刑事ヴァランダー・シリーズ みんなのレビュー
- ヘニング・マンケル(著), 柳沢由実子(訳)
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紙の本霜の降りる前に 下
2017/09/27 11:38
女ヴァランダー
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投稿者:バニー - この投稿者のレビュー一覧を見る
今まで通り、父ヴァランダーを主役に、娘のリンダの話が展開するのかと思っていたのに、完全にリンダ主役の話だった。なーんだ。
でも、いつもヴァランダー視点で描かれていたから、ヴァランダーが他の人からどう見られているのかが知れたのが、面白かった。
美女に出会った時のヴァランダーの毎度の反応が笑ける。
それにしてもこのシリーズに出てくる登場人物に性格のいい人がいない。
みんな自己主張が激しすぎて衝突ばかりしているような。
ステファン・リンドマンが一番マシか。
紙の本霜の降りる前に 下
2016/03/30 09:51
マンケルさん大丈夫?
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投稿者:よしおくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
マンケルさん、亡くなってしまったのでしたね。あと、何作残っているのかなぁ。とても残念です。この本はヴァランダーシリーズではなくて、娘のリンダが主人公と聞いていましたが、まるでヴァランダーシリーズの一作と言ってもよいほどです。
マンケルがまだ50代前半の時の作品のはずですが、この方、どんどんミステリーを書く気持ちが薄くなっていったのではないか。この作品もクライムノベルというより、リンダ自身と親子、家族(アンナの家族も含む)を書こうとしたのではないだろうか。
だが、終盤に驚きもなくミステリーとしてもイマイチだった。リンダを描くことにも成功したとは言い難い。ラストシーンがあまりに見え透いていて、ありきたりなので逆に驚いたほどだ。つまり、マンケル作品は質が落ちていっている気がする。
とはいえ、残っている作品は全部、読むつもりですけど。
紙の本殺人者の顔
2002/07/22 23:21
小市民的な刑事が主人公の、スウェーデン警察小説
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投稿者:浅知 恵 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある雪の予感がする寒い早朝、通報を受けた刑事クルト・ヴァランダーは、老夫妻に振るわれた残酷な暴力の爪痕を目の当たりにする。瀕死の老婦人が残したのは、「外国の」という一言だった。捜査の陣頭指揮をとるクルトは緘口令を敷くが、テレビ局に情報が漏れ、移民への襲撃事件までもが発生してしまう。クルトたちは執念で犯人を追い続けるが……。
主人公クルトは警察官としては優秀だが、私人としてはお世辞にも格好良いとはいえない中年男。妻には逃げられ、娘とは上手くいかず、父親はどうやらボケ始めているようだ。おまけに食事の不摂生がたたって、中年太りが深刻な問題となってきている。どうも親近感を感じてしまう、小市民的なキャラクターなのだ。
物語は老夫婦の惨殺事件からはじまり、やがてスウェーデンの移民政策ともリンクしていく。このあたりの展開は非常に上手い。スウェーデンの移民受け入れの状況なども丁寧に説明されていて、興味を満足させてくれる出来になっている。
ところで、本書の警察官たちは他国の警察官に比べ、仕事量が少ないような気がする。割と早い時間に帰宅してしまうし。この辺はお国柄なのだろうか。
続編の邦訳が待たれる好シリーズとなりそうだ。
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