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料理人季蔵捕物控 みんなのレビュー

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みんなのレビュー49件

みんなの評価3.5

評価内訳

29 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本牡丹ずし

2022/12/26 09:23

七変化の義賊盗賊登場で新展開か。

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七変化の義賊盗賊登場で新展開か。極悪人を白日の下に晒すべく盗みを働く義賊登場。何しろ見知った人間にも見破られないほどの七変化。しかも、日本全国に配下を持ち、大名ほどの規模だという疾風小僧翔太。しかも、料理人季蔵に瓜二つという設定。今回は、烏谷すら翻弄されっぱなし。しかし、何故か疾風小僧翔太は季蔵に瑠璃回復の手掛かりを与えて去る。次回以降の新展開の予告か。あ、おき玖の妊娠が付録についてたな。

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紙の本うに勝負

2019/01/29 09:34

複雑な事件構成はなかなかだが、話を大きくし過ぎた結果、詰めが甘くなった感じ。

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複雑な事件構成はなかなかだが、話を大きくし過ぎた結果、詰めが甘くなった感じ。些細な事件の下手人が二転三転したり、判明した下手人が不審死したりするうちに、事件はどんどん深みに嵌っていき犯人が見えてこない以上に、事件の広がりや繋がりさえ見えてこない展開に引き込まれてしまった。しかし、話を大きくし過ぎた結果か、最後は解説風の種明かしでお仕舞。少々無理が祟ったという感じでした。魅力的な人物の新登場が無かったのも残念。

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紙の本江戸あわび

2017/12/11 10:54

今回も、四話を通じて一つの巨悪を暴く構成でした。

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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る

今回も、四話を通じて一つの巨悪を暴く構成でした。一話から三話までにも事件は起こるが、全体像が全く見えない。四話で一挙に謎解きがなされるが、今回の謎解きは単純だが巧く構成されていた。また、下手人が9名という大人数だったのは珍しい。何時も通り、料理に関しては微に入り細に入りで、一度は食べてみたいと思う華やかさでした。

第一話 骨董飯; アワビ料理を売り出したいと習いに来た、富助が殺される。調べが進み、どうも大奥との関連がありそうだという所で二話へ。                 3点
第二話 萩豆腐; 敵が大奥絡みとあっては迂闊に手を出せないので、富助の女房が犯人を見たという情報を瓦版を使って流す。田畑、松次、季蔵の3人は富助宅に張り込む。誘い出された下手人は、富助が恩人と敬っていた両替屋:井本敏五衛門だった。しかし、その犯行動機がどうにも不自然過ぎることに皆釈然としない。そんな折、渡り中間の要三が殺される。残された子猫の関連を辿り、猫屋・にゃん屋のお亜希に辿り着く。その猫屋で、要三が瑠璃に一目惚れして追い回していたことを知る。また、おき玖もその店の贔屓だった。     5点
第三話 おき玖飴; 一連の事件は「鮑玉(アワビの真珠)」の密取引に関連してるらしい。富助の女房・お笛が俄かに浮上。お笛は偽名で、実名はお紀美であり、乳飲み子は他人の子を金で借りてたと判明。何故そんな面倒なことをするのか謎だらけ。          4点
第四話 江戸あわび; 猫屋・にゃん屋のお亜希が「あわび宴」を企画し季蔵に依頼してくる。招待客は玉木藩江戸家老:根本剛右衛門ほか9名(180)。そして、宴の最中に根本が9カ所も刺された死体で発見される。ここで宴に頼んで列席していた南町奉行所同心・伊沢蔵之進の情報とを総合して遂に事の真相に辿り着く(236~239)。玉木藩江戸家老:根本と両替屋:井本敏五衛門は結託して「鮑玉」の抜け荷を行っており、そのことを告発しようとした家老・大矢一派を冤罪に陥れて皆殺しにしていた。今回の一連の事件は、その被害者たちと、お笛が考え出した敵討ちであり、「あわび宴」に顔を揃えた、猫屋・にゃん屋のお亜希、招待客7名、お笛の計9名全員の共謀であった。全てを知った南町奉行所同心・伊沢蔵之進は、北町奉行・烏谷椋十郎に直接報告し、直ぐにやって来た烏谷は盗賊の仕業と断定して、敢えて真犯人を究明せず不問に付す。見事な種明かしと、人情味溢れる裁きに拍手。    5点

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紙の本えんがわ尽くし

2017/04/27 10:41

事件としては良く練られており、なかなか事の真相が見えてこない面白さはあったが、様々な布石が活かしきられてない感じが惜しい。

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事件としては良く練られており、なかなか事の真相が見えてこない面白さはあったが、様々な布石が活かしきられてない感じが惜しい。現在の事件から昔の事件へと遡り、真の悪人に翻弄される共犯者たちという構図。結局、最初に殺された百合根売りの美女:清美はとばっちりを受けた感じなのが可愛そう。料理に関する記述は相変わらず興味深い。

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紙の本雛の鮨

2016/12/13 14:02

必殺仕事人の雰囲気です。料理の話と同時に楽しめるので、何しろ”一粒で二度美味しい“感じでお得感ありです。

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本シリーズは、387:『時そば 料理人季蔵捕物控 [6]』(時代小説文庫、2009年12月8日、角川春樹事務所)を読んで知った。気になって、第1作に戻って読み始めた次第。
 2冊目にしてこのシリーズの構成が見え始めた気がする。1冊が4つの小話に分かれており、その一つ一つに料理(食べ物)を推理する楽しみと、事件を解決する楽しみの2つが用意されていることである。その点では、387:『時そば 料理人季蔵捕物控 [6]』は、料理(食べ物)を推理する楽しみは4つあったが、事件は1冊を通して一つというある意味では異例な構成だったようである。 さて、“捕物”の方は余り謎めいた展開にはせず、一般庶民に近い“小悪“ではなく、奉行所でも手を付けにくい”巨悪“を料理人季蔵が始末していくという定型パターンであり、それを奉行である烏谷椋十郎が影から支えるという形で、必殺仕事人の雰囲気です。料理の話と同時に楽しめるので、何しろ”一粒で二度美味しい“感じでお得感ありです。

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紙の本夏おにぎり

2016/12/13 11:19

今回の事件は、さらりと流された感じでした。

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今回の事件は、さらりと流された感じでした。4人(武家の三・四男と町人2に)の悪と、岡野玄良という優秀な医師が事件の中心。息子を亡くして狂気に憑りつかれた富豪の妻が利用される。但し、医師・岡野玄良も実は悪4人組の中心人物に止むを得ない事情で操られていたのであり、悪事が露見するに及び、自分の非を恥じて悪4人組と対決して全員相打ちで果てるという都合の良い幕引きでした。さて、前作[27]で南町常町廻り同心・伊沢蔵之進と結婚してしまったおき玖は通いで手伝いに入っている。よって、替わりの新登場人物はまだ無し。
 一方、瑠璃の病状に変化有り。
 ところで、鰻の生き血が猛毒だったとは。

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紙の本恋しるこ

2016/12/12 11:19

なかなかの構成で、人情話もしっかりと加味した良い出来上がりでした。

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相変わらず料理の話も捕物の話も快調です。一話でアレって感じで肩透かしを食わされ、その後も本題に入らない、ちょっと手の混んだ捕物話。ムーーと思っていたら、四話で、巧みに冒頭の黒幕と関連付けて見せてくれました。なかなかの構成で、人情話もしっかりと加味した良い出来上がりでした。冒頭の一話でのアレって感じも一遍に吹き飛びました。

 一話目はあまりにもあっさりと犯人が分かってしまいアレ?って感じでした。
 二話では、一話の犯人の裏に黒幕がいるのでそれを探し出せと北町奉行・烏谷椋十郎から密命が下される。しかしその探索は殆ど進まないまま、15年前の女殺しとその時に残された赤子の話になる。季蔵の推理で女殺しの犯人は公儀介錯人であり、残された赤子は誘拐された老舗海苔店浅草屋の次男で、今は荒くれ者・五助となっていたが周りの尽力で松次親分預かりとなる。
 黒幕の探索が相変わらず進まないまま三話も単独の事件であるが、何と季蔵が料理を提供している場での事件であり、あわや季蔵が下手人にされそうな珍しい展開で、事件としても意外と手の混んだ話である。
 四話は、石川島の人足寄場で見つかった骸を巡る話。身元を明らかにして親族の元に返してやりたいという五助の依頼で身元を調べると、何と推測した人間は実は生きており、骸は別人のものであったことが判明。結局、別人を仕立てて逃げ出し、愛する女と隠遁生活を送っていたが、探し出されたため再び雲隠れしてしまう。しかし、これは一話の黒幕に辿り着く話の切っ掛けらしい。石川島の人足寄場の寄場頭・蛇の龍太郎の暴虐・悪徳ぶりに触れられる。やはりでした。P-240で、蛇の龍太郎がその後、卯吉と名を改めて口入屋・青葉屋の主に収まり、悪事を働いているという。そこへ、シロが久々に登場して、新たな骸を見つける。その骸を追っていくことで、蛇の龍太郎=卯吉が開業資金を奪った相手も判明。やっと、冒頭の黒幕が明かされるという結末でした。

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紙の本かぼちゃ小町

2016/12/12 10:40

主人公・季蔵が徐々に第三者的立場から、直接当事者的立場に変わってきているのが大きな変化かな。

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主人公・季蔵が徐々に第三者的立場から、直接当事者的立場に変わってきているのが大きな変化かな。これまでも季蔵にかなり近い人間が事件に巻き込まれ、それに絡んだ形の事件が結構あったが、今回は季蔵や瑠璃までもがその標的となり始める。事件(殺人)自体はそれ程多くはないが、事件の舞台が季蔵身辺に迫ったことで緊迫感がある。

 一話「あま干し柿」では何と、塩梅屋特性の「熟柿」盗難事件が発生。
 二話「秋すっぽん」では、一話で盗まれた「熟柿」の替わりに「あま干し柿」作りに挑戦する。ここで、南町奉行所同心伊沢蔵之進が登場。彼の義父の亡妻が残した「あま干し柿」の作り方記録を手本に作り始める。 <あま干し柿の作り方(P-60~65)>
 こんな感じで、柿を巡る話が続く中、突然、京料理屋・四季屋の主・徳次郎が殺害される。初め、主をも凌ぐ腕前の板前・柳三に嫌疑がかけられるが、元十手持ちだった身元保証人のお陰であっさりと放免される。こんな中、盗まれた「熟柿」が箱に入ったまま、瑠璃が匿われているお涼の元に送り付けられ、季蔵の身辺にも危険が及んでいることが示唆される。
 三話「かぼちゃ小町」では、二話で殺された徳次郎の下手人が、姉であり四季屋の女主であるお理彩らしいと季蔵が疑っている間に、番所に拘留され、そこで徳次郎殺害を自白する遺書を残して自害してしまう。これで一件落着と見えたが、間をおかず伊沢蔵之進から呼び出しがあり、10年前の「かぼちゃ小町殺し」事件(P-151~)について聞かされる。しかも、その事件は下手人の目星がついていたにも拘らず詮議不要とうやむやにされてしまったという。何かがおかしいと疑う伊沢蔵之進は、その後の幾つかの事件と関連付けて巨悪の存在を疑っている。
 四話「もみじ大根」では、伊沢蔵之進の懸念を裏付けるように、北町奉行・烏谷椋十郎が10年前の「かぼちゃ小町殺し」に関連すると思しき殺人事件8件のリストを提示する。(P-178)季蔵は意を決して、一連の事件の出発点と思しき10年前の「かぼちゃ小町殺し」事件の容疑者・金銀箔屋白金屋の竹右衛門に揺さぶりをかけるため岡っ引きに扮して乗り込むが、帰り道で忍びの者に襲われ危機に陥るが、季蔵に興味を持ち尾行していた伊沢蔵之進に助けられる。様々な状況把握が進む中、北町奉行・烏谷椋十郎からの情報が決め手となり、黒幕が昔は南町奉行職候補にもなった有力旗本で、隠居後は広大な屋敷に多くの忍びの者を抱えて「忍び屋敷」とも呼ばれる旗本・土屋兵衛が、忍びの者を使って悪事を働いていたことが判明する。手口は、大商人たちが競争相手を蹴落としたいと願っていることに目をつけ、何時までに競争相手が死ぬという賭けを仕掛け、そのとおりになった場合土屋兵衛が大金をせしめるというものである。当然、抱えている忍びの者を使って競争相手を消してしまうのだから賭けは必ず勝ち、大金が舞い込む訳である。しかし、このカラクリが判明した途端に、季蔵が旗本・土屋兵衛を成敗してあっけなく一件落着。余りのあっけなさにアレッて感じでした。

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紙の本瑠璃の水菓子

2016/12/11 10:29

今回の構成は今までとはちょっと違ってたように思える。以前にもあったことはあったが、小事件の方は一応の結末をみつつも、巨悪の方は次回に持ち越しのようでした。

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今回の構成は今までとはちょっと違ってたように思える。以前にもあったことはあったが、小事件の方は一応の結末をみつつも、巨悪の方は次回に持ち越しのようでした。しかも、平助(河童話を得意とする胡瓜売り)と弘吉(胡瓜の種苗を商う元武士)が絡む小事件の方も、犯人は分かっているのだが私利私欲や意図的な殺しでもないことから、季蔵は封印することにする。むしろあばずれ女・お連が絡む米問屋の事件の方が巨悪に繋がっているらしいのだが、そちらは次回持ち越しらしい。
なお、前回[23]で活躍した、南町奉行所所属の亀吉親分の飼い犬である「シロ」が全く消えてしまったのがかなり寂しいです。また、前々回[22]で自害を仄めかして去った料理侍・武藤も影すら伺えず、やはり自害してしまったのだろうか。かなり寂しい。
いずれにしろ、このシリーズ、料理を中心とした部分は和田はつ子主導だが、捕物を中心とした部分は他に筋書づくりの助っ人がいるように思えてきた。

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紙の本花見弁当

2016/12/11 00:10

今回は余り死人の数も多くなく、巨悪に辿り着くような凶悪犯罪ではないが、なかなか凝った作りで推理の楽しみは十分でした。

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今回は余り死人の数も多くなく、巨悪に辿り着くような凶悪犯罪ではないが、なかなか凝った作りで推理の楽しみは十分でした。一膳飯屋「塩梅屋」の隣家の「煮物屋」の娘・桃代が悪人・慎吉に良いように利用され、慎吉の両親の下手人の濡れ衣を着せられた上、自殺に見せ掛けられて殺されてしまうのはかなり可哀想過ぎたけど、まあこれまでの凶悪事件に較べたら事件としては小粒なほうでした。
 特記事項としては、南町奉行所所属の亀吉親分の飼い犬である「シロ」が登場してくる。この犬、亀吉親分の美食趣味を受け継ぎ、酒や食べ物の味をしっかりと評価するのだから凄い。本作の中でも、その嗅覚と味覚(美食趣味)とによって事件の重要な証拠を次々と見つけ出して教えてくれるのである。さて、亀吉親分は悪人・慎吉に殺されてしまうが、シロは南町奉行所筆頭与力・伊沢蔵之進に飼われることになる。料理侍・武藤がいなくなってちょっと寂しくなった穴埋めに、シロの活躍に期待したいところである。

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紙の本ゆず女房

2016/12/10 23:57

推理物としてもだんだんと手が込んできました。しかも、一話づつ小さな事件を積み上げて最後に大きな事件に結びつくという流れではなく、ほぼ一話ごとに完結するというスタイルも今まであまりなかったです。

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推理物としてもだんだんと手が込んできました。しかも、一話づつ小さな事件を積み上げて最後に大きな事件に結びつくという流れではなく、ほぼ一話ごとに完結するというスタイルも今まであまりなかったです。これまで気になっていた、[19] 『料理侍』から登場してきた武藤多聞の素性がやっと明かされる。
 第一話「冬どんぶり」は、若年性痴呆症(本作では25歳で発症としている)をネタにした事件を切っ掛けに殺人事件に係るという珍しい展開であり、殺人事件もあっけなく下手人が捕まってしまう。これまでの定番である、一話づつ小さな事件を積み上げて最後に大きな事件に結びつくという流れと少々異なっている。
 第二話「河豚毒食い」は、有力大名の馬鹿長男殺害事件であるが、これも完結してしまう。但し、この事件は何と下手人が[19] 『料理侍』から登場してきた武藤多聞という「よろず商い屋」を営む料理好きの浪人であり、どうも馬鹿長男を亡き者として優れモノの二男を跡継ぎに据えようという家長はじめ北町奉行・烏谷、配下の役人まで公認の殺しであったらしいと季蔵が気付く。そして状況から推して季蔵は、料理侍・武藤多聞が影の始末人らしいと気付く。
 三話「漬物長者」は、漬物屋主は実は別に所帯を持つ男で、更に煮物屋の男がその漬物屋主に成り変って漬物材料の仕入れを行っていたというすり替わりの話である。何故か、漬物屋主が失踪し、煮物屋の男が斬殺死体で見つかったことから話が結びついてくる。漬物屋主の秘密は分かるのだが、煮物屋の男が斬殺されなければならなかった理由が今一不鮮明である。ここでも、どうも下手人は料理侍・武藤多聞らしい。
 四話「ゆず女房」は、若い美女を攫っては「下卑証文」でしばりつけて、異常性欲者の玩具として提供する裏稼業で稼ぐ悪徳商人・錦堂との戦いであるが、これに絡む暗殺の下手人にが料理侍・武藤多聞なのである。どうもこの辺の事情は北町奉行・烏谷も掴んでいたらしく、季蔵にその証拠を掴み料理侍・武藤多聞を始末するように命じる。そんな矢先、2人は裏稼業で稼ぐ悪徳商人・錦堂からの5人の刺客に襲われ、力を合わせて相手を倒しその確証も得る。やがて、悪徳商人・錦堂を成敗して数多くの「下卑証文」を奪い返した料理侍・武藤多聞からの手紙で「白紙掛」(P-264)であったと明かされる。同じ手紙の中で、人知れずどこの誰とも分からないように自害するらしいことがほのめかされるが、多分、何処かで生き続けるのではと期待しているのだが・・・・・・・。

雪菜(ゆきな、P-145)
アブラナ科アブラナ属の野菜、セツリコ(シュエリーホン・雪裡紅とも、カラシナの変種)の、高菜漬に似た漬物。中華料理に用いる。山形県米沢の雪菜;冬の野菜不足の対策として上杉鷹山の時代から栽培されている。「ふすべ漬け」や、郷土料理「冷や汁」に入れて食べる。8月下旬頃に種をまき、11月中旬以降に土から抜き束にして地面に立てる。雪が降った後に「雪室」の中に保存すると糖分が集まり美味しくなる。

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紙の本蓮美人

2016/12/10 23:46

相変わらず手の混んだ推理物に仕上がってます。

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相変わらず手の混んだ推理物に仕上がってます。
 一話では、海産物問屋・木曽屋の主人の妻が盗人に殺されるが未解決のまま二話へ。今度は、廻船問屋・土佐屋の女隠居が殺される。どちらの主も入り婿という共通点がある。海産物問屋・土佐屋が犯人と推測した季蔵の提言により、奉行も含めて罠を仕掛けるが、何と今度はその土佐屋が殺されてしまう。何と何とである。
 三話では、北町奉行・烏谷とお涼との関係が語られ(P-129~130)、お涼との関係で南町筆頭与力・伊沢真右衛門との関係も語られる。ところが、どう見ても悪人には思えないこの南町筆頭与力・伊沢真右衛門が自害に見せ掛けて殺されてしまうのである。混沌としたまま四話へ突入。結局、黒幕に操られた小物下手人が何人か絡むが、真の黒幕は北町奉行所と南町奉行所との親睦のために開催された食事会の参加者の一人ある、南町町人・大手廻船問屋・大前屋吉三郎だったのである。元々は、木曽屋―土佐屋―大前屋で抜け荷をやっていたのだが、お上の探索にあって危ない奴や邪魔な奴から消していった結果であり、その過程で真相に迫っていた南町筆頭与力・伊沢真右衛門も殺されてしまったのである。不正は、取り方役人の世界をもしっかりと蝕んでいたのである。

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紙の本おやこ豆

2016/12/10 23:45

今回は2度にわたって、糸を使った仕掛け矢で季蔵が狙われるが、その犯人は不明のままである。気になるね。

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一話では、富豪の妾が正妻の一人息子殺害の罪で捕えられるが、何のことはない“小麦アレルギー”による死亡であることを季蔵が明らかにして一件落着。
 さて、二話では訳あって芸妓となった武家の娘・さと香が塩梅屋に出入りし始める。そんな折、三一侍・古田大膳(さんぴんさむらい;「1年間の扶持が3両1分であったところから」江戸時代、身分の低い武士を卑しんだ呼称)が岩に頭をぶつけて死亡し、当初は事故死として処理されるが、諸般の事情で調べ直したところ殺人事件と判明。その下手人として、芸妓・さと香の父親である萩谷正文が疑われる。しかし、真相は“おたみ”という娘にしつこく付き纏う三一侍・古田大膳を振り払った拍子に岩に頭をぶつけて死んだ“事故死”なのだが、お上はそうは見ず“おたみ”が窮地に陥ると判断した萩谷正文が証拠を偽装して身代わりとなっったのである。その萩谷は番屋で卒中のため急死してしまい、真相を知る季蔵らも“おたみ”のために口をつぐんで事件は終息する。
 ところが、四話では、これからを期待していた美人芸妓・さと香が殺されてしまうのである。アリャーー。下手人として、当然さと香に吸い付いていたダニ・玉助であるが、私はそうも伍助が怪しいと睨んだのだが、何と玉助も伍助も相次いであっさりと殺されてしまう。推理をことごとく外されてエーーッって感じの所に、突然女衒の・・・・が登場して、美人芸妓・さと香や“おたみ”の母親まで巻き込んだ裏稼業絡みだったという結末であっさりと幕切れでした。推理物としては先が全く読めず楽しめましたが、何となく後出しじゃんけんみたいな気もしました。
 ところで、今回は2度にわたって、糸を使った仕掛け矢で季蔵が狙われるが、その犯人は不明のままである。気になるね。

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紙の本料理侍

2016/12/10 23:43

本作では、武藤多聞という「よろず商い屋」を営む料理好きの浪人が新登場である。

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本作では、武藤多聞という「よろず商い屋」を営む料理好きの浪人が新登場である。
第一話「料理侍」では、この如何にも訳ありの心優しい浪人が危うく殺人事件の下手人に仕立て上げられそうになるが、季蔵の機転で難を逃れ、事件自体も本星が捕まりあっさりと解決でした。
 しかし、第二話では、売れっ子戯作者・比見丹久から花見重の依頼を受けた季蔵が届けに行くと、途中で何故か同じ依頼を受けたという武藤多聞と出合う。何故、有名料理屋でない2人に依頼したのかと不思議に思いながら比見丹久宅に着くと、そこは夫婦が殺害されたばかりの修羅場であった。どうもこの展開は、武藤多聞を陥れようとする陰謀のように思われてくる。推理物としては実に美味しい筋書きであると思いきや、季蔵の機転で難を逃れた武藤多聞は、三話以降では料理の関係では継続して登場するが、事件とは殆ど関係しなかった。むー、役割が若干不明。
三話以降では骨董品屋中心にした事件が頻発し、やがて幕府の宴お道具役・本田主膳も絡んだ事件となり、偶発的な事件とも絡み合い骨董品屋(宝飾品の意味合いが大きい)業界の捕物となっている。

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紙の本冬うどん

2016/12/09 09:44

捕物ものとしては良く出来た展開と言って良いと思う。

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大店の主を拉致して殺害する、誘拐・殺人事件が2件連続し、2つの事件が同一犯でかつ女性によるものであること示唆する証拠が意図的に残されるという、直球勝負の事件物語の構成でした。しかも、前作辺りから北町奉行・烏谷椋十郎も立場上、完璧な「勧善懲悪」を貫けない悩みを抱いていることが描かれており、ある時には悪事を知りつつも目をつぶらざるを得ない事情にも触れられてきた。今回は、連続誘拐・殺人事件の容疑者が、北町奉行・烏谷椋十郎の幼馴染で更に一時は妻にまでしたいと思っていた元水商売の女・田鶴代という実に微妙な設定である。実際、烏谷は田鶴代を愛妾のように伴って演劇鑑賞などに熱をあげるのだから読んでる方は不安でたまらない。しかし、事件の謎解きは、何とも犯人が別であるという意外な結末で終わりをつげ、烏谷が田鶴代を伴って歩いていたのも冤罪でしょっ引かれることから守るためであったことを伺わせる結末が用意されている。捕物ものとしては良く出来た展開と言って良いと思う。

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