カラー版 地図と愉しむ東京歴史散歩 都心の謎篇
著者 竹内正浩 著
戦前の地図では、皇居はほとんど空白地として描かれてきた。戦後の地図にも、不可解な地形が表示されている。わずかに残された地図と空中写真を手がかりに、皇居の建物・地形の変遷を...
カラー版 地図と愉しむ東京歴史散歩 都心の謎篇
商品説明
戦前の地図では、皇居はほとんど空白地として描かれてきた。戦後の地図にも、不可解な地形が表示されている。わずかに残された地図と空中写真を手がかりに、皇居の建物・地形の変遷を追う。さらに、二三区内にたくさんあった飛行場、開通しなかった新幹線の痕跡、東京駅の場所にかつて存在した刑務所、テニス・コートや学校に生まれ変わった射撃場など、東京に残る近代化の名残を新旧の地図とカラー写真で訪ねる好評第二弾。
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ほとんどの都民が知らない東京の歴史
2012/09/17 21:31
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
前回の続きで、今回は「都心の謎」篇というサブタイトルが付けられている。都心の謎とは何を意味しているか? 著者が選んだものは、皇居、お台場、東京駅周辺、新幹線計画、空港などである。どれも都民には馴染みがある。お台場などはしばらく前のウォーターフロント開発のブームまでは東京湾に浮かぶ単なる遺跡であり、だれも関心を持っていなかった。
これらを地図上で確認し、その歴史を紐解こうというのが本書の狙いである。皇居は機密事項なので一時は地図上から消え去ったことがあった。本書に掲載の戦前の地図は、皇居だけ建物の影も書かれず、真っ白であった。本書では皇居内の建物、遺構を記述している。中にはゴルフコースまであったそうである。爆撃に備えて防空室まで造られたとある。
お台場も古い軍事的な遺構である。東京湾の埋め立てとともに8つあった砲台、すなわちお台場はそのいくつかが陸地に併合されてしまった。著者はブラタモリよろしくそのお台場の遺構を探して東京湾岸を歩いている。
東京湾の埋め立てといえば、現在ある鉄道線路はその昔は海の中であった。埋め立てが進んだために現在は陸地となっている。東京駅は改修工事が終わり、間もなく創建当時の階数とドーム型の偉容が復活する。著者はここに東京駅が建設された歴史も丸の内と大手町と共に紐解いている。
続いて交通関係の遺構である。新幹線と飛行場が出てくる。新幹線もいくつかの計画があったようである。加えて、最近では成田新幹線という構想があった。盛んに私鉄やJRが成田や羽田への脚を競争して宣伝している。成田新幹線はいつの間にか消滅してしまった感があるが、新宿の地下に弾丸列車の遺構があることは知らなかった。
成田空港の生い立ちはそれほど古くはないし、あれだけの闘争があったので記憶に新しい。しかし、羽田の方は結構古いものだ。現状になるまでにはいくつかのプロセスがあったようで、それぞれのプロセスには現在もある遺構が伴っている。
こうやって本書を読んでいると、東京に住む私はまず皇居に行ってみたくなった。公開されているところも結構あるようだ。古地図や写真が掲載されているので、一層行ってみてこの目で確かめたくなるのである。手始めに三の丸尚蔵館にでも行ってみようか。
東京歩きのお供に!
2016/09/22 10:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:akira - この投稿者のレビュー一覧を見る
これまで何気なく歩いていた東京の街。
この本を読んで、いろいろなことが分かった。
街の景色の中に埋もれて隠れている歴史。
そんな背景を知ってから、あらためて街を歩けば、これまで見えていなかった新しい光景が見えてきそう。街歩きがますます楽しくなる1冊だと思う。