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夜の蔵書家
著者 紀田順一郎(著)
神田神保町で「本の探偵」の広告を掲げて古書店を営む須藤の元に、蔵書家の医者から三十年近く前に失踪したある人物を探して欲しいという依頼が舞い込んだ。その名を森田一郎といい、...
夜の蔵書家
夜の蔵書家 (創元推理文庫 古本屋探偵の事件簿)
商品説明
神田神保町で「本の探偵」の広告を掲げて古書店を営む須藤の元に、蔵書家の医者から三十年近く前に失踪したある人物を探して欲しいという依頼が舞い込んだ。その名を森田一郎といい、戦後期に日本の文化復興に尽力すると称して、稀覯書といいつつその実わいせつ文書刊行に携わった結果、検挙されたあげく有罪となり、その後姿を消したという。左翼劇団の俳優や中国のスパイだったと噂される経歴を持つ謎の男を、須藤は古書を糸口として探索に乗り出すが……ロス・マクドナルド作品を彷彿とさせる傑作長編ミステリ。(『古本屋探偵の事件簿』分冊版)/解説=門井慶喜
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本を出版する人と本を読む人と
2024/03/06 16:02
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
1991年に刊行された、まさにミステリアスな戦後の出版事情を探索する物語。人探しという謎から、戦前戦後にわたる出版事業と国による統治とがぶつかり合う状況が生み出した悲劇が、さまざまな人間の人生を歪なものに変えていったのではないだろうか。古書そのものに関心はないが、本を出版するということが心からの喜びである人がいて、本を読むことが好きな人がいる平穏な時間が続くといいと思った。