アイス・ハント みんなのレビュー
- [著]ジェームズ・ロリンズ, [訳]遠藤宏昭
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紙の本アイス・ハント 下
2016/11/10 12:26
物語の展開は正に意外・意外。一般的アクション物とは一線を画する。
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
さて下巻では重大な秘密が明かされるが、それが人間を凍結保存する技術が完成していたことだったのには少々肩透かしを食わされた感じが否めない。門外漢には意外に簡単に実現可能な技術のように思えてしまう為かな。但し、本作では、凍結保存下では全てのものが凍結しているのに意識のみは活動しているため、それに伴う苦痛を緩和するか、睡眠状態に陥らせるかの対応が必要なのだがそれには成功しておらず、ラストで悪役であるアメリカ特殊部隊デルタ・フォースの指揮官が危機的状況から逃れるため自ら凍結保存を選択した結果、何時終わるか判らない永遠とも思われる苦痛に苛まれるというオチがついているが。
もとい。と言うことで、“重大な秘密”に関してはちょっと期待はずれであったが、物語の展開は正に意外・意外である。研究者が残した研究日誌が一見暗号のように見えるのだが、何とイヌイット語の表音を借用しただけのロシア語だったり、悪者=ソ連、善玉=アメリカというお決まりの構図が逆転していて、悪者がアメリカ政府であり、その実行部隊であるアメリカ特殊部隊デルタ・フォースであり、ソ連側はむしろ過去の間違いを消し去ろうとする善玉的立場に収まってしまう辺りこれまでの一般的アクション物とは一線を画するものである。謎解き的要素はこの後の『ナチの亡霊』や『マギの聖骨』などに較べると薄いが、戦闘シーンは潜水艦、ヘリコプター、雪上車、雪上ヨットなど活躍しまくり、地下・地上では手榴弾(焼夷手榴弾が大活躍)からロケットランチャーまで登場する。いやはや、映画にしたら凄いよねって面白さです。ただ残念なことは、氷山が倒立した形の氷島内部における活劇が多いため、迷路のような基地内部での位置関係がなかなかピンと来ないのが欠点である。
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