長い橋 みんなのレビュー
- 水上勉
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電子書籍長い橋(下)(新潮文庫)
2016/10/14 01:01
水上氏ならではの小説
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投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
主婦保護観察司が無垢で性善説に則りすぎているのが、白々しくてあまり好きになれなかったが、面倒みている少女「すみれ」がある事件の逃亡犯の男と一緒に逃げ回っている、なんとか見つけなくちゃ!とやっきになり、彼女の足取りを懸命に追い回しているうちに、主婦自身の「奥様ベール」がはげ落ち貫禄がついてきたのがよかった。すみれは罪を重ねたことにはなるけれど、その意志こそ純真なのだとした終り方も見事。田舎の因習が事件の発端でもあるのだと、大逃亡劇の裏側で忌まわしき因習の撲滅を願う良書。北陸寒村育ちの水上氏ならではの着眼点。
電子書籍長い橋(上)(新潮文庫)
2016/10/07 18:37
時代かわれど、、
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投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
主婦の保護観察司とそのもとへやってきた17歳の少女「すみれ」。主婦はありったけの善良で彼女を更正させようと臨むが、たった数週間で出奔してしまう。彼女はどこへ行ってしまったのか。同時期、オートバイがトラックに追突され男女が死んでしまう事件が起こる。犯人ではないかとされている男と、すみれの関係が取りざたされ警察は二人が一緒に逃げていると考える。保護観察司があくまでも人間の愛ですみれを追うならば、警察は犯罪への鋭い牙をむきながら彼らの足取りを追求していく。家出少女や犯罪の背景、問題はどの時代でも同じである。
紙の本長い橋 上巻
2000/09/13 23:24
少女の成長をこまやかに書いてあります
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投稿者:sasapy - この投稿者のレビュー一覧を見る
人間が成長する過程は大きな川に長い橋をかける過程と大変似ているのだ、と書かれていました。
主人公の少女は非行のために入れられた、矯正施設を出て、保護観察司のもとで生活することになりました。
そしてだんだんと素直な心を取り戻して行った少女を待っていたのは以前の仲間であり、矯正施設時代に支えとなってくれた男との逃亡でした。
読んで行くと、少女の育ってきた環境に愕然とし、それでも人を愛することを忘れずに、その人を守ろうと一生懸命に進むべき道を探す姿に心打たれます。
少女は、自分のためと愛した男のための長い橋を架けることで大きな成長を遂げたと思います。
本屋さんではあまり見かけなくなってしまった本ですがとてもすばらしい内容でした。
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