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きらん風月
著者 永井 紗耶子
筆という卵が生み出すのは、武者か美女か、それとも鬼か。東海一の文化人と、松平定信の交流が心を揺さぶる。──直木賞受賞第一作!かつては寛政の改革を老中として推し進めた松平定...
きらん風月
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きらん風月
商品説明
筆という卵が生み出すのは、武者か美女か、それとも鬼か。東海一の文化人と、松平定信の交流が心を揺さぶる。──直木賞受賞第一作!
かつては寛政の改革を老中として推し進めた松平定信は、60を過ぎて地元・白河藩の座からも引退した。いまは「風月翁」とも「楽翁」とも名乗って旅の途次にある。その定信が東海道は日坂宿の煙草屋で出会ったのが栗杖亭鬼卵。東海道の名士や文化人を伝える『東海道人物誌』や尼子十勇士の物語『勇婦全伝絵本更科草子』を著した文化人だ。片や規律正しい社会をめざした定信に対し、鬼卵は大坂と江戸の橋渡し役となる自由人であり続けようとした。鬼卵が店先で始めた昔語りは、やがて定信の半生をも照らし出し、大きな決意を促すのだった……。
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紙の本
粋
2024/02/26 16:13
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
その昔は「自由」って言葉すら、当たり前のものじゃなかったんだね。
鬼卵って書くのと、きらんって書くのじゃ印象全然違う。
さっぱりしてすっきりして読みやすくて面白くて、良かったです。
紙の本
江戸時代の文化人
2024/02/12 16:41
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
寛政の改革で名を遺した元老中松平定信と、自由と反骨で、幕政に束縛されることに抵抗した文化人・栗杖亭鬼卵との問答が、人が生きることと政治が行うことには、齟齬が生じやすいことがよく分かる。世の中に力を持つ者の恐ろしさは、持たざる者だけが知るのである。社会で共有すべき事実に大して関心を示さない人々に、政のほころびを示したのが江戸期の文化人かもしれない。