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中世の覚醒
著者 リチャード・E.ルーベンスタイン , 小沢千重子
12世紀の中世ヨーロッパ、一人の哲学者の著作が再発見され、社会に類例のない衝撃を与えた。そこに記された知識体系が、西ヨーロッパの人々の思考様式を根底から変えてしまったので...
中世の覚醒
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中世の覚醒 アリストテレス再発見から知の革命へ (ちくま学芸文庫)
商品説明
12世紀の中世ヨーロッパ、一人の哲学者の著作が再発見され、社会に類例のない衝撃を与えた。そこに記された知識体系が、西ヨーロッパの人々の思考様式を根底から変えてしまったのである。「アリストテレス革命」というべきこの出来事は、変貌する世界に道徳的秩序と知的秩序―信仰と理性の調和―を与えるべく、トマス・アクィナスをはじめ、キリスト教思想家たちを激しい論争の渦へと巻き込んでいった。彼らの知的遺産は、現代にどのような意義を持つのであろうか。政治活動の発展と文化的覚醒が進んだ時代の思想を物語性豊かに描いた名著。
目次
- はじめに/序章 中世のスター・ゲート──西ヨーロッパの覚醒/第1章 「知恵者たちの師」──アリストテレスの再発見/1 驚くべき事実──ムスリムの知的財宝/2 プラトンとアリストテレス/3 「哲学者」アリストテレス/4 アリストテレス思想の核心/第2章 「レディ・フィロソフィー」の殺人──古代の知恵はいかにして失われ、ふたたび見出されたか/1 アウグスティヌスとその時代/2 滅びゆく帝国/3 異端者たちの行方/4 唯一神教とアリストテレス/第3章 「彼の本には翼が生えている」──ピエール・アベラールと理性の復権/1 天才登場/2 革命的変化の胎動/3 普遍論争と三位一体論/4 アベラールの死/第4章 「そなたを打ち殺す者は祝福されるだろう」──アリストテレスと異端/1 民衆の宗教運動の高まり/2 カタリ派の登場/3 カタリ派の中のアリストテレス/4 アリストテレス自然学への禁令/第5章 「ほら、ほら、犬が吠えている」──アリストテレスとパリ大学の教師たち/1 托鉢修道士、大学へ/2 「学としての」神学へ/3 魅惑の自然哲学/4 トマス・アクィナスとパリ大学/第6章 「この人物が知解する」──パリ大学における大論争/1 急進派と保守派/2 アリストテレス主義者としてのトマス・アクィナス/3 断罪と復権/第7章 「オッカムの剃刀」──信仰と理性の分離/1 終わりゆく中世/2 「新しい道」へ/3 オッカムの破門/4 かくして寛容の門は閉ざされた/第8章 「もはや神が天球を動かす必要はない」──アリストテレスと現代の世界/1 信仰と理性の緊張関係/2 アリストテレス革命の忘却/3 アリストテレスの遺産/謝辞/訳者あとがき/文庫版訳者あとがき/解説(山本芳久)/註/参考文献/人名索引
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紙の本
アリストテレス革命の衝撃に迫る傑作です!
2019/01/21 08:50
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、いわゆる「アリストテレス革命」について丁寧に書かれた書です。「アリストテレス革命」という用語自体、あまり馴染みのないものかもしれませんが、12世紀の中世ヨーロッパにおいて、ある一人の哲学者によって書かれた著作が発見され、それによってヨーロッパのこれまでの考え方を根本的に変えることになった偉大な革新のことを言います。また、これは変貌する社会に道徳的秩序を与えるべく、当時のキリスト教思想家たちを激しい論争の渦に巻き込んでいったとも言われています。今こそ、このヨーロッパの思想に大転換をもたらしたアリストテレス革命について学んでみてはいかがでしょうか。
紙の本
対立と調和
2021/09/21 18:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mt - この投稿者のレビュー一覧を見る
レコンキスタの結果「再発見」されたアリストテレスの著作が、中世キリスト教世界に与えた影響を描いた一冊。「信仰」と「理性」を巡る論争という一見すると難解なテーマを、各時代の哲学者・神学者たちの肖像を魅力たっぷりに描くことで、まるで大河ドラマの如き読後感が味わえる。興味深いのは著者がキリスト教ではなく紛争解決の研究者だということ。2つの対立する陣営の「調和」を探る動きを描くには、なるほど納得の専門というところか。とにかく面白い。おすすめ。