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NHK 100分 de 名著 司馬遼太郎『覇王の家』2023年8月
そういえば、あの本のこと、なんにも知らずに生きてきた。一度は読みたいと思いながらも手に取らなかったり、途中で挫折してしまったりした古今東西の「名著」を25分間×4回=10...
NHK 100分 de 名著 司馬遼太郎『覇王の家』2023年8月
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司馬遼太郎『覇王の家』 “人間・家康”を読む (NHKテキスト 100分de名著)
司馬遼太郎『覇王の家』 “人間・家康”を読む (NHKテキスト 100分de名著)
配信開始号
「NHK 100分 de 名著 トーマス・マン『魔の山』2024年5月」
2024年04月25日配信より
※こちらの商品は配信都度の課金になります。
配信される商品によって金額が異なります。
刊行頻度
月刊誌(毎月25日)※都合により一部発売日が異なることがございますのでご了承願います。
商品説明
そういえば、あの本のこと、なんにも知らずに生きてきた。
一度は読みたいと思いながらも手に取らなかったり、途中で挫折してしまったりした古今東西の「名著」を25分間×4回=100分で読み解きます。各界の第一線で活躍する講師がわかりやすく解説。年譜や図版、脚注なども掲載し、奥深くて深遠な「名著の世界」をひもときます。
■ご注意ください■
※NHKテキスト電子版では権利処理の都合上、一部コンテンツやコーナーを掲載していない場合があります。ご了承ください。
■今月のテーマ
小説として描かれた、司馬遼太郎の「家康論」
戦国時代を最後に制し、260年に及ぶ江戸時代の礎を築いた徳川家康に、作家・司馬遼太郎が真っ向から取り組んだ小説『覇王の家』。鋭い人物観察と歴史への洞察力から浮かび上がる「知られざる家康」像を読みとき、また司馬がいかに歴史と切り結んだのか、その視点と方法に改めて光を当てる。
■講師:安部龍太郎
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紙の本
作者目線を感じた
2024/01/10 19:49
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:バベル - この投稿者のレビュー一覧を見る
司馬遼太郎さんの「覇王の家」は若い頃に読んだが、今回の書で作者目線からの内容に触れられた。このようにしてみると、すべての作品をもう一度よみたくなる。
紙の本
第4回は、本当かねぇ・・・という感じ
2023/08/21 19:08
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Haserumio - この投稿者のレビュー一覧を見る
『覇王の家』はすでに読んでいたので、その作品解釈論、作家論および日本分析論として、面白く一読。(番組も視聴中です。)やはり、「三河かたぎ」(10頁)というか、「三河人のなかに見出した日本人気質」(26頁、換言すれば今日に至るまでの日本的組織(集団、人)の原型ないししは源流)にかかわる描写・分析が、原本においても本書においても大変参考になりかつ印象に残っている。なお、第4回の内容だが、司馬遼太郎とポストモダニズムの通底性の議論(家康って、トリックスター(価値紊乱者)と云えるのか?)にしても、家康は地方分権と農本主義を目指していたという立論(家康が第一義に置いたのは、あくまでも徳川家の存続と繁栄では?)にしても、評者としてはほんとにそうかねぇという感想である。
さて、次は積ん読になっている山内昌之『将軍の世紀』に挑戦しようと思っているところです。
紙の本
さすがは同業者、スルドイ
2023/08/26 00:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:和田呂宋兵衛 - この投稿者のレビュー一覧を見る
放映中の大河ドラマに、司馬さんの生誕百年をひっかければ、この作品か・・・。
ベタになりそうな企画だが、語り手の人選が面白い。
なにしろ国民的小説家の作品だし、ご自身も同じ人物の長編を執筆中だし、下手な批評はできない。
これを受けた安部さんの勇気に敬意を表する。
司馬文学の特徴として、安部さんは「キャラクターの決めつけ」を挙げる。
そういえば・・・
「竜馬がゆく」では、藩のメンツにこだわる薩長を、いろんな手を使って結びつけようとする、
「自由な発想の、商売の分かる」坂本竜馬。
「燃えよ剣」では、立身出世にこだわり、最後は官軍に捕まって首を切られる近藤勇と、
新選組を強くすることに専念し、五稜郭で華々しく散る土方歳三。
「坂の上の雲」では、ガタの来た皇帝専制のロシアと、ナショナリズムに目覚めたばかりの立憲国家・日本。
「人格者だが愚将」の乃木希典を支える、旧友児玉源太郎の智略。
確かに、司馬さんのベストセラーには、「キャラクターの決めつけ」による単純化が多い。
良い意味での通俗性であり、多くのファンを引き付けた秘訣だろう。
しかしながら司馬さんも、家康の「キャラクターの決めつけ」には苦労したようで、
安部さんの見立てでは、「三河かたぎ」をキャラクターに設定し、
三河人の律義さと家臣団の絆の固さに注目しながら、家康という人間が描かれていく。
物語のクライマックス、小牧・長久手の戦いのくだりでは、
慎重に事を運びながら精密に情報を収集し、ここぞという所で思い切って勝負をかける家康が活写される。
ここでは、司馬さんの軍隊経験から、無能で無謀だった日本軍幹部を思い浮かべながら、
こんな将軍が日本にいたら・・・という願いが反映されていると安部さんは説く。
家康の側近、石川数正が、有能すぎるがゆえに三河家臣団の中で浮いてしまい、秀吉方に走る経緯が、
その後の江戸幕府、ひいては日本社会の閉鎖性を示すという安部さんの見方には同感できる。
第4回分では、坂口安吾など戦後無頼派の司馬文学への影響、
本作はイデオロギーを拒絶するポストモダニズムの試みではなかったか等、
初めて聞く話が語られる。
難解な所もあるが、心に留めておきたい。