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国鉄時代の貨物列車を知ろう 昭和40年代の貨物輸送
著者 栗原景
2軸貨車が大活躍し、一方でコンテナ化や操車場の合理化が進められていた昭和40年代。国鉄の貨物列車は種々雑多な貨車をつなぎ、小さな駅にもあった貨物ホームで解結していた。戦後...
国鉄時代の貨物列車を知ろう 昭和40年代の貨物輸送
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国鉄時代の貨物列車を知ろう 昭和40年代の貨物輸送
商品説明
2軸貨車が大活躍し、一方でコンテナ化や操車場の合理化が進められていた昭和40年代。国鉄の貨物列車は種々雑多な貨車をつなぎ、小さな駅にもあった貨物ホームで解結していた。戦後の近代化の歴史と成績から、国鉄貨物の位置づけをわかりやすく解説する。
第1章 現代の鉄道貨物と国鉄貨物はここが違う
あらゆるものを運んだ国鉄貨物輸送/特別急行貨物列車/急行貨物列車/地域間急行貨物列車/専用貨物列車/輸送力列車・解結貨物列車
第2章 国鉄貨物輸送の大黒柱 貨車集結輸送方式と操車場
到着時間が読めない/膨大な手間をかけて仕訳する操車場/780kmに60時間以上/操車場の近代化/地域間急行貨物列車
第3章 鉄道貨物の救世主 コンテナ輸送の歴史
コンテナ特急「たから」/救世主・フレートライナー/東海道ライナー/新規顧客の開拓に苦しむ/私有コンテナ専用ライナー/引越しとコンテナ
第4章 「公共性」の名の下に似たような制度が混在 小口扱貨物と小口混載貨物
鉄道輸送が苦手としながらも「大切な仕事」小口扱貨物/民間企業の積卸技術をいかした小口混載貨物/トラック業界が猛反対 中心駅集約輸送/新混載制度/公共性の建前で「国鉄直営」の看板だけ残される
第5章 運ぶモノの特性に合わせた輸送体勢を目指した物資別適合輸送
輸送力から輸送品質への転換/石油/セメント/化学薬品/飼料/紙製品/自動車/鉄鋼
第6章 国鉄貨物のスター的存在 鮮魚特急列車
時速10kmで所要時間を丸1日短縮/地元水産業界の猛反発にあった計画/長くは続かなかったピーク
第7章 国鉄貨物輸送と切っても切り離せない「通運」
鉄道貨物輸送の両端を担う通運事業者/許可営業制導入/独占が解かれた戦後の通運業/ライバルに変化する国鉄と通運
第8章 複雑怪奇な?国鉄貨物運賃の仕組み
最短経路で計算/生活物資は安く、贅沢品は高く/貨物等級制度/複雑な「指数」で算出した小口混載貨物/画期的だったコンテナ貨物の運賃
第9章 国鉄のもう一つの物品輸送サービス 手荷物と小荷物
全国の駅から個人が大きな荷物を発送できた/重複するサービスを整理 荷貨一元化/鉄道宅配便/鉄道郵便輸送
第10章 1790年 国鉄貨物輸送で活躍していた主な車両
終章 その後の国鉄貨物とJR貨物への移行
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国鉄時代の貨物輸送の仕組みの概要がわかる
2023/08/27 11:43
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つばめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は『東海道新幹線の不思議と謎』、『東北新幹線沿線の不思議と謎』など鉄道関連の著作もあるフォトライター、ジャーナリストである。本書は国鉄の貨物輸送量がピークにあった1960年代後半の国鉄貨物輸送
の仕組みの概要、国鉄末期にかけての貨物輸送の変化・衰退についての解説が大宗を占める。最終章には、1970年時点で活躍していた機関車(SL、DL、EL)、貨車、タンク車の簡潔明瞭な解説があり、国鉄時代の貨物輸送の状況を知ることができる。以下、内容の一部を紹介する。◆1931年にコンテナ輸送に用いる1トン積のイ号コンテナが登場。その後150kg積のロ号コンテナが、南樺太や北海道で生産されたバターの東京への輸送に用いられた。夏季にはコンテナ内部に綿布団を敷き詰め、ドライアイスによる冷蔵輸送が行われた。◆1968年当時の貨物運賃制度は複雑怪奇。貨車がどのルートを経由して目的地に到着するか不明のため、運賃計算キロは最短ルートで算定。運賃計算キロに貨物1トン当たりの賃率を掛けて貨物運賃を計算。貨物の品目別に1級から4級までの等級があり、賃率が異なる。642品目について、等級が定められていた。例えば活魚は1等級、鮮魚(上級)は2等級、鮮魚(下級)は4等級。1966年に制度改正があるまでは、1135品目の等級が定められていた。◆鉄道郵便輸送は、1872年に品川~横浜間で仮開業した時から行われていた。1892年から郵便物の仕分けを鉄道車両(郵便車)内で実施。郵便車の乗務は過酷であった。郵便物の飛散防止のため、窓の開放は厳禁。夏には灼熱地獄、係員の汗で湿度が上昇、郵便物の文字が滲む事態も発生。このため、1960年代後半から旅客列車に先駆けて郵便車への冷房装置の導入が進められた。
ただし、上記の貨物運賃制度での複雑な品目別等級の適用が適正に行われていたのか?、重量のある貨物の計量はどのように行われていたのか?このあたりについての解説があれば、尚価値ある一冊になったように思う。
紙の本
魅力的だよ、鉄道網
2023/11/02 11:02
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「集結輸送方式」「コンテナ輸送」「小口輸送」「物資別適合輸送」の4つを柱を中心に話は展開していく、2024年問題がまじかに迫る中、全国に鉄道網を持つJRの施設は魅力がある