あなたの姿をもう追う事はありません

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投稿者：おはな　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

カイルの頭の中が理解できない。
自分の婚約者メニルを悪役令嬢に仕立てたとして、2年後メニルが入学してきたらどうするつもりだったのか。
入学してきても会おうとしないし、メニルが会いにきても気づかない。
面倒なことは後回しで、楽な方へ流れていく気質らしい。
そんなカイルに返せるわけもない大金を貸したり、大物の大人たちが断罪するため画策する様子は、ウサギを猛獣たちがいたぶるようで気分悪かったけど、卒業パーティーでメニルの父親が「謝る機会は与えた」と言っていたので結局カイルが愚かなのだと思った。

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投稿者：ラ・レーネ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

悪意のある嘘で塗り固めた噂がどれほど人を傷つけるか…見知らぬ人からまるで汚物でも見るかのような視線に晒されるのがどれほどつらいか…心が鋭利なナイフで切られ目には見えない血を流す…経験のない人間には全くわからない感覚だろう。
婚約者カイルと同じ学園に入学したメニルは、カイルに付き合っている女生徒がいて､その上自分が悪役令嬢と噂されている事を知り､ひどく傷つく。しかも誰もメニルのことを知らないのだ！噂だけが一人歩きし蔓延している。メニルは傷つきながらも､カイルのところに行き､自分がカイルの婚約者であると告げるが、ストーカー扱いされた上さらに侮辱された
保健室で血を流して慟哭するメニルの姿に胸がキリキリと傷んだ。
その時メニルに寄り添ってくれる友人がいてくれた事に少し救われた思いがした。
その後メニルは立ち直り､新たな友人､誠実な婚約者も得る事となる。
反対にカイルは真綿の首を絞められるように全てを失っていく。友人を家族を将来さえも…。悪役令嬢の噂を面白がり､利用していた生徒達も同様､その将来を失う。
決して断罪されるのではなく、責任を取るのだ。
こちらの方がより苦しいと思う。
意識的な悪意も無意識な悪意も､周り回って己に帰って来る。まさしく因果応報である。