読書好きは舞台好き
2024/07/06 21:51
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投稿者:ailin - この投稿者のレビュー一覧を見る
期待と共に読んだアンソロジー、やはり近藤史恵さんは群を抜いている、と実感!2.5次元という新しい舞台を取り上げていることも相まって、これだけでも買って良かったなという感じ。ただ最初にこれを読んでしまうと、どうしても他が……面白いんですけど、いやもう、どうしても。
再読の時は後ろから読みます!!
だいたい良かった
2024/04/21 10:45
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投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
ストレート・プレイって初めて聞いたけど、会話劇のことなのね。
この話は好きじゃなかったけど、それ以外はおもしろかった。
演じる人も観る人も、いろんな思いがあるんだなって。
思ってた「舞台」と違ってたけど
2024/08/06 15:27
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投稿者:touch - この投稿者のレビュー一覧を見る
私は観劇が趣味で、年間50本程度は観ている。
特にストレートプレイ(ミュージカルではない会話劇)が好きなのだが。
五人の作者による「舞台」を題材としたアンソロジー。
2.5次元を題材としたものが2本、バレエが1本、アマチュア劇団が1本、ミュージカルが1本という構成で、かなり偏っている。
アマチュア劇団の演目が一応ストレートプレイではあるが。
個人的には、小劇団モノとか不条理劇の解釈にまつわる侃侃諤諤とか、そんなものを期待していただけに少しがっかり。
そんな中、最初の近藤史恵氏の作品は良かったかな。
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【収録作品】近藤史恵 「ここにいるぼくら」/笹原千波 「宝石さがし」/白尾悠 「おかえり牛魔王」/雛倉さりえ「ダンス・デッサン」/乾ルカ 「モコさんというひと」
どれも舞台に引きつけられる人たちの話で悪意を持つ人が直接的には出てこないのがよかった。
演じるほうの覚悟も描かれていて、トップスターでないからこその葛藤と矜持がいい。トップスター側も、互いへのリスペクトと舞台への愛情が感じられる話ばかりで、これが現実ならいいのにね…… でも、舞台を見る側としては、そういう人間性を信じたいところもある。
「ここにいるぼくら」【2.5次元×俳優】メインキャラの一人が病気で無期限療養に入ることになり、代わりに2.5次元の舞台にでることになった琴平。2.5次元を知らなかったため、“キャス変”が、いかに大きな波紋を呼ぶか、気づかず引き受けたが、いつもと勝手が違い、なかなか舞台を自分のものにできないでいた。
「宝石さがし」【バレエダンサー×デザイナー】国際結婚し、義母の会社でデザイナーとして働く恵、その友人でバレエ教師のゆり、その娘で海外のバレエ団で挫折を経験したバレエダンサー美玖。美玖の日本での公演のため、恵が衣装をデザインすることになる。
「おかえり牛魔王」【派遣社員×アマチュア劇団】空気を読まず、定時で颯爽と職場から消える美しい派遣社員・桐ヶ谷。派遣社員のとりまとめ役となっている岩間は彼女の事情を知る。
「ダンス・デッサン」【ミュージカル×劇団員】劇団に所属し、日々ミュージカルの舞台に立つ瀬木。アンサンブルに満足していたが、名前のある役をすることになり、葛藤する。
「モコさんというひと」【2.5次元×観客】2.5次元の観劇を生きがいにする真美。モコさんという人とSNSで知り合ったが、コロナ禍を経て変わってしまったように感じる。
本筋とは関係ないが、「宝石さがし」で、美玖が選んだ曲が、ファニー・メンデルスゾーンのMelodie Op.4 No.2とあるのを見て、先日たまたまファニー・メンデルスゾーンの名前を耳にしたばかりだったので、不思議な感じを受けた。
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2.5次元、ミュージカル、バレエ、アマチュア劇団…とった舞台演目にまつわる五編を収録したアンソロジー。2.5次元舞台に抜擢された売れない中堅役者の葛藤を描く近藤史恵の作品は若干物足りなさはあるものの、抜群の安定感と言えよう。同じ2.5次元を題材に、演者ではなくファン同士のチケット売買をミステリーチックに描く乾ルカの作品は本書の変わり種。ラストにおけるとある人物のSNS投稿に思わず涙腺が緩む。他新鋭三名の作品は文体や世界観に馴染めず、尚且つ筋運びにまどろっこしさを感じる部分もあり、個人的には今ひとつだった。
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舞台をテーマにした5作の短編。
舞台を見る人なら、いろいろとわかる!と思うことあって楽しく読めると思う。
『ここにいるぼくら』
2.5次元舞台に出演することになった主人公。しかし、その役はシリーズもので、彼はいわゆるキャス変だった。
いやー、2.5のキャス変は私も経験あるからわかるなー。(見る側だよ、もちろん)演者側からの立場として読んでて面白かった。
『宝石さがし』
バレリーナと衣装デザイナーの話。
舞台の衣装って、いろいろなことを考えて作られているのと同時に、演者にとってはその役になるために、舞台に立つ上ですごく大切なんだなって感じた。2人の関係性がとても素敵だった。
『おかえり牛魔王』
本音を我慢している派遣社員の主人公と新しくやってきた空気を読まない派遣社員。新しく来た派遣社員はアマチュア劇団で指導をしていた。
その劇団にいる女の子がよかったなー。普段は大人しいけど舞台ではガラッと変わる感じ。演劇を通して本音で生きることの大切さを感じた。
『ダンス・デッサン』
役者の主人公はいつもアンサンブルで出演していた。ある日名のある役に抜擢されるが、自分でいいのかと葛藤する。
舞台は非日常。私も舞台を見て明日からも頑張ろうっていつも思う。
『モコさんというひと』
舞台を見る人なら一度は経験あるんじゃないかと思う、チケット譲渡。このお話はチケット譲渡で出会ったモコさんが最近SNSで推しについて投稿しないのを不思議に思っていた主人公が、再びモコさんからチケット譲渡してもらうことになった。
チケット譲渡って、基本はその一度きりの関係のことが多い。そんななかでモコさんのような人と出会えるって素敵だなと思った。
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舞台にかける役者たちの情熱が美しく微細に書かれて、芸術的な短編集だった。
個人的には2.5次元の裏話のようなエピソードが興味深かった。
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舞台をみるのは、好き。舞台に立つ人。みる人。支える人。いろいろな視点から見れて興味深く読んだ。舞台は同じ空間と時間を共有できて、あっという間に同じ世界につれていってくれる。舞台を見に行きたくなる。
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近藤史恵、笹原千波、白尾悠、雛倉さりえ、乾ルカによる舞台がキーのアンソロジー。
舞台といっても、バレエもあれば演劇もあり、演者も裏方も観客もいる。スポットの当て方が著者によってそれぞれで、舞台のいろんな面を知ることができて楽しめる。
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【日常の中にいる、クララとドロッセルマイヤー】
ミュージカル、2.5次元、バレエ、ストレート・プレイ……様々な舞台を題材に描かれた5編が収録された短編集である。
ただ、「華やかで遠く感じる『舞台』というその空間は、自分という役を生き、誰かの人生に思いを馳せる私たちにとって、意外に身近な場所なのかもしれません。」という扉に書いてある触れ込みって、読んでみたら結局、3編目の白尾悠「おかえり牛魔王」だけの話なんとちゃうのん?と感じた。
毎日定時で退社する、社内の人付き合いも忖度もへったくれもない後輩の派遣社員、桐ヶ谷を探るうちにその演劇の指導者しての並々ならぬ実力に触れ、自らも演劇に助けられた過去を思い起こす岩間。ガチの会社世界とガチの稽古場面がサンドウィッチで描かれた作品にこそ、「意外に身近な場所云々」という表現が似合う。この作品では、僕自身が数年前にバレエで演ったことがある「くるみ割り人形」が演劇として扱われているので、ちょっと気持ちが入ったし。
全体的には、「稽古」も「舞台」も華やかでも遠くもなく、日常の中にある(意外に、かどうかは知らんが)僕にとって、興味深い一冊だった。
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乾ルカさんの作品が載っているとのことで読んだが、少し物足りない内容だった。やっぱり長編がいいな、と思いました。
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2.5次元舞台の話が特に興味深い。見たことないので、勝手に若手イケメンが売りなのかと思ってたけど、キャラに寄せるスタッフさんや自分を出さずになりきるキャストや、ちゃんと見てくれるファンたちでいい舞台が作られてるのね。
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さまざまな舞台をテーマにしたアンソロジー。2.5次元舞台やバレエなど、正直言ってあまり馴染みのないジャンルではあるのだけれど、だからこそ興味深く読めた部分もありました。あるいは演じる立場からあるいは鑑賞する立場から、それぞれの舞台にかける熱意と魅力がいっぱいの一冊です。
お気に入りは乾ルカ「モコさんというひと」。かつて同じ舞台を鑑賞して親しくなったモコさん。しかし彼女のネット上の投稿は、かつてとまったく印象の違うものになってしまった。彼女は変わってしまったのか、彼女に何があったのか。謎をミステリタッチで描いた様にぐいぐい引き込まれます。そして好きなものに対する情熱の素敵さも印象的でした。
白尾悠「おかえり牛魔王」はなかなかにすっきりと胸のすくような気持になる作品でした。桐ヶ谷のような生き方に憧れるけれど、結局は岩間のように無難に振舞うのが楽なんでしょうね。とはいえときどきは本音を吐き出したくなるのかも。