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投稿者:名無し - この投稿者のレビュー一覧を見る
別の素材で、たまたまカフカという人、彼がどんな作品を書いたのかを知り、一度、実際に見てみようと思って手に入れたが、表現もなかなか含蓄があって、思わず読み入ってしまった。
母国語で読んでみたかった
2024/10/15 09:49
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投稿者:kisuke - この投稿者のレビュー一覧を見る
予想通り、気の滅入るような短文の連続で、だんだん作者が気の毒になってきました。焼却してほしい、と友達に原稿を託した気持ちがわかるような気がします。
その一方で、カフカの母語であるドイツ語で読めたら、言葉の響きや美しさ等を感じられるのかもしれない、と思いました。
カフカはわからないが、断片で深みを増す
2024/06/09 21:16
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投稿者:ブラウン - この投稿者のレビュー一覧を見る
相変わらずカフカはよくわからない。変身を一度読んだきりだが、アフォリズム的なものと見てこの断片集を読む気になった。
やはり、よくわからない。筆者の剥き出しの感性で、延々と一人相撲めいた試行錯誤が繰り返されながら、ふと簡易で余韻の心地よい一文が現れる。どの断片もおおよそ後ろ向きなのだが、後ろ向きでありながらクルンと前向きに見せかけたりとネガティブ芸が達者で面白かったりする。
これだけ暗いと自分なんてまだまだだと思えてくるほどで、逆説的な癒しを感じさえもした。断片のカフカは侮りがたい。
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2024/6/9読了
抑圧されている者たちに対して、特権を持つ者たちは、その責任を果たすと言って配慮してみせるが、しかしその配慮こそ、特権を維持するためのものにほかならないのだ。
引用は、『八つ折り判ノートG』に記されていた〔特権を維持〕より。これを読んで、口を開けば「政治責任」がどうのこうのと言っている、今の政治屋共を連想するのは、僕だけではない筈だ。
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中に入りたい男に向かって門番が言う「俺は一番下っ端の門番で、これより門番はどんどん強くなる」という漫画でよくある台詞がカフカで読めるとは思わなかった。
あぁそういうことかと思わせる落ちと共に「法の前に」というこの作品が好きで印象に残った。
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「骨の痛み」・・・
痛みを感じるのは全て自分に原因があるから。何も変えようとしないのは、結局すべての元凶が自分だから。生きている限り、この痛みから逃れることはできない。
「人生を呪い」・・・
この世に生まれてこないことこそが最大の幸福である。世の中は絶望ばかりだ。幸福に生きれる人などほんのひと握り。残すは泥水すすり地べたを這いつくばる亡者のみ。この世に生まれないことこそがいちばんの幸せなのだ。
「せめて」・・・
どんなに願っても幸せになれない、穏やかに暮らせない。それならばいっそのこと静かに眠らせてほしい。
諦観の情。あきらめ。
「告白と嘘」・・・
人の本質は言葉では捉えられない。だから身の丈を言い表そうとするときには必ず嘘が混じる。つまり真実ではないということだ。そしてそれは告白でもある。合唱の中に何らかの真実が見いだせるのは、嘘が寄り集まりそれが真実へと近づいていくからだ。
「別のことばかりが頭に浮かぶ」
ときどき反省をしなければ本来の自分を見失ってしまう。同じ道を歩いていたと思っていてもぼんやり歩いていれば曲がるところを直進してしまいかねない。そして自分を見失ったが最期、2度と戻ってくることはない。
「コメント」・・・
社会から外れた人間が社会に追いつこうと懸命に生きようとする。でも独力ではどうにもいかず助けを求めるが、周りは無駄だと言わんばかりに彼を拒絶する。
「すべて無駄だった」・・・
頑張ってみたものの、結局なにもかも上手くいくことはなかった。全てやり切ったという清々しさと新たなスタートの決意をする。あるいは、全てが嫌になって…。
「うまくいかないこと」・・・
放置することも大事。
「教育とは」・・・
教育というよりマインドコントロール。
骨抜きにされた子どもとは?
まっさらな画用紙には何色で絵を描こうか。青でも赤でもいいな。そうだ、黒で塗りつぶすのはどうだろう。
「心を剣で突き刺されたとき」・・・
慣れてしまったか、感情を失ったか。
「善の星空」・・・
夜空があるから星は輝く。悪があるから善は光る。
「天の沈黙」・・・
天に願っても何もしてくれない無情さ。憐れみさえ与えてくれない木石のような天。何をしても無駄だという絶望感。
「自殺者」・・・
自殺者は自死を望む囚人。自殺者に自由はない。希望もない。せめて自死の自由を…。
「釘の先端を壁が感じるように」・・・
彼はこめかみに銃口を感じる。自分で突きつけているのか誰かに突きつけられているのか。誰かに突きつけられているなら、それを感じるはず。だが彼はそれを感じなかった。つまり銃を向けられて当然だと思っている。すなわち自分で自分に銃を向けている。
「秋の道」・・・
何が秋の道なのだろうか。人生?心?
「準備不足」・・・
曖昧な時代の中で何を準備すべきなのか。
「志願囚人」���・・
囚人でい続けたかったのか。自分は囚人ではないと気づくことができなかったのか。どっちだろう。
「死後の評価」・・・
人の評価は死んだ後に決まる。
【人は、死んだあとにはじめて、ひとりきりになったときにはじめて、その人らしく開花する】
【死とは、死者にとって、煙突掃除人の土曜の夜のようなもので、身体から煤を洗い落とすのだ】
*あとがき
【そんなふうに、意味のわからない言葉でも、読んでおくと、あとで何かあったときに思い出せる。そして、思い出せる言葉があると、自分に何が起きたのか、より理解できるし、こういう現実にぶつかったのは自分だけではないと、孤独にならずにすむ。そして、言葉にできないもやもやした思いを、言葉にしてもらえるのは、とても救われる場合がある】
言葉を持っていると、生きていく中で、パズルのピースとピースがカチッとハマったように、その言葉が現実に落とし込まれるときがある。そういう瞬間を大事にするために、ひとつひとつの言葉を大切に仕舞っておきたい。いつでも取り出せるように。
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わからない。彼は何を伝えたいのだろう。
そんな思いもありつつ、気づいたらどんどんと断片たちに吸い込まれていった。
たまに、わたしもわかる、と思う瞬間がやってきて、カフカと同じ気持ちになったようで、私の気持ちを文章にしてくれたようで、嬉しくなる。
実は今回初めてカフカに触れた。
正直にいうと今も難しい。わからない。
でもなぜか、彼をもっと知りたいと思ったし、
彼の言葉にもっと共感できる瞬間が来るのが待ち遠しいとも思った。
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カフカが書き残した物語のかけらなどを集めた断片集。ほとんどの断片が1頁におさまるものなので、毎日少しずつマイペースに読み進めました。わかるようなわからないような不思議な世界です。
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初めてカフカの文章に触れた。
どこまでも後ろ向きで、絶望や停滞、諦め、挫折などが散りばめられていた。
だからこそ、救いがあるのかも。
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装丁や中身はとても好きだと思ったが、帯の文言が個人的には好きではなかった。
短くもじんわりと残るフレーズが多く、素敵な作品群だった。
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カフカの『変身』を読んだだけでは、全てを理解することは出来なかったけど、解説に[この断片を読んでおくことによって、自分がそのような状態に立たされた時にカフカが道を教えてくれる]といった文章があって納得できた。
とりあえず今の自分に響いた断片メモを。
【自分のなかの部屋】【道は無限】【死後の評価】
自分の城の中にある、自分でもまだ知らない広間。それを開く鍵のような働きが、多くの本にはある。
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カフカオタクの著者によるカフカ断片セレクションという感じ。
読んでる感覚はちょっと詩に近いかも。その名のとおり断片なので読みやすかった。
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#カフカ断片集
#カフカ
#フランツカフカ
初めてのカフカなのに断片から
スタートするっていう謎ムーブ。
(初めてだから断片にしたけど)
物語の種、絶望の種、言葉の種、
って感じで割と好きだったな〜
種と聞くと、これから花が咲くってイメージが来ると思うんだけど、カフカは別に花を咲かせることを目的としてない感じ。
なんだか始まっていないから
終われないような胸のざわつきを
感じる言葉の端きれって感じで、
だからこそ想像が膨らむものが多い。
どこから来てどこに行くかも分からない
所在のない物語のカケラって感じが強くて、
夢見てるみたいだった…ドリームコアすぎる笑
夢ってあっちこっち行って結局よく分からなかったり、部分が抜け落ちていたりするじゃん、なのに何となく心にざらつきが残ってる感じ。あの感じが断片にあった
その中にもストレートに伝わってくる断片も沢山あったのが面白くて、未完だからこその無限の可能性ってのも分かる気がする。
カフカという人間自身に興味が湧いてくる。
解説もなかなか面白くてそういう見方をすると確かにそうだな〜って素直に思った。
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確かに未完成の断片ゆえの圧倒的な自由さと暴力的なまでのインパクトがあって、カフカにインスタントに魅了されたい人にはうってつけの本だと思います。
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短編ではなく断片。
数行のものから数ページのものまである。
だいたい不条理でシニカルだ。
そして、断片なので、そこから物語が展開していく訳でもオチがある訳でもない。
しかし、未完成の作品が多いカフカの作品としては、これが正しいカフカなのかもしれない。
断片がもやっと心に突き刺さるのだ。