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徳川幕府の経済政策――その光と影
著者 岡田晃(著)
通史で読み解くからこそ、見えてくるものがある 家康から綱吉の時代は戦後の高度経済成長、新井白石の「正徳の治」は平成のバブル崩壊といったように、江戸時代の経済変動は現代と似...
徳川幕府の経済政策――その光と影
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徳川幕府の経済政策 その光と影 (PHP新書)
商品説明
通史で読み解くからこそ、見えてくるものがある 家康から綱吉の時代は戦後の高度経済成長、新井白石の「正徳の治」は平成のバブル崩壊といったように、江戸時代の経済変動は現代と似ている点が多い。デフレからの脱却に繋がった、吉宗による「享保の改革」の功罪とは。田沼意次の構造改革が成功しなかったのはなぜか・・・・・・。徳川幕府の経済政策の成功(光)と失敗(影)に学ぶ。 ●第一章 家康の経済戦略“エドノミクス” ●第二章 幕府を揺るがした政治危機と大災害 ●第三章 “元禄バブル”の実相 ●第四章 正徳の治――“バブル”崩壊でデフレ突入 ●第五章 吉宗の「享保の改革」――元祖・リフレ政策 ●第六章 田沼時代の真実――成長戦略と構造改革の試み ●第七章 「寛政の改革」――超緊縮で危機の乗り切りを図るが・・・・・・ ●第八章 「化政バブル」――“最後の好景気” ●第九章 「天保の改革」――“最後の改革”だったが・・・・・・ ●第十章 幕府崩壊と近代化の足音
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紙の本
260年間の経済政策
2023/12/28 16:40
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:森の爺さん - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦国乱世を統一した徳川幕府は260年間という長期にわたる天下泰平をもたらしたが、その経済政策について分かりやすくまとめた新書であり、大石慎三郎氏や藤田覚氏等の近世史の大家の著書からもその見解を取り入れている(藤田覚氏の「江戸時代の勘定奉行」と併読すればより分かりやすい)。
いくら天下泰平とは言っても、一般庶民の生活の向上がなければ支持も得られないわけであり、簡単に言えば幕府開闢から元禄時代までが経済成長時代であり、その最後を飾る元禄バブルの後は自然災害等による幕府財政の悪化による、改革という名の緊縮財政とその反動としての積極財政が交互に行われ、開国後のハイパーインフレの中で徳川幕府が終焉を迎えることとなる。
幕府成立当時は当時の国際情勢の中でも高度経済成長を遂げていた日本について「エドノミクス」としてその経済政策を5本の矢としてまとめていて分かりやすいが、コメ本位制とも言える初期の経済体制から、商業資本の成長による貨幣経済の発展がなされながら、幕府の経済政策が対応仕切れなかった印象を受ける。
その経済政策の遷移を簡単に表現すれば、「改革」=緊縮財政によるデフレーション、田沼意次や水野忠成による積極財政=経済成長が繰り返される中で、日本全体が停滞して行ったということであり、更に実物通貨と名目通貨という概念の中で、荻原重秀に代表される金銀の含有量を低下させる改鋳は通貨の流通量を増やす結果としてインフレーションを招き、新井白石に代表される含有量を増やす改鋳は通貨の流通量を減らすことによりデフレーションを招くという図式となる。
筆者はこの260年間における経済政策の展開について、第二次世界大戦後の高度成長期以降の日本と重ねながら、説明しているのでとても分かりやすく読めるし、江戸時代の政治家・財政家と現代の政治家・財政家が重なってくる(バブル崩壊を招いた点で新井白石と三重野康元日銀総裁等)し、過去も現在も日本は災害の多い国家だと改めて実感する。
徳川幕府は天下泰平と経済発展の後のヴィジョンを欠いたが故に、藩政改革に成功した西国諸藩の興隆の前に崩壊したが、戦後日本も先進国並みまで経済発展しながらその後のヴィジョンを欠いて低迷している点で身につまされる。
紙の本
経済は資本主義社会でなくても発達する
2023/11/18 10:10
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ニッキー - この投稿者のレビュー一覧を見る
経済は、資本主義社会でなくても発達します。平和な江戸時代は、その良い例です。それが、次の明治時代からの資本主義の準備をしたのでしょう。ただ、江戸時代は※が経済の中心でした。幕府は、そのコントロールに苦心しました。その経済の発達は、封建社会を切り崩す元ともなったのでしょう。