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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ぼっちでコミュ症の大学生・恵介の元に届いた「人生をプロデュースします」という怪しいメール。AIを駆使した献身的なサポートに、人生に明るい兆しが表れ始めるが―――。ちょっとした思考の転換で人生が様変わりする恐ろしさを描いた、現今にピッタリなミステリ。
ストーリー展開がなんとなくわかってしまうような上澄みの部分を、それはそれは丁寧になぞらせておいて、ここぞというタイミングで底からかき混ぜられる。
これが共感性羞恥か、と思うような爆ぜそうになるリア充のやり取りが繰り広げられる恋愛ものとしての一面。思考の転換で生まれる人生のドラマを描いた啓発的な一面。小さな事からどんどん抜け出せなくなっていく、人間の心理を写した恐ろしいサスペンスの一面。一冊の中に局面によって180度違う顔が出てくる作品。
「口外禁止」だけに特に良かった点などの感想に書けない事が多いのが難点。とにかく伏線が凄まじい。エピローグ前の最後のアレが一番印象に残った伏線回収だった。思わず声が出てしまうくらいに「やられた」と感じた。
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話のスピード感も展開の仕方も程よく飽きさせることの無い作品だと思いました。
読んでいて最初の伏線がどんどん回収されていくのも面白い要素でしたし、現代に蔓延るセミナーやSNSのことにも触れている点でも今の時代の本を読んでいると思いました。
個人的には好きな作品でした!
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オチがある程度読めるミステリー。
AI社会への啓蒙か。
主人公は根暗な男子大学生。恋愛セミナーで六千円の本を買うほど。ある日メールが来て、AIの予言でワールドカップの結果を当てる。
何と三連続であたり、メールに返信する。指示に従うと、人生初の女友達が出来る。ミニスカの女友達が盗撮され、盗撮撃退youtuberと三人で仲良くなる。
盗撮犯は逃げたので、捕まえたいとなり、頑張って行動する。とはいえ、行動は全てイヤホンからのAIの指示で発言も行っている。
囮捜査してると、現れたので、とっちめるとなんと万華鏡でカメラは無い。こってりしぼられる。が、youtuberがハメられたという。探偵を雇って調べると、その男は盗撮だけじゃなくて売春も行っているとのこと。証拠を掴むために住居侵入をして隠し金庫にあった謎の箱を手に入れる。
その箱を開けるとダイヤが…ぱっと金庫を開けれたことなどを訝しむ主人公はyoutuberが知っててダイヤを盗んだと思う。AIからの指示は信頼できる男を派遣したのでダイヤを預けろ。youtuberがスンデのところで奪って三人で逃走。
三人とも、AIに操られていたことがわかる。そして共通項として、恋愛セミナー。押しかけて、騙して、警察に突き出した。
予言は、セミナー受講者にテキトーに送りまくって偶然当たった三人以外はデタラメに見える。
ーーーーー
余裕がある人間に幸福は訪れる》
言われてみれば、今の自分は少し心にゆとりが生まれた。落ち着いて周囲を眺められる。
《余裕のなさは周りに伝わるからね。余裕がない人間には誰しも近づきたくないものだよ。まずは自分が行動を変えよう。自分が変われば周りも変わる。周りが変われば自分も変わる。好循環だよ》
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彼女もいない友達もいない大学生がAIによって
人生をプロデュースしてもらうことになったが
いつの間にか犯罪に加担
SNS、AIの怖さ
悪意あるコメントをしている人は実はとても少ない
40万ぶんのいちとか
いつかAIによって人間がコントロールされ支配される時がくるかもしれない
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謎のメールから始まる物語。
最初のつかみは良くて、買ってその日のうちに読み終わりました。
残念なのは3人目の男が出てきたあたりから、オチが読めてしまった事。
女性が出て、仲良くなるところまでワクワクしてきたぞーって感じだったのですが、
だんだんつまらなく感じてきてしまう作品でした。
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発想が陳腐。
自分で積極的に動こうとしない若者が遠隔操作で指示され、その通りに動くと・・・
読みやすいのだが、重みがない。もっとも、軽くサクサク読める人向きなのだろう。
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面白かった。
まさに口外禁止がこの物語を幾重にもミステリーを積みあげる作品にしていた。
AIザムからのサポートでコミュ症の金崎恵介の生活は彼女もできて一変する。
そこに現れる社会制裁系配信者を名乗る奈良岡により物語は不穏な状況に向かっていき、ついには金崎は犯罪者となってしまうのだが…。
見事な逆転劇であり、読者も共に騙されたままで僅かなきっかけに立ち会った故に、この物語の結末におおいに納得し、作者の手練れに見事に乗せられてしまった。
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プロデュースされながらの恋の始まりのかけひきの場面などは面白くてこの後どうなるんだろうとわくわくしたが、奈良岡が登場した途端に無理な展開に力技でねじ曲げられた感があり残念。
ワールドカップの試合結果予想当て方も、アイデアを知っていたのですぐにわかってしまった(そこが肝じゃないかもですが)
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何が怖いって、近いうちに現実になるのではないかと思わされてしまったところ。
自分の人生、AIに振り回されるなんて…と思いながら読んでいたものの、最後にはこれってありえるかも…と思ったのだ。
結局、自分で考えて決めないと…と思わされたところが救い。
遠いところにあったがここ数年で随分身近なところまできている。
AIを活用するならいいけれど。、逆にならないようにしないと。
人間でないとできない、と思える何かを私たちが持っておかないとあっという間に乗っ取られてしまいそうだ。
スピード感もあり、テンポも良く一気に読まされて、読後にはゾクリ。
面白かった。
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人生をプロデュースされるってちょっと楽しそう。
読みやすかったのですぐに読み終わってしまった。
映画にありそうな展開。
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序盤、中盤、終盤、全てにおいて「俺は最初から全部わかってるぞ」と推理してましたが、違いましたねー。ふざけんなっ!!面白かったぜ
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久しぶりに下村作品らしい会心作でうれしい。かなりわざとらしいストーリで、途中からプロットが読めてしまうきらいはあるが、それでも著者の展開力の上手さで最後まで面白く読める。結局AIを騙る詐欺の類ではあるが、その弱みに付け込まれる主人公の成長が確りと描かれている。この詐欺の手口がAIによる指示通りというところに恐ろしさがある。
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SNS系の事件やミステリーの話は少々食傷気味なので、前半で挫折しそうになりつつ、後半では盛り返し読了。
ちょっとご都合主義的なミステリーでもあったが、それなりに楽しめたので良しとしよう。ただ、年齢的に受ける印象も違い、若い世代には受け入れやすいのかも。
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あなたの人生をプロデュースします! スーパーAIが最高の人生に導いてくれるというのだが #口外禁止
■あらすじ
人付き合いが苦手で陰キャの大学生、金崎の元に「あなたの人生、プロデュースします」といったメールが届く。
最新のAI技術で何もかもうまくいくといった怪しげな内容だったが、半信半疑で従ううちに、可愛い女性穂香との出会いが実現する。しかしある日、穂香が盗撮事件に巻き込まれてしまい…
■きっと読みたくなるレビュー
私も人生をプロデュースしてほしい、モテたい!
そんな不純な思いで手に取った一冊、まぁそんなウマイ話はないよね。
下村先生はいつもながらすさんだ人生観をえがくのがお上手、現代の不安定な部分に光をあてるプロですね。読みやすくテンポもいい、キャラクターも親しみ深く目に浮かぶようです。今回も楽しく読ませていただきました。
とくかく本書の至る所でSNSの罪について言及され、現代人がどれほど呪われているかよくわかるの。若かりし頃は何者でもない自分が不安で仕方がないんだよね。自分以外の全員が幸せに見えて、自分だけが不幸の中心にいるような気がしちゃうという病気。
怪しげなメールが送られてくるって、やたらリアリティがあって不気味だわー。そして物語の中盤に入ると世直し系ユーチューバーの奈良岡が登場、さらにキナ臭くなってくる。
ついには考えられない行動を起こしてしまうのですが… 端から見るとそんなアホなことするわけないでしょ、と思ってしまうのですが、たぶん本人たちは必死なんですよ。今や海外で高校生の少年が詐欺で捕まる時代、どんなことで有り得るから怖い。
本作の謎解き要素も気になるー! この人生プロデュースにはどんな背景があるのか、誰がプロデューサーなのか、そして金崎は幸せになれたのか… そう、AIは魔法使いじゃないんですよね。
AIは人間が細かく条件を指示してあげることで、初めて効果的な出力をしてくれるのです。物事を決めたり、人生を歩んでいくのは、ひとりひとりの人間であることを忘れないようにしたいと思いました。
■私と物語の対話
最後のページにある一文、肝に銘じなければいけませんね。
先日も高田馬場で痛ましい事件が起きました。被害者にはご冥福をお祈りしたい。当事者以外から見るとありえない関係性なんですが、きっと本人同士では成立していたんですよ。しかし徐々に軋轢が生まれ、その歪な関係性が崩壊する時がやってくる…
どっちが良いとか悪いとかではなく、悲しい。不幸な事件を少しでも減らしたい、ただそう願いたいです。
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ある日、「あなたの人生、プロデュースします。」というメールが届く。ただの迷惑メールかと思ったら…。この物語は、自分とは関係のない世界の話ではない。自分は巻き込まれないとは言いきれない恐さ。もしかしたら自分も…と思わされてしまうリアリティ。最後までハラハラし、とてもおもしろかった。