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限界分譲地 繰り返される野放図な商法と開発秘話
著者 吉川 祐介
全国で急増する放棄分譲地「限界ニュータウン」売買の驚愕の手口を明らかにする。高度成長期からバブル期にかけて「超郊外住宅」が乱造した経緯に迫り、原野商法やリゾートマンション...
限界分譲地 繰り返される野放図な商法と開発秘話
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限界分譲地 繰り返される野放図な商法と開発秘話 (朝日新書)
商品説明
全国で急増する放棄分譲地「限界ニュータウン」売買の驚愕の手口を明らかにする。高度成長期からバブル期にかけて「超郊外住宅」が乱造した経緯に迫り、原野商法やリゾートマンションの諸問題も取り上げ、時流に翻弄される不動産ビジネスへの警鐘を鳴らす。
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紙の本
大変難しい問題提起の本
2024/03/06 05:31
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:チップ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「限界ニュータウン:というとバブル期に開発された東京から遠く離れた分譲地をイメージする
千葉県の場合、昨今の不動産ブームと資源高で中古住宅は値段が高騰している。しかし更地は血で血を洗う状況に変わりがない
最近目にする事が多くなった「不動産買取業者」の問題もリポートしてある
話題になった「原野商法」とは違った問題をはらんでいる
大変難しい問題だが、考えていかなくてはいけないと思う
著者は「今起きている問題点を指摘していくことは容易いもんお、それを解決させる手段に何があるかと問われると口ごもってしまう。」と謙遜しているが、
多くの人が見過ごしていた問題を提起した功績は大きいと思う
紙の本
限界分譲地で勝手な結論を出す前に読んだほうがいい
2024/03/11 20:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雑多な本読み - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、題名の限界分譲地に住む方が著したものである。そのため、ステレオタイプで決めつけないところがなんともいえない。本の紹介では、東京の都心部のマンションは高騰し、郊外の開発途上で売れ残った宅地は放置され、投機的に分譲され、購入されたところ、原野商法等をたどり、負の遺産となったところに警鐘を鳴らすものとされる。そのとおりといえるが、云えるが読むと少々違うなという本である。目次を見ると、
まえがき
第1章 取り残される限界ニュータウン
Column 限界分譲地のリアルライフ
第2章 限界ニュータウンはこうして売られた
第3章 原野商法の実相
Colum 沼地に開発された分譲地―旧山武町の欠陥住宅訴訟
第4章 変質するリゾートマンション
Colum 限界ニュータウンから新宿まで「通勤」してみた
第5章 限界ニュータウンの住民
Colum 2019年、台風15号の惨禍
第6章 限界ニュータウンの売買
Colum 限界分譲地の建前と本音
第7章 限界ニュータウンは二度作られる
あとがき となっている。
以上のように展開される。限界分譲地として取り上げられるところは、動くことが困難な高齢者等でない限り、地価の安い住宅地として、地域社会に組み込まれている実態があり、どうしようもないところではない。都心に通勤できないわけでもないが、将来性は乏しく、空き宅地が多いという実態があり、不在地主の存在がマイナスとして働くという感じがある。ケースによって荒廃しているところがあるが、必ずしもそうなるとは限らない中途半端さがある。立地はいいといえないが、それよりも当該自治体がコミットせず、開発時点から放置されてきた特徴を指摘する。現時点で売ることができない宅地ばかりかというと、そうも言いきれない。周辺の地元の人が、子どもの独立し所帯を構えるにあたって購入するケースがあったりし、処分がすべて不可能という決めつけはできない。しかし、少子高齢化のなかで、将来性があるともいえない。不在地主が当該宅地を売るに売れないケースがあるし、雑草を定期的に刈る業者も存在するから、転売益を出そうとする人には向いていない。電気は来ているが、ガスや水道は自ら管理・整備しないといけないとか不便さは否定できない。分譲地内の道路も私道のため、管理する必要がある等の負担も大きい。開発時に高値で買った人と安値で転売された宅地を買った人と事情は違う等で、全員が利害が一致するわけでもなさそうだ。それでも実情を知るにはちょうどいい。一読してほしい本である。