- 販売開始日: 2023/09/29
- 出版社: 新潮社
- ISBN:978-4-10-327524-4
夢ノ町本通り―ブック・エッセイ―
著者 沢木耕太郎
三島由紀夫、モハメッド・アリ、向田邦子、山本周五郎……。未知の人物との遭遇が、心躍らせる物語への熱中が、いつだって私を豊かにしてくれた。幼少期から現在に至るまで、無数の本...
夢ノ町本通り―ブック・エッセイ―
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商品説明
三島由紀夫、モハメッド・アリ、向田邦子、山本周五郎……。未知の人物との遭遇が、心躍らせる物語への熱中が、いつだって私を豊かにしてくれた。幼少期から現在に至るまで、無数の本との出会いを綴る豊潤な36編。『深夜特急』の直前、26歳の時に書いた単行本未収録のエッセイ「書店という街よ、どこへ?」も初収録!
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本を語りながら自身を語る
2023/11/07 16:24
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
恒例の芥川賞受賞作の全文掲載があった「文藝春秋」の2023年9月特別号。
話題となった市川沙央さんの受賞作「ハンチバック」よりも先に読んだのが
沢木耕太郎さんの特別エッセイ「夢ノ町本通り」だった。
長くはないそのエッセイで、
自身の夢の商店街があるなら、新刊の書店と古書店があって欲しいと綴っていた。
そんな素敵なエッセイを巻頭において、
これまでのブック・エッセイを集めた本が出た。
タイトルも『夢ノ町本通り』そのまま。
そして、ここには沢木さんの本への思いが並んでいる。
ブック・エッセイといっても、
それこそ本や書店のことを綴ったエッセイもあれば、
作家論のもの、書評のもの、文庫解説と形はさまざまだ。
沢木さんのように長い間文筆稼業に携わってきた人でも
「自分の非力を感じながら苦しい思いで書かなければならない本」もあるようで、
やはりそんな時の文章は熱量がさがっているように感じる。
沢木耕太郎というノンフィクション作家の魅力は
彼の持つ熱量と強く結びついていて、
沢木さん自身が光源となっている作品ほど熱量が高く、読者に強く届く。
このブック・エッセイでいえば、
山本周五郎さんの短編アンソロジー集に書いたエッセイの数々はいい。
これこそ沢木さんの文章だといえる。
文庫解説に近いエッセイだから、もちろんそこには山本周五郎を描いて過不足ないし、
何よりもその文章には沢木さん自身が存在する。
「夢ノ町本通り」を歩いている沢木さんは、やはり颯爽として、書店の扉を開いている。