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慶次郎縁側日記 みんなのレビュー

  • 北原亞以子
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みんなのレビュー5件

みんなの評価4.1

評価内訳

  • 星 5 (0件)
  • 星 4 (3件)
  • 星 3 (2件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
3 件中 1 件~ 3 件を表示

紙の本

2006/09/03 20:44

リアルがここにある

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:よし - この投稿者のレビュー一覧を見る

娘お千代は暴漢に襲われ自害。定町見廻同心、森口慶次郎は下手人を追い詰める。しかし岡っ引き辰吉は必死で食い止めるために奔走。迫真の第1話から、隠居した慶次郎をめぐる連作短編集。
このシリーズのプロローグともいえる「その夜の雪」から始まり「律義者」「似たものどうし」「傷」「春の出来事」「腰痛の妙薬」「片付け上手」「座右の銘」「早春の歌」「似ている女」「饅頭の皮」を修める短編集。
なんといっても森口慶次郎よりも脇を固める人たちが実に良い。岡っ引きの吉次、かっての腹心辰吉、飯炊きの佐七、養子の晃之助。「早春の歌」の若者達。もっともっと今後、登場人物が増えてきそう。
最も個性的であるのは吉次。この男、女房には逃げられ、その生活はだらしないの一言。今は妹夫婦に世話になっているが、その部屋は実に汚い。まさに足の踏み場のないような状態。正義も皆無。強請をするなど、本当に荒んでいます。そんな吉次が「似たものどうし」で出会った源太に自分の生い立ちと重ね合わせ、事件を解決していきます。
「早春の歌」の森口慶次郎と出会った若者達。次男であるがゆえ、家督もつげず、もって行き場のない怒りを慶次郎が温かく見守っていきます。慶次郎は「下手人を探すよりも、下手人を作らないよう」にするのが、モットー。そんな慶次郎の優しさに惹かれる女達。どれも一癖もある。そして三千代と結婚するはずだった養子の晃之助。いいんですよねー本当に。
時代小説特有のほのぼの感は、ほとんど無いに等しい。それぞれの人が苦悩しています。解説の北上次郎氏も言っていますが、行き場のない感情を誰もが持っています。つまり、この時代小説は私たちのリアルなのです。
現代を生きる私たちもきっとこの小説のどこかにいます。

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紙の本再会

2006/12/18 21:35

江戸の色、音、香りが漂ってくる

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:よし - この投稿者のレビュー一覧を見る

十数年ぶりに昔の女に出会う岡っ引きの辰吉。ついつい、手を貸したたために事件に巻き込まれる。7年ぶりの女との再会は、また雨。慶次郎とおしんの再会。蝮の吉次にも女房がいた。その女房との再会はとんでもない運命に。三者三様の再会を描いた表題作を初めとした、慶次郎シリーズの第2作。
第1作「傷」で描かれているのは、「江戸を舞台にした現代の投影」今回の作品もその色は濃いものとなっていますが、事件に関わる男と女の悲哀を、まるでドラマを見るような筆致で書いています。
本当に上手い。
「再会」三部作は当然のことながら、特にわたしが唸ったのは「八百屋お七」と「花の露」。色彩、音、香りが漂ってくるのです。
「八百屋お七」の雨漏りを受けて愛する男と会話するシーン。音が漂います。
「花の露」で夕立の中、彦七を待つ卯之吉。雷の音と夕立の後の清清しい香り。そして大事な人を待っている卯之吉の言葉。「俺……、思っていたより、いい人に出会ってるんだ…」この言葉と映像が重なってしまうのです。
結末も決していいものだけではありません。何かしら考えさせられるもの、心に残るもの、これからを暗示させるものと様々。まさにドラマ仕立ての作品になっています。そういえばドラマの方は終わってしまったようですが。
前作の登場人物のほとんどが何かしらの事件に関わり、再会ではそのエピソードが語られます。再会三での蝮の吉次の運命の皮肉さに呆然としてしまいます。しかし、吉次らしいといえばらしい。
周りの人たちを丹念に描き、主人公であるはずの森口慶次郎を脇に置く。何と巧妙なのでしょう。作品自体をどんどん奥行きのあるものにしていきます。だからシリーズ化できるのでしょうね。
ともあれ、この作者の描く江戸の色彩と音と香りが漂うこのシリーズにはまりました。いやー、本当に上手い。

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紙の本

2004/09/12 22:53

ドラマと原作の違いを味わって読むのも読書の楽しみである。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:トラキチ - この投稿者のレビュー一覧を見る

ドラマ化とともに再々読してみた。
時代小説を読むと自分の人生の経験不足が良くわかる。
何回読み返しても味わい深い所以であろう。
本作は直木賞作家、北原亞以子さんの言わずと知れた看板シリーズの第1作である。
宇江佐真理さんの『髪結い伊三次シリーズ』と比較してみるとどうしても主人公慶次郎の落着きが目につく。
伊三次シリーズでは主人公の言動に読者も一喜一憂する楽しみがあるのであるが、本作はいささか地味目である。
宇江佐さんの作品ほど登場人物が生き生きと描かれてないような気もするが、反面、リアルというか身につまされる点では本作に軍配を上げたい。

なんと言っても初っ端の「その夜の雪」が印象的である。

苦髪楽爪とはよく言ったものだと、森口慶次郎は思った。
苦労している時には髪がのび、楽をしている時には爪がのびるという意味だそうだが、娘の三千代が聞いたなら、「父上様のお髪はもう、苦労なさってものびません」と、可愛い憎まれ口をきくだろう。
髪はのびなくとも、世の中は平穏無事がいい。無事だからこそ、陽当りのいい縁側で、背を丸くしていられる。

悪者に凌辱され自害することになった愛娘・三千代を亡くした悲しみと怒りが大爆発するのであるが、読者にとっては度肝を抜くような印象的な作品である。
まさに“仏の慶次郎”じゃないのである。
世にこれ以上の悲しみがないからこそ、達観振りが際立って行くのであろう。

私的にはこの編が好評だっただけにシリーズ化となったような気がする。

2編目以降は、根岸にて隠居生活をする慶次郎であるがかつての元南町奉行所同心時代をも彷彿させつつも、やはり落着きと言うか人生を達観した姿勢が目につく。

どちらかと言えば慶次郎が脇役で登場する編の方が読み応えがあると思うのは私だけであろうか。

今に生きる私たちも彼らの真っ直ぐに生きている姿から何かを学び取らなければならない。
いろんなエピソードが満載の1冊なのであるが、とりわけ吉次の人間臭さはやはり慶次郎にはない魅力を持ち合わせている。
彼が主役を務める「似たものどうし」はとっても強烈な作品である。
きっと胸を締め付けられた方も多いはずであろう。

今後どのように彼(吉次)が成長し、変化して行くかが個人的には本シリーズの評価を左右する1番の要因となるような気がする。

物語はまだ序盤である。
慶次郎の出番が少ないほど物語は白熱するのかもしれないな。
これから連作シリーズをじっくりと味わいたい。

トラキチのブックレビュー

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