読割 50
電子書籍
人間そっくり(新潮文庫)
著者 安部公房
《こんにちは火星人》というラジオ番組の脚本家のところに、火星人と自称する男がやってくる。はたしてたんなる気違いなのか、それとも火星人そっくりの人間なのか、あるいは人間そっ...
人間そっくり(新潮文庫)
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人間そっくり 改版 (新潮文庫)
商品説明
《こんにちは火星人》というラジオ番組の脚本家のところに、火星人と自称する男がやってくる。はたしてたんなる気違いなのか、それとも火星人そっくりの人間なのか、あるいは人間そっくりの火星人なのか? 火星の土地を斡旋したり、男をモデルにした小説を書けとすすめたり、変転する男の弁舌にふりまわされ、脚本家はしだいに自分が何かわからなくなってゆく……。異色のSF長編。(解説・福島正実)
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紙の本
人間そっくり
2024/04/29 11:30
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
火星人のラジオドラマを書く脚本家のもとに、火星人を名乗る男が訪れる。男のことを狂人という妻を名乗る女の電話と、妻のほうが狂人という男。どちらの言い分が本当なのか、そして火星人という話は本当なのか、脚本家の否定する言葉を次々と潜り抜けていく男の話が面白かった。
紙の本
あなたは本当にあなたですか?
2002/02/06 17:48
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろぐう - この投稿者のレビュー一覧を見る
物語の中で経過する時間は、なんの変哲もない日常の、ほんの1時間ほどのこと。そのほとんどが、主人公と突然訪ねてきたヘンテコな男とのダイアローグ(対話)である。
「その奇妙な男は、ある晴れた五月の昼さがり、ミシンのセールスマンかなんぞのような、のどかな足取であらわれた。」という書き出しで始まるこのお話は、なんの疑いも持たずに過ごしてきた現実の世界や自分自身といったものが、いかにあやふやで不確実なものか、ということを気づかせてくれる。この世界は本当に自分が認識している通りの世界なのか? 自分は本当に自分が思っている通りの人間なのか?
第一級のエンターテイメントであると同時に、優れた文学作品でのみ味わえるような苦くも深い味わいの残る佳品。
紙の本
自己同一性の虚偽を告発
2001/10/02 01:59
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:呑如来 - この投稿者のレビュー一覧を見る
正常と異常の境界線が恣意的であることを端的に示している良書。自分が地球人だと当然のように認識していた語り手が、次第に精神の均衡を失っていく様子は自己同一性の曖昧さの言語化に成功している。こういう小説は、自分が自分であるということを不思議に思ったこともないような人よりは、安部公房と同じように神経症気味な人の方が強く共感できるかもしれない。
紙の本
人間そっくり
2001/09/21 16:20
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゲップ6号 - この投稿者のレビュー一覧を見る
SF小説である。自らを火星人と名乗る男が現れ、放送作家はその男に翻弄される。現実と寓話を混ぜたような安部公房独自の世界観が漂っている。結末は読んでからのお楽しみである。
紙の本
おもしろくない
2012/06/07 18:36
6人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:K・I - この投稿者のレビュー一覧を見る
非常につまらない小説。
「箱男」がなかなかおもしろなったので手に取ったが、
これは、はずれだった。
早川書房から単行本で出たようで、
SFなのだが、
ぼくはSFにはなんら興味がないし楽しめない。
火星人なんて全然リアリティーがないし、つまらない。
自己同一性に関することなら、
「箱男」のほうがずっとおもしろい。