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投稿者:S910 - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトル通り、本を読むのが苦手で避けてきた32歳の初めての読書体験とそれを唆して付き合う友人の実況読書web企画まとめ本。
web企画の時にものすごくインパクトある読書体験をしていて読み応えがあったので、書籍化も納得。
音読しないと頭に入らないっていうのがまず新鮮。
そして、一つ一つの提示される設定、情報をかみ砕いて感想を言いながら読み解いていくのがすごく丁寧で味わい深い。
こんなに丁寧に本読んでないわ。
そりゃぁこれだけ五感フルに使って本を読んでいたら疲れるだろうし、本を読むの大変って感じるだろうな、と思う。
文学作品以外に同じオモコロWEBライター雨穴氏がみくのしんさんのために書いてきた短編とその読書実況も掲載されていて、作者の真横で実況して、時折作者が解説するっていうすごい企画だった。
すごいとしか言えない。それと、あとがきも良い。
ずっと読書に付き合っているかまどさんの、みくのしんさんのすごすぎる読書に劣等感を抱きそうになるくだりや、本に正しい読み方なんてないという自分の言葉をくり返されて励まされるくだりが最高だと思う。
ぜひこの本、この企画はシリーズ化してほしい。楽しかった。
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本当に最高でした。涙が止まりません。
社会人になって全く本を読まなくなってしまっていたのですが、みくのしんさん・かまどさんのweb記事のおかげで「読書ってこんな風に読んでいいんだ」「読書ってこんな楽しいんだ」って思えました。だからこうやってまた大人になって本を読むようになりました。
言いたいことは山ほどあるけど、最後にひとつ。
みくのしんさん、最高の読書を見せてくれてありがとう。
かまどさん、彼に読書を勧めてくれてありがとう。
私はこれからも本と向き合って読んでいきます。
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笑って泣いた。
ゲーム実況があるんなら読書実況があってもいいよね。
オモコロwebで「走れメロス」を読む回を見てからみくのしんさんのファン。なんでそんなに他人のこと想像できて想えるんだ!とんでもなく心が綺麗だなあと思う。
「一房の葡萄」「杜子春」は初めて読んだけど、「走れメロス」しかり、昔の物語って今の映画や漫画のエンタメの土台になってる部分がかなり大きいと思った。
わたしもかまどさんに近い読み方で漢字を読めないまま飛ばしたり、意味を捉え間違えたまま、本を読むんだけど、それもたくさんの本に触れられるからいいよねって思う。むしろ読めない字が出てくる本にトライしててえらい。
生きてる間に好きな本にあと何冊出会えるかな。楽しみ。
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この本の前身、オモコロの記事を初めて読んだときに衝撃を受けた。音読しながら、たっぷり時間をかけて、一文字、一文に向き合う読書。こんな読み方はしたことが無い。読書に慣れている人は細かいところまで読まずに、全体で分かった気になっている人も多いだろう。私がそのタイプなので、大いに嫉妬したのだ。その解像度の高さ、自由な解釈、読むのではなく「映像で」広がる世界が、まるで落語の世界にいるような感覚だった。
この本は私にとって間違いなく2024年のベスト本だが、人を選ぶ本ではあると思う。ただ、今わかっていることは、名著の素晴らしい表現に気づかされたこと、読書は自由でいいんだということである。
この本には雨穴さんの短編が収録されている。ぜひ一度、みくのしんさんの「副音声」がない状態で読んで、自分の読む速度と、ひとつひとつ噛み締める読書との違いを体験してほしい。本当に自分の読み方がつまらなくて、羨ましくなるから。
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読書界はとんでもない逸材を手に入れたのかもしれない…。
良い読者、というものがあるかどうかわからないが、私には理想の読者像、というか、理想の読書体験みたいなのがある。
いままでぼんやりと理想像を思い描いていたのだが、その理想を具現化した存在が、この本の主人公、みくのしんである。
みくのしんは読書に苦手意識が高く、三十二歳までまともに本を読んでこなかった。
友人のかまどが、みくのしんに太宰治の『走れメロス』を読んでもらう企画を提案するまで…。
みくのしんは、とにかく全力で本を読む。一読入魂である。
一行に泣き、一行に笑う。
読書に慣れたひとが華麗にスルーしてしまう案件も、納得のいくまで、腹に落ちるまで、考えようとする。想像しようとする。
まさに(わたしの思ってた)理想の読者像、読書体験である。
そうだよな、本って、自分をまるごと放り込んで読んだほうが、楽しいし、記憶に残るよな、と、あらためて思った。
三十二歳、というところもミソ。
子どもが本を初めて読むのとはちがう、みくのしん自身の今まで培った人生経験、価値観が、読書体験を何倍も厚みのあるものにしている気がする。
読書ビギナーが、躓きやすいところもわかって新鮮。
みくのしんとかまどの気のおけない関係も、いいな。
太宰の本もみくのしんと出会えてよろこんでると思うよ。
Webサイト、オモコロの好評企画をよりすぐって掲載。
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どうやったらこんなに感受性が豊かで、丁寧に本を読む人間に「本は正しく読まなくちゃいけない」とか「読み飛ばしてはいけない」とか「違う読み方をしたら怒られる」とか思わせたまま大人になるまで放っておくことが出来るんだよ……!
なんか国語教育の良くない所というか、余裕のなさを感じてしまって悲しい。こんなに楽しく本を読める人に、本と出会う手伝いが出来ないのが今の教育……ッ!
今からでいいから文学とか小説とかじゃなく、絵本や児童書も読んで見てほしいし、文章目で追うのが苦手ならオーディオブックに触れてみてほしい。
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幼少期から読書が好きだった自分にとって、「本を読んだことのない32歳がはじめて本を読む」というのが気になりすぎて購入。
自分が本を読むときは、人物や情景が浮かび上がり、会話をして、場面が切り替わって...と映画を観ているような感覚だけど、こんなに一文一文噛み締めるように、理解しながら進んでいく読書もすごく素敵だと思った。
ちょっと読むのに体力がいる作品だったけど、出会えてよかった。
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本を読むのが苦手な人はもちろん、本が好きな人にもオススメしたい。
もともとネットの記事らしく、対談形式でサクサク読める。でも、読んでいる本は名作三本。読みやすい作品のチョイスだし、みくのしんさんがわからない言葉はかまどさんがサポートしてくれる。
一緒に名作を読んでいる気分にもなるし、本が苦手な人でも入りやすい。
本が好きな人は、飾らない読み方が新鮮になると思う。
少なくともわたしは自分を結構読書好きだと自惚れていたけど、一文ずつ大事に読むみきのしんさんの読み方が新鮮で…ますます本が読みたい!とワクワクもした。
「走れメロス」は何度も読んだけど、一つ一つの場面を噛み締めて読むと、こんなに一つの文にも感情がこもってたんだなと気付かされる。
とくに「杜子春」の読み方がすごくよかった…。
なんとなく感動したっていう感覚だけがあったんだけど、なんで感動できたのか、みくのしんが一生懸命に登場人物に向き合っていたからこそ、自分でも感動の正体に気づくことができた。
それと、四章の雨穴の書き下ろした作品のコメントがとても印象に残った。作品の力ももちろん凄いのだけど、読み手によって、こんなに作品って深みが出るんだなというのが伝わってきた。
あと四章は、作者と読者が同じ空間にいるのが面白いと思った。作品って作者だけでは完結しなくて、いい読者に出会うことで、完成するのかも知れない。
この本を読んでいると、自分はまだまだ浅かったんだなと思うんだけど、その気持ちをかまどさんが吐露しているのもよかった。
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お、面白かった!かまどさんのラストあとがきまで良かったです。
読み進めながら、鋭い感性でツッコむ!切り込む!舞台裏設定まで考える…こんな一文一文じっくり向き合うことってした事ないから新鮮だった。
読んでいる表情もいいなあ。読書をすごく楽しんでる!
これ何だ??に対して、かまどさんが解説で助けてくれるのありがたい。「竹馬の友」なんてスルーしてたもん…
p.88 かまどさんの「走れメロスの応援上映を見てるみたいだ」に納得。ほんとそれ。私たちはみくのしんさんの熱い応援上映を更に魅せられている。
長く付き合いのあるかまどさんだから、みくのしんさんの一つ一つの解説に納得できる回答が出せるんだろうな。
p.295のエミさんの手紙を読んでいる場面で、
みく: なんか・・手紙を読む以上、エミさんの気持ちを分かりたいと思って読み始めたんだけど、読むうちに、ここで簡単に共感したフリもできないと思ったんだよ。でも、「へ~。エミさんはそうだったんだ~」って流し読みできる手紙でもないじゃん。だから、どうすればいいのか分からなくて。
かま: みくのしんにとっては、「読む=共感する」だから、共感できない文章に出くわすと「読み方が分からない」という感覚になるんだね。
↑というやりとり。私ならサラッと読んで流しちゃう。1行ごとに中断して、奥の意味まで探るなんて出来ない…すごいなあ。時間はかかるけど、読書に対して興味と理解力は深まりそう。
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みくのしんさんが『走れメロス』を読んだ記事を拝読してその読書のあり方に大いに感動した時を追体験しているようでとても良かった。
はてしない物語の作中で主人公は小説の風景や匂い、手触りを現実かのように思い起こせると描写されているシーンがあった事を思い出した。みくのしんさんの読書はまさにそういうもので、読書に慣れて惰性で文字を追っている私からするとあまりにも羨ましく憧れる読み方で良いなと思った。
今をときめく大人気作家の雨穴さんが書下ろしを寄稿しているところも本書の大きな特徴なのだが、内容があまりにもみくのしんさんへのBIG LOVE過ぎて私が読んでいい作品なのか始終とまどってしまった。友達がもらったラブレターを横から読ませてもらってキャーキャー騒いでる気持ちになってしまいどこか気恥ずかしかった。
自分が原作の映画でエンドクレジットにわざわざ名前を載せるだけある愛の大きさで、私は自分の人生でこれほどまでに誰かに影響を与えた事があるのだろうかと思った。
後書きでもかまどさんがみくのしんさんに大きな感謝を伝えていて、いろいろな人から愛され慕われている素晴らしい人間性を持ったみくのしんさんだからこそ、こんな素敵な読み方をする事ができているのだろうなと合点がいった。
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一緒に読書をさせてもらえるという新しい体験。みくのしんさんの視点が面白く、丁寧に読んでいる姿勢が素敵でした。私は本が好きだけどここまで丁寧に向き合えていただろうか?と考えさせられました。久々に読書中、ふっと笑ってしまいました。とても面白かったです。
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感想
体験したことのない世界。自分の人生を生きているだけでは積めない経験。本はそんな世界を見せてくれる。少し目線が高くなる。楽しく気高く。
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WEB記事で読んでからみくのしんさんの大ファンになりました。この読書体験は凄すぎる。
私も本が読めるようになったのはほんとーについ最近。それに読めてもいい感想が全く思いつかない。自分の語彙力のせいなのか、表現不足のせいなのか、感受性の問題なのか。そんなことをウジウジ考えてしまうこともしばしば。
文章を書くのだって、好きだった。だけど上手く表現できなくてめっきり筆を折ってしまった。絵を描くことが好きだけど、それでも全然うまくかけなくて自分より上手い人はたくさんいて、文字なら誰でも私でも書けるから、ずっとワープロに向かって小説を書き綴った中学生時代。
一文一文にかける熱量、素晴らしい。
読む数ばかり気にしてしまうけれど、一つ一つを大切に読むことも大事だと教えてくれた。
もっと本を読みたい。そう思いました。
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話題になったオモコロでの記事を再編集・新録を収録した本。
みくのしんさんのような感受性で本を読めたら時間はかかり、体力は消耗するだろうけど、楽しいだろうなと思う。
一文、一単語を細かく読み、想像力を働かせて、その場面の情景や描かれていないカメラワークまで想像する。なんてすごいだろう。
そう羨む一方で、いや、みくのしんさんのように感受性豊かに読んでいない読書も立派な読書なんだと、パートナーで読書のガイド役のかまどさんがあとがきで書いており、一読書人として勇気をもらえる。
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オモコロ人気企画が単行本化。「え?本を読むだけでこんな感情爆発するの?」と心配になるくらいのリアクション。しかしこの体験、きっと誰もがしてる。初めての体験で驚いて楽しんで悲しむ、ジェットコースターのような読書がここにある。