紙の本
Durga
2023/12/02 00:44
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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
インドネシアのとある島の海底で発見された塔は古代遺跡か?後世の捏造か?
篠田節子さんらしい濃い筆致で紡がれる長編。印象として、ひたすら折り重ねられるような読み心地です。「目的地」は?これは前にもあったような?ということが何度もあり、正直長かった。
紙の本
海の遺跡
2023/12/01 22:20
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
元ゼネコン社員、海洋大学准教授、文化人類学の教授が小さな火山島の海中の古代遺跡を調査。
島内の差別的な思想、シャーマン的存在と不思議の体験、火山活動などなど。
前知識なしで読み始めて、ジャンルは何なのかも知らなかったので、いつ面白くなるのか分からず、どんな展開になるかもわからず、数日かかって読み、そして終わっていきました。しんどかった。
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仕事でインドネシアのボロブドゥール遺跡公園整備にかかわったのが誇りの一正。スマトラ沖のネピ島というところでダイビングをすると海中に石仏らしきものを見つけ、これは遺跡発見か? 俺は発見者に? と心ははやるがそれはすでにインドネシアで調査され、なんとコンクリート造りで新しいものだ、とされてサンゴ礁の浜辺にゴミ処理場建設の計画もあるのを知る。
だが、コンクリートでもローマンコンクリートといって古い製法だと一正は主張する。その主張はインドネシア政府に認知されるのか? 一正は水中考古学者、文化人類学者とともに調査に訪れるが今度は火山が爆発する。
海中の古代遺跡の謎、活火山、火山の怒りを鎮めるという集落の巫女。対するアラブの末裔を誇りにする多数派島民。さらにヤシ林経営の富豪。それといっぱしの功名心に囚われている一正。物語が進むにつれ大きく覆うのが振動する島と爆発する火山。大きな自然変動の前に、遺跡も町も浜辺も消滅するのか? 緊迫感が行間からびんびんと迫ってくる。
「インドクリスタル」や「竜と竜骨」などの外国の地が舞台のものに連なる。
謎の花を追ってアマゾンを進む「ロスト・ピーシズ」とちょっと似た読み心地。
「小説新潮」2021.7月号~2022.12月号連載
2023.8.20発行 図書館
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篠田節子待望の長編新作は、お得意の東南アジア社会派冒険ロマン!
ワクワクして読み始めたがダラダラの展開にテンションが下がる。今までと毛色の違う能天気キャラが主人公のせいだろうか。
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篠田節子さんの新刊。
インドネシアの小さな島を舞台に古代海底遺跡の発見。火山とともに生きる先住民達。民族、宗教、信仰が複雑に絡み合う。
篠田節子さんのインドクリスタルのようなワクワク感を期待して読み進める。
設定も凝っていて、専門的な取材もたくさんされたんだろうなと想像できるものの、逆に古代文明にあかるくないため難しい部分も多々あった。
古代からの信仰は人知を超えた力のようなものであって、科学的根拠はないイメージだが、先入観を排除して客観的にみてみると実は合理的だったり科学的に説明がつくものも多いのかもしれない。
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インドネシアには島がたくさんありますが...表題の島があるかどうかは別として、宗教や歴史がさまざま入り組んだ国であることがわかる。
しかし冒頭の遺跡がどうなっていくのか?これはSFか?と期待が高まった割には終わり方にちょっと失望してしまった。
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内容は極めて真面目なんだけど、主人公が楽観的なのでなんだかコミカルな印象に。
実際にはない島のフィクションだけど、臨場感があったので、なんかリアルだった。
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大手ゼネコンに勤務していた49歳の加茂川一正は、インドネシア出張の折にネピ島という小さな島の海底に聳え立つ仏塔らしきものを発見する。
一正は遺跡の保護活動を自らの使命とし、日本の考古学者、民俗学者を巻き込んでの遺跡調査に乗り出す。
ネピ島の殆どを占めるムスリム、開発を最優先する地元の大地主、そして独特の文化を守り続けながらも首狩族などと野蛮人扱いを受けてきた先住民たちは、何故か外部の人間との関わりを受け入れない。
一正の積極的な性格は良いのだが、ちょっと空気を読めない癖がたまたま功を奏したのか、あっという間に先住民の青年ケワンと知り合い、その一家に溶け込んで調査をするためのベースをネピ島に確保する。
ケワンの母親は一族の間でマヒシャと呼ばれていた。
ここネピ島では阿修羅を殺す者と捉えられ、インドの闘いの女神ドゥルガー(悪魔たちを殺す恐ろしい女性戦士)のことを指していた。
一正は当初、マヒシャは土着の迷信の上に成り立っているシャーマンくらいにしか思っていなかったのだが、徐々にその計り知れない不思議なチカラと尊厳さを知ることになる。
一正が発見した仏塔を文化遺跡として保存しようとする努力にも関わらず、その一帯をゴミ処理場としての開発計画が進んだり、遺跡には男性禁制などの風習があったりと、活動は困難を極める。
そして最大の危機は、ネピ島にそびえる活火山の小イスカンダルの活動が活発になり、大きな地震や津波によってネピ島の住宅や丁子のプランテーションに多大な被害が生じる。
そして噴煙を吐いている山は、近々起こるであろう噴火によって、ネピ島自体が海に沈んでしまうとの噂までが島内に広がってしまう。
一正と一緒に活動していた日本人の考古学者、民俗学者、先住民の青年ケワンたちの願いは報われるのか、スケールの大きい冒険物語となっている。
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きっと幻想的な伝奇小説なのだろうと思って読み始めたけれど、いつまでたってもそういう展開にはならず、あれ?あれ?と思いながらとうとう最後まで行ってしまった、という印象。終わってみればインドネシアを舞台にしたリアルで文化論的な冒険フィクションであり、それぞれの場所で日々を生きる庶民達への人生賛歌でもある力作ではあったのだけれど、エンタメ的に面白いかと問われると、決して面白くはなかった。勝手に「インドクリスタル」を思い描いていたこっちが悪いのだ。けれど、かの地の生活様式だったり文化的な風習だったりをここまで尊重して描ける篠田さんはやはりすごいのです。
主人公の性格が下世話すぎるのが玉に瑕だったな。
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篠原さん、お得意の島の古代遺跡でハフハフしながら読んだが、主人公があまりにも…だったり、突然イスラム過激派が出てきたりと、後半迷走して終わってしまった。らしくない。残念。「差別や迫害から逃れるために自らの出自を否定せざるを得ない人たち」悲しすぎる。
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何度も頽れそうになりながら読み終えました。
面白いけど長かった…
篠田さんらしく、一筋縄ではいかない物語運びで、ハッピーエンドとはならないまでもさきに進んでいく道筋を示しての終わり方に納得しました。
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ダイビングのために訪れたインドネシアにある小島で、海中に聳え立つ仏塔を発見する。
これは遺跡なのか?
加茂川一正は、大手ゼネコン会社を早期退職し、非常勤講師となった今、一回り若い静岡海洋大学の准教授・藤井とリベラルアーツ系海洋学群海洋文明研究科特任教授・人見淳子と共に本格的な調査に向かう。
宗教と信仰の制限の多いなか、すんなりと調査は進まない。
次々と障壁が立ち塞がるなか、果たしてその仏塔の真偽は⁇
部族同士の諍いや何かにつけて祟られるという不穏な空気や閉塞感に読み進めるのも少々疲れる。
冒険譚といえるのかもしれないが、3人の逞しさには脱帽した。
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篠田さんの書く宗教絡みの作品にはハズレがない。そんな思い込みから購入した本書だが、残念ながら大ハズレだった。そもそも神様は出てきても宗教とは関係なかった(-_-;)。
主人公は元ゼネコンの脳筋男で、典型的なマチズモだ。こいつがインドネシアの小島で不可解な遺跡を発見したことから巻き起こる騒動を描く。
あっちへ行ったりこっちへ来たりを繰り返すこの物語は、サスペンスでもホラーでもなくコメディーだったと終盤で理解した。ちっとも笑えないし、気づくのが遅すぎたが。
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篠田節子さんの小説はかなり以前に読んだ「聖域」「弥勒」以来。
ブクログのおすすめに出てきて、題名といいあらすじといい大好物の予感がひしひしとした。予約をしてようやく手元に来たのだけど、期待し過ぎちゃったな、というのが正直な感想。
「弥勒」が読み応えがあり、物語の厚みと深みがハンパなかったから尚更そう感じたのかもしれない。
かといって、この物語が薄っぺらいということでもない。
「弥勒」が凄すぎたんだと思う。
ボロブドゥールよりも遥か昔に栄えた王朝があった、その痕跡をしぶとく追いかける展開は面白かった。
信仰する宗教や文化の違いによって起こる差別、偏見。文化遺産の価値が分からず破壊してしまう地元の民、開発を最優先の地主など、問題提起の側面も。
読み始めは主人公に対して好感を持っていたけれど、だんだんと嫌になってしまった。こんなことは初めて。悪気がないぶん、始末に負えない。
主人公と一緒に調査をする、大学准教授の藤井、特任教授の人見が良い。熱く突っ走りがちな主人公をうまく操縦して大人な対応。主人公よりむしろこの二人に興味が湧いた。藤井や人見を主人公にした物語を読んでみたい。
遺跡の価値を分からず、土台や道の敷石にしてしまうような文化、日本でも遺跡が出てきたら工事は中断されるし経済的な打撃が大きいことから、届出せず壊してそのまま工事続行、なんてこともあるらしい。
そんなことは世界中で行われていて、もしかしたら世紀の大発見が埋もれてしまった可能性もあるな、と思ったり。
あと、マヒシャが治療に用いるマメ科の植物の雄しべ。物語ではアルカロイドが含まれ幻覚作用が認められることから、主人公はやられた!と悔しがるが、人見は『ただ治したかっただけ。現に良くなったでしょう?』とあしらう。
現代では薬物、麻薬とされるものは、古くから治療に使われていたものが多かったのかもしれないと思った。
現代になって、トリップする、キメる、快楽を得る目的で使われるようになってしまったけれど、もともとは違っていたんじゃないか。
人は古代でも現代でも生きていくうちに、さまざまな価値観や思い込み、思想に触れていく。得てしてそれは、自分自身の本質を覆い隠し、苦しみをもたらすこともあるだろう。
治療に用いられる薬草の効能で、本質を二重三重、幾重にも覆って深く隠してしまったものを取り除き、本質に直接働きかけることで、体や心を治していく、そんな方法を古代のシャーマンたちはとっていたんじゃないか。
そんなことも強く思った。
『弥勒』と『聖域』を本棚で探したら『ゴサインタン』も出てきた。どんな話だっけ?と開いたら栞が挟んだままになっており、あぁそうだ途中で挫折したんだと思い出した。その当時は読んでいるうちに重苦しい閉塞感に息が詰まりそうになったんだった。いつか再チャレンジしてみたい。
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篠田節子の新作なので期待を込めて読みました。
読み応えがあり、なかなか壮大なストーリーで、映画化すればヒットしそうな話だと思います。
少し専門的な部分や、知識不足で良く分からない記述があるので、文章で読むと理解出来ずに読み進めてしまう事になり、何となく面白かったと言う事になってしまいました。映像化する事で万人受けする物語になると思います。
またの新作に期待ですが、やはり篠田節子にはサイエンスミステリーの新作を書いてもらいたいなぁ、、、