識・技術・経験や集団をまとめる力が、社会を安定化し子供を増やし教育する重要な要素になってきた、その役割を「おじいちゃん」「おばあちゃん」が担ってきた(p106)
・なぜヒトだけが老いるのか、ではなく、老いた人がいる社会が選択されて生き残った(p118)
・子供がいなくても会社勤めをしている時には基本的には規則正しい生活が送れます、規則正しい生活は、ホルモンバランスを整えて、長寿遺伝子の働きを活発にしてくれる(p164)
・1990年には50歳時未婚率は、男女とも5%程度であったが、2020年には男:28%、女:18%となった、男女で1.6倍ほど未婚率が違う理由は、男性が複数回結婚する人が多いということである(p169)
・シニアになってきたら、新しいことを取り込むインプットも必要だが、これまでの蓄積を吐き出すアウトプットの方を多くしていくべき。チャットGPTのような対話型AIの返答とは違う、人から人にしか伝えられない、ある種の本能を揺さぶるフェロモン的な効果があるように思われる(p202)
・VR技術(メタバース)で良いなと思ったのは、1)居場所の創出、2)バリアフリー(年齢、性別、国別、社会的な立場も関係ない)で人と関わることも可能である(p205)
・なぜヒトだけが老いるのか、それは死を意識し公共を意識するためである、死は何のためにあるか、それは進化のためです。進化は何のためにあるのか、そレは私たちも含めた地球上のすべての生き物の存在理由である(p218)
・老いを感じたら、少しずつ自分のために使っていた時間を社会のため、次世代のために使うのは、それまで楽しく生きてきた人ほど、幸せに感じられることである、シニアの活躍がヒトの寿命を延ばしてきた(p221)
2023年8月3日読了
2023年8月6日作成
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ネアンデルタール人がホモ・サピエンスに滅ぼされた理由のひとつ、集団の大きさ。ネアンデルタール人は100名ほどの集団で暮らしていたのに対し、ホモ・サピエンスはその10倍の1,000名の規模。
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前半は老いについての生物学的な解説、後半はヒトの老後の生き方についてのちょしゃからの提言。
老後の生き方について、考えさせられました。
本書には生物学的な内容を期待していたので、星3つとしました。
ハダカデバネズミって体のサイズとから推測されるよりも凄く長寿なのは知りませんでした。また、老後期間(繁殖ができなくなった期間)があるのは哺乳類ではシャチとゴンドウクジラとヒトくらいとは驚きです。ヒトと近縁のチンパンジーやゴリラも老後期間がないとは。
著者が言うところの「シニア」(知識や経験豊富で、教育熱心で私欲が少なく全体の調整役としてバランス良く振る舞える人。簡単に言えば「徳のある人」。)はかなりハードルが高いです。
今の日本、年金で生活するのは苦しいと聞くし、かと言って高齢者が十分働ける市場もないので、生活に余裕のない人も多いはず。そんな中で「シニア」として振る舞うのは大変そう。
理想として覚えておこうとは思います。
「老年的超越」といえる境地に至るまで、認知症にもならず、そこそこ健康でいられるといいな、と思います。
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タイトルとは違って、老いるのがヒトだけではない、と知ったのが一番の驚きであった。シャチやゴンドウクジラには老後の時期があるということだ。つまり生殖能力がなくなった後にまだしばらく生き続けるということ。何のためにか。それは子育て(孫育て)に協力するため。ほとんどの生き物は生殖能力をなくした後はすぐに後進にその場をゆずる。川を元気に遡上し産卵した後すっと命を落とすサケのように。僕自身、シニアと呼ばれる年代に入っている。孫の面倒を見るのはもう少し先になりそうだが、後進を育てる役を担わなければならない。ところがだ。ICTだか何だかで、我々世代は教えることよりも教わることばかりなのだ。システム自体が大きく変わってきており、もうそれについて行くのは不可能になっている。昔が良かったなどと言っても誰も相手にしてくれない。絶対変わらない、変えてはならないものがあるはずなのだけれど。30年間続けてきたことが全否定されるのか。今のやり方の方が良いということをだれがどこで、どう判断するというのか。それくらい大きく変わろうとしている。テクノロジーの力で。教育の現場がである。本書の内容から大きく離れてしまった。徳のあるシニアにならなければいけない。元気な間は利他的に生きなければいけない。定年後、何ができるかをもっと真剣に考えなければいけない。そして、利他的に死ななければいけない。
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タイトルに興味を惹かれて、読んでみた。
老いれば襲われる可能性が高いため、老いの期間が長くない動物、一方老いてからも下の世代に伝えるといったことができるヒトは、進化の中で老いの期間が長くなった。この違いは個人的に納得感がある。
一方、著者の考えがかなり甘くも感じてしまった。シニアも働き続けることには賛成だが、本に出てくるなんちゃってシニアは、もっと体感として多いのではないか。
また生物学者としての観点が、後半はおまけのようになってしまい、読み切るのが少々厳しかった。
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学術的であまりおもしろくないところと、「なるほど!」と妙に納得するところが混在していました。人間も女王蜂とそれを支える働き蜂のように分業化していく話は説得力がありました。
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なぜ人が死ぬのかのくだりはとても興味深かったですが、老いるところはあまり目新しさを感じませんでした。なぜ死ぬのかについての本が先に出ていたようなので、そちらを読んでみたいと思います
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生物学的な見地からの主張は比較的少ないように見受けられた。
「ほんとうの定年後」で述べられていたような、人的資源の有効活用がいかに求められているかといった部分についての考察が読後感の大半を占めるような感じで、老いのメカニズムはさておき現代の我々におけるその意義とは、という考察に関しては、人生訓の域を出ない代物だったと思う。