原発労働者 みんなのレビュー
- 寺尾紗穂
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紙の本原発労働者
2016/07/14 18:14
「平時」の原発とはどういう作業環境なのかを描いた好著
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
東日本大震災以前の「平時における」原発というのは、どのような労働環境で、どんな作業によって運営されているのか、という視点から、原発内の工事請負業者や、中央操作室のオペレーターなどからの証言をまとめた本。ある程度予想はしていたけれど、ここまで労働者の健康や、安全を犠牲にしなければ立ち行かないプラントなのかと恐ろしくなった。「いくら自動化しても、どうしても高線量の現場に人間が入らないと設置できない部品があり、そういう時は被ばく量測定用メーターは外して作業する」、「ボヤが発生しても水をかけたり消火剤を噴霧すると記録に残るので、燃えるものを遠ざけて自然鎮火を待つ」、「被ばく管理区域にはトイレがなく、どうしようもないときは間に合わないので垂れ流す」、「燃料プールに落としてしまった物は被ばく量管理にかからないという理由から外国人労働者が定期検査の時に水を抜いたプール内に降りて拾う」、「原子炉出力が計画値を超えると、係数を書き換えて計画値に収まるように修正する」など。でもこういう危険な作業に従事する人々にとってはその仕事がなければ生きてゆけないという状況に仕向けているのが現在の状況の度し難い罪深さなのか。原発を今後どうするかを考えるとき、エネルギー政策としてだけではなく、労働問題として目を逸らせてはいけない一面であることは確かかと感じた。
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