珈琲屋の人々 みんなのレビュー
- 池永陽(著), 池永陽 (著)
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紙の本珈琲屋の人々 1
2013/08/04 22:07
物語の雰囲気が喫茶店の時代を思い出させる
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
珈琲屋とは勿論喫茶店のことである。本編は喫茶店に集まる街の人々の私生活を描くオムニバス短編小説である。登場人物はそれこそこの喫茶店がある商店街の人々が中心のようだ。若い人は少ないので、それぞれが人生を歩んできた様々なしがらみを持っている。
否、若くても悩みはある。自分自身を考える場所なのかもしれない。
喫茶店という業態は最近あまり目にしなくなった。その代わりチェーンの喫茶店が繁盛し始めた。といってもコーヒーを主力商品として客にサービスするという点ではほとんど変わりはない。価格も割安だから繁盛するのだろか。割安には理由がある。ウェイトレスがテーブルまで注文を取りに来て、コーヒーを運んでくれるのは従来型である。最近はすべてセルフサービスになってしまった。しかし、来店する客は何を求めているのかを煎じ詰めればこういうことになるのだろう。
喫茶店とは上記のとおり、休憩を取りに客が寄ってくるところであろう。本編は『珈琲屋』という名の喫茶店に出入りする人々の小説である。7編から成る連作短編である。商店街は総武線沿線としか書かれていない。最初は『珈琲屋』の主人の話である。2作、3作となるに従って、商店街の色々な人がそれぞれの話を展開していく。
随分悩み多き商店街のようだ。単なる勤め人は出てこない。悩みがないというよりは、小説としては面白くないのかもしれない。高齢者のグループも登場する。如何にも喫茶店に集まる人々に相応しい多彩さである。中には一貫して登場する人物もいる。もちろん、『珈琲屋』の主人ではない。その主人の幼馴染である。これで面白くないわけがない。
飽きも来ないし、変化もある。時代や社会での出来事を反映した場面もある。読後に続編が読みたいという欲求ができたが、文庫本の腰巻に続編の宣伝が載っていた。登場人物は当然同じようである。『珈琲屋の人々』シリーズ最新作と出ていた。シリーズになっているとは知らなかった。次も期待したいものだ。
2015/07/04 23:33
切ない…
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:藤枝 雅 - この投稿者のレビュー一覧を見る
前科のある喫茶店「珈琲屋」のマスター行介のもとを訪れる人々の物語が詰まった短編集。
皆行介の前科を知っていて、そこに救いを求めてやってくる。彼らは皆、1人では抱えきれないほどの辛い日々を過ごしていた。
そしてメインは行介のかつての恋人冬子との不器用で切ない恋である。2人は、互いに強く相手を思っていながら、行介が自分の過去に縛られているために幸せになることができないと考え、結ばれずにいる。これほどまで純粋に、報われない相手を思い続けることがあるのだろうか…言葉にすれば安っぽいが、まさに純愛であろう。
人生の不条理、壁に突き当たり、絶望している人たちにこそ読んでほしい作品である。
ただ、出てくる人びとの抱えているものが、かなり似通っていることは気になる。その点はもう少しバリエーションがあっても良かったと思うのだが…
それでも、読む価値のある作品である。
紙の本珈琲屋の人々 1
2012/12/04 22:06
いい感じです
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kumisou - この投稿者のレビュー一覧を見る
久しぶりに時代物でないのを読みました。みんないろいろ抱えているのを感じられた本でした。
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