一番の恋人 新着
著者 君嶋彼方(著者)
道沢一番という名前は、「何事にも一番になれるように」という父の願いで付けられた。重荷に感じたこともあったが、父には感謝している。「男らしく生きろ」という父の期待に応えるこ...
一番の恋人
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商品説明
道沢一番という名前は、「何事にも一番になれるように」という父の願いで付けられた。重荷に感じたこともあったが、父には感謝している。「男らしく生きろ」という父の期待に応えることで一番の人生はうまくいってきたからだ。しかし二年の交際を経て恋人の千凪にプロポーズしたところ、彼女の返事は「好きだけど、愛したことは一度もない」だった――。千凪はアロマンティック・アセクシャル(他人に恋愛感情も性的欲求も抱くことがない性質)で、長年、恋愛ができないが故に「普通」の人生を送れないことに悩み、もがいていたのだった。千凪への思いを捨てられない一番と、普通になりたい千凪。恋愛感情では結ばれない二人にとっての愛の形とは。
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マイノリティ
2024/05/30 12:01
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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
父親からの「男らしく生きろ」の言葉に囚われた男の恋人は、人を愛せないアセクシャルの女だった。「普通」を求めながらも違うところへ向かってしまう、思い通りにならないそれぞれの心と向き合う、多様性のひとつの形を描いた愛の物語。
性的マイノリティへのわかりやすい偏見と、わかりにくい理解を深堀りした作品。多様性をどこまで受け入れるのか、またカムアウトしないといけないのか。親、兄弟、恋人、友人、他人…色んな立場からの見え方と、理解への必要性を考えさせられた。
マイノリティを理解せずひたすら寄り添った感を出す半端なものが溢れてる中で、どちらに対しても意外とシビアに描いてる所に好感が持てた。時々深い柳瀬くんの言葉を借りると、強制するものではなく自然と動けるようにならない限りは、偏見と理解は対立し続けるのかな。
「病気」という言葉に反応したシーンが印象的で、PTSDからアセクシャルになった人は少なくないだろうに、同じマイノリティの中でもなんとも言えない違いのような、そういう意識がある事への驚きも感じた。その点は少し偏見?というか、生まれながらの人にしか寄り添ってない気がして少しモヤモヤとした。
性に限らず、あらゆるものに多種多様な形がある。型に嵌め込む前にコミュニケーションを取るという事を、頭の片隅に覚えておこうと思った。