紙の本
ブレインマシンインターフェスは実現可能なのか
2019/11/30 23:36
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投稿者:ナポリ - この投稿者のレビュー一覧を見る
とっつきにくいイメージのあった脳科学だったが、
この本で脳科学が何を議題にして研究が勧められているのかが知れて良かった。
今流行りの機械学習にも脳の構造を基にしたモデルがあり、
人間の脳を完全再現した人工脳の実現も可能な気がしてきた。
紙の本
まさに哲学と自然科学の融合ともいえる内容充実の一冊
2018/11/30 19:41
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投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書のテーマは「機械に人間の意識を移植できるのだろうか」というものです。そもそも「意識」とは何かという疑問に関して視覚を題材に「見えると感じること」を定義することからスタートし、機械に意識が宿ることはあるのか、そして最後は自分自身の意識を機械に移植できるのか、という点についての思考実験について述べています。昨今のAI監視カメラは特定の人物を群集の中から判別できる精度に達しています。AIは確かにその人物を「見つけて」いるわけですが、「見えている」と”意識している”わけではないわけです。この違いのフロンティアに切り込むのが本書のテーマと言えます。
前半は「意識」についての現在の脳科学の最前線の解説です。正直なところ、専門用語や専門的な概念がたくさん出てくるので全てを理解するのは困難かと思います。私自身、あまり理解できずじまいでした。しかし、本書の一番の読みどころは意識の移植を扱った後半部です。
自然科学と哲学の境目を扱った本という印象でした。宇宙の起源についてもそうですが、自然科学も突き詰めると哲学的な領域に踏み込んでいくものなのですね。
紙の本
パーマンのコピー人形
2018/06/23 09:11
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投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
脳の主観はどこにも見当たらないが意識は存在する。しかし、意識の原理はわかっていないなどともったいぶったことを言っておきながら、脳の中の仮想現実世界の実現の原理で機械とも繋がることができるという、素人にも「これアリかな」と期待を抱かせる書。
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2017.12.19-2017.12.22
意識についての科学的研究の現状を知るのに良い本。前半は意識研究についての歴史を含めた概説、後半は著者自身の研究について述べる。
両眼視野闘争といふ現象を使つて意識(知覚)の有無を確かめようといふのは、面白いアイデアだ。意識の有無を判断するのは最終的には自分しかないので、機械の脳と自分の半球を繋ぐといふ手法を考へてゐるのも、興味深い。
ただ、個人的には、概念の段階でいろいろと検討すべき問題があるといふ気がする。さうした頭の体操に駆り立てる刺激を持つた本。
意識の問題や脳科学に関心がない人にはお勧めできないので、星は四つ。
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生身の生物が持っている“意識”について解説した本。意識のアルゴリズムを解明し、将来的には意識を持つ機械を作り上げ、生身の生物が持つ意識を機械に移すことを目指す。こう書くとちょっと前ならトンデモ本のように思われるが、現在の科学は想像以上に先を行っている。“機械の体”を手に入れるのはまだまだ先だろうが、夢物語でもなさそうだ。本書を読むと、そんな感じにさせてもらえる。ただし、一般書とはいえ脳神経学について専門的な事柄も多く、すんなり読めるわけではない。面白い分野なので、もう少し基礎的な解説をした入門書を読みたい。
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意識に係る自然則って筆者記載の通り矛盾凝縮な訳で、そもそもアプローチが違っていたりするのかもとど素人ながら思ってみたり。
しかし意識の機械(あるいは外部客体)への移植って、、、うーん、、、何か踏み込んではいけない領域ではなかろうかと直感的に思ってみたりもしますなぁ。
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意識はどうして起こるのだろう、クオリアのメカニズムが知りたくてこの本を読みました。本で書かれた内容について行けませんでした。もっと初心者向けの本を読まないとダメみたいです。
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脳神経科学の門外漢である自分にはかなり難易度の高い内容。
第1章から第3章までの視覚と脳に関する研究の解説はなんとか理解が及んでいたけれど、第4章以降の意識の研究への切り込みは難しくて完全には理解できなかった。
しかし、今まで全く知らなかったし気にかけたこともなかった「意識の研究」について知ることができ興味深い一冊でした。
本書の通りだと、いつの日か、自分の脳と機械の脳を繋ぎ同期させて意識を移植する、という技術が現実になる?
生体脳の寿命が尽きても自分の意識は永遠に続くといくSF小説のような日が来るかもしれないと思うと、面白い。
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分かったような分からないような…
でも具体的な意識の確かめ方が記載されていてそれを試してみる事で言わんとしていることが分かる本
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本書のテーマは「機械に人間の意識を移植できるのだろうか」というものです。そもそも「意識」とは何かという疑問に関して視覚を題材に「見えると感じること」を定義することからスタートし、機械に意識が宿ることはあるのか、そして最後は自分自身の意識を機械に移植できるのか、という点についての思考実験について述べています。昨今のAI監視カメラは特定の人物を群集の中から判別できる精度に達しています。AIは確かにその人物を「見つけて」いるわけですが、「見えている」と”意識している”わけではないわけです。この違いのフロンティアに切り込むのが本書のテーマと言えます。
前半は「意識」についての現在の脳科学の最前線の解説です。正直なところ、専門用語や専門的な概念がたくさん出てくるので全てを理解するのは困難かと思います。私自身、あまり理解できずじまいでした。しかし、本書の一番の読みどころは意識の移植を扱った後半部です。
自然科学と哲学の境目を扱った本という印象でした。宇宙の起源についてもそうですが、自然科学も突き詰めると哲学的な領域に踏み込んでいくものなのですね。
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「人間の意識(心)」とは何か、に現に迫っている脳神経科学者による一冊。そのようなテーマを科学的な研究対象にするための具体的な手法には関心があったので、実際、本書の内容は非常に興味深いと思ったが、いかんせん読みにくかった。人間の意識を研究するというのがどういうことか、の説明とこれまでの歩みの紹介の部分はそれなりに読めるのだが、著者自身の実験に関する解説になるとこの分野の研究者でない一般読者には何度が読み返さなくては、いや読み返しても理解が難しい部分が多くて挫折しそうになった。おそらく内容が難しいんじゃなくて、文章が悪いのが原因。それは非常に残念な点だった。専門書ではなく新書として出版するための推敲が足りないんだと思う。細かい実験とその解釈について理解しなくても本書の主要な内容は理解出来ると思うので読み飛ばしてもいいかと思う。著者が脳神経科学者ということで、主に視覚と錯視に関する実験から、脳の意識は脳の具体的などの辺にあるのか、というようなスタンスの研究の紹介が多い。個人的には、脳の神経網に限らず、ある条件を満たす仕組み、システムが意識を生み出すように感じるので、そのような脳特有の機械としての仕組みを暴いていくことにどれだけの意味があるのだろう、と思って読み進めていくと、著者自身は脳の中の「アルゴリズム」自身が意識である、と考えていることが分かる。まぁ、そうかなと感じます。赤ちゃんが人間になっていく過程を思えば分かることだが、五感を通じて入ってくる外界の信号と、自分自身の身体を動かすことによるそららの応答を繰り返し学ぶことを通じて、抽象的な概念・記号と外界からの信号の対応を獲得してくような「アルゴリズム」自体、もしくは「アルゴリズム」が生まれるネットワークが存在して、それが意識となっていくのではないかと感じた。たまたま本書の次に読んだ、養老孟司さんの「逆さメガネで覗いたニッポン」でも、同様の記述があって驚いた。
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池谷先生の「進化しすぎた脳」より本書の方が意識について分かりやすかった。もしかしたら「進化しすぎた脳」の後にこの本を読んだからある程度の基礎知識のおかげで理解がしやすかったのかも知れない。いずれにしても、ただのシナプスの電気信号により意識(らしきもの)が発生するという生物の神秘には本当に脱帽する。哲学が捜し求めている「自分の存在」というものが結局は単なる偶発的な電気信号によって発生するというのはどう考えれば良いのだろうか。意識が視覚をコントロールし、見えないものが見えているように思うなどということを聞くと、やはり「自分の存在」はすべて虚構という哲学の問題に辿りつくように思う。意識は実は未来を先取りして過去に遡及するなどというトリビア的な知識も増えて面白い本だった。
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【感想】
<知りたかったこと>
①最新の脳科学の状況は?
②意識をどう考えている?・人間とは何か?
③どうやって、研究を進めているのか?(研究のアプローチ方法・考え方)
【理解とは?】
新たな知見とは、研究対象への理解の深まりである。
あなたが選んだ現象には、おそらくいくつかの仮説が存在する。理解の深まりには、誤った仮説をふるい落とし、可能性のあるものをいくつか絞り込むことによって得られる
[人間の視覚の限界]
人間は、視覚情報を一度に多面的にみることができない。
そこにあるのはいつもひとつの見方だ。
【自分が選んだものを正当化する性質】
選択盲→人間は自分が選んだ選択肢をあたかも正解のように信じ込み、
選択したものが変わったとしても、気が付かない。
女性の顔のすり替え実験
実際には存在しないはずの、「意識のもとの自由意志」を、我々がなぜ信じて疑わないかを説明してくれる。
答えは簡単だ。脳が自由意志という、「壮大な錯覚」を我々に見せてくれるからだ。
【専門家とそれ以外】
専門家とそうでないものの違いは、
「何も知らない」ことを知っていることだ。
専門家の知る「知らないこと」これこそが
前述の主観と客観の間の隔たりである。
【科学と哲学の違い】
科学は、検証のまな板にのらないと意味がない。
正しいことを証明したり、正しくないことを証明して、真の自然則を導くことも意義がある。
【世界は虚構でできている】
世界の隅々まできちんと見えた気になっていても、それが実際に外界を反映したものであるとは限らない。
我々の感覚は、外界を直接的にモニターしているわけではない。あくまで脳の仮想現実システムが、目や耳などから得た外界の断絶的な情報をもとに、「それらしく」仮想現実を作り上げ、我々に見せているに過ぎない。
【人の記憶】
「記憶の方法」
エピソード記憶は、海馬と呼ばれる脳部位に一時的に情報が保持される。そして、夜寝ている間に、その海馬に蓄えられた情報をもとに、実際にエピソードが生じた状態が、大脳皮質に再現される。それが何度も繰り返されることによってヘブの学習則が働き、大脳皮質そのものに記憶が移行する
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【本質を追求する】
ある機能の本質ではない何かに操作を加えた場合も、その機能へと影響が及んでしまうことがある。特に、NCCを探求する操作実験には注意が必要だ。NCCの定義自体に、「本質」の意味合いが深く込められているからである。
→本質の探求の仕方
「ACTION」
→
意識の本質をさぐる研究アプローチからは
本質を探る方法論が詰まっている。
・削ぎ落としたり
・削ぎ落とした結果、本質にまで影響してしまうものがあったり
・様々な状況を想定したり
しながら、本質を探る。
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物質と電気的・化学的反応の集合体にすぎない脳から、なぜ意識は生まれるのか―。多くの哲学者や科学者を悩ませた「意識」という謎。本書は、この不可思議な領域へ、クオリアやニューロンなどの知見を手がかりに迫る。さらには実験成果などを踏まえ、人工意識の可能性に切り込む。
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意識とは何か、そして機械にも意識はあるかを取り上げた1冊。様々な実験で、無いものがあるようにして見せることが出来ることを知ると、クオリアは所詮、脳が作り出したものであり、真実とは何か、深~く考えさせられてしまう。