ブラック・ハート みんなのレビュー
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紙の本ブラック・ハート 下
2015/11/22 07:30
3作目にしてミステリとしても優れた作品に!
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投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ボッシュシリーズ3作目。
こちら原題は『コンクリート・ブロンド』ですが、邦題は『ブラック~』で統一することに決めたのかな?、の迷いがうかがえるタイトルです(ちなみに4作目は『ラスト・コヨーテ』と原題通りになっております。路線修正?)。
1作目から語られ続けた、「ボッシュがエリート街道から転落し、ハリウッド署殺人課に都落ちした『ドールメーカー事件』」の詳細が、犯人(とされた)男の妻がボッシュを訴えるという形で裁判で明らかに。 が、そのさなかに『ドールメーカー事件』と同じ手口の被害者が発見され、ボッシュが射殺した犯人は真犯人ではなかったのか?、という疑惑が浮上(ブロンド美女がコンクリート詰めにされた遺体で発見されるため、『ドールメーカー事件』以後は『コンクリート・ブロンド事件』と総称)。
しかし捜査を進めるにつれ、もっと恐ろしい真実が浮かび上がってくる・・・。
わりと早めにボッシュは模倣犯を特定するんだけど、「いやいや、その人違うって! もっとあやしいやついるじゃん!」と言いたくなって仕方がない。
まぁ、事件は事件でいいんですけど(ここでも被害者は運の悪かった女性ばかり)、捜査過程でボッシュは一匹狼でいることのマイナス点と、うまくやれば組織は使えると感じるプラス面と両方に向き合うことになり、ちょっと進歩?
まぁそれでも裏切られたりするし、けれど許すことで自分の気持ちが楽になることにも気づき、ちょっと合理主義にも足を踏み入れかねないところまできたかも。
なるほど、このシリーズはハリー・ボッシュが様々な年代で受けてきたトラウマをちょっとずつでも自己に向き合わせ、再生を志そうという試みなんだろうか。 でも、仕事が殺人課ってのがかなり荒療治な気がしますが。
そして毎度毎度ハリーが恋に落ちる女性は、自分に似た孤独の影を背負ってる人。
長続きするわけないじゃん!、な組み合わせは、あえて毎回別の女性と出会わせようというハードボイルドジャンルのお約束のためなのかしらん(このへんがあたしがハードボイルドに納得できない理由かも)。
が、三作目にして「意外な犯人!」に力を入れてきた感あり!
この先、是非ミステリとして楽しみたいなぁ。それならばまぁ、ボッシュの苦悩にも付き合ってあげてもよい( ← 何故上から目線だ・・・)。
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