マグダラで眠れ みんなのレビュー
- 著者:支倉 凍砂, イラスト:鍋島 テツヒロ
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紙の本マグダラで眠れ 2
2015/09/30 08:42
目的を見失わないこと
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
利子という意味の名を持つ錬金術師クースラは、同門の錬金術師ウェランドと共に、前任の錬金術師トーマス・ブランケットが殺害された事件にまつわる謎を解き明かし、グルベッティに理想の工房を得られたはずだった。しかし、アラン・ポーストの後任のエル・オトリスは、事件解決の報酬の一部を反故にし、悪びれない。
それもそのはず、ウェランドが仕入れてきた情報によれば、前線は進行し、次の鉄火場はカザンに建てられることが決まったというのだ。つまり、グルベッティはもはや前線の街ではなくなり、二人の工房はろくに予算も回ってこない、ただの飼い殺しの場所になる。
引き取ったウル・フェネシスをからかいつつも冶金を教えながら、いかにしてカザン第一次入植者になるべきかの方策を練るクースラたちの前に、鍛冶屋組合の組合長イリーナ・ブルナーがある特殊な金属の精錬方法を知っているというタレこみが入るのだった。
クースラがフェネシスにイタズラする場面と、自分たちの夢をかなえるためになりふり構わず奔走する場面と、大きく二つに分かれて物語は進行する。今回その中核にいるのは、イリーナ・ブルナーという若き未亡人だ。彼女にいかにして秘密を吐き出させるか。緩急織り交ぜつつ追い詰めていくシーンは、緊迫感にあふれている。
紙の本マグダラで眠れ 1
2015/09/18 15:40
純粋で複雑で
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
利子という意味の名を持つ錬金術師クースラは、聖人の骨を錬金術の材料にした罪で死罪になるところを、クラジウス騎士団の思惑により命を救われた。その代わり、前線の町グルベッティに赴き、輜重隊アラン・ポーストの下で、前任の錬金術師トーマス・ブランケットが残した謎を解き明かすことになった。相棒となるのは、同じ師の下で学び、女子修道院長を殺したという錬金術師ウェランドだ。
錬金術師というのは、神を冒涜する所行でも平気でなすと恐れられる職種であり、どのギルドにも入ることは出来ない。しかし、彼らの持つ冶金技術は戦争に有用であり、騎士団を得意先とする鍛冶屋組合の頭領イリーナ・ブルナーも、内心はどうあれ、彼らに協力しなければならないという力関係があった。
三すくみの状況の中、教会から彼らの監視に送られてきたのは、聖歌隊に所属する修道女ウル・フェネシスだ。純粋無垢で騙されやすく、それだけに利用されているとあからさまに分かる彼女に対し、クースラは彼女と接する距離感に悩み始める。
そんな思いとは別に、錬金術師としてのクースラは、トーマスが残した高純度の鉄の精錬方法に夢中になる。彼の軌跡を追い、一つずつトーマスの秘技の神髄に近づいていくクースラとウェランドは、純粋な技術とは異なる、複雑怪奇な組織の論理に、フェネシスと共に絡め取られていくことになる。
社会の中の異端として扱われる錬金術師を主人公として、他者には理解されない夢に向かって歩んでいく人々の姿を描く。前作からスターシステムを採用し、似たような世界観で別の視点から描いている物語と捉えることも出来るだろう。
紙の本マグダラで眠れ 7
2015/10/27 20:31
待ってよかった
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投稿者:youcitrus - この投稿者のレビュー一覧を見る
いつも、1年以上新刊の出ていないシリーズは買うのをやめてしまうが、この作者への信頼から待ってみることにした。今回は前に出たスピンオフともつながる内容で、そちらも読んでいるとさらに楽しめると思う。次は早く出てくれるとうれしいな。
紙の本マグダラで眠れ 1
2015/03/18 15:13
「狼と香辛料」の作者による新シリーズ
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投稿者:MIF - この投稿者のレビュー一覧を見る
「狼と香辛料」の作者による新シリーズ。
今作の主人公は「錬金術師」。
錬金術師は己の目的のためならどんな禁忌も厭わないとされており、世間的には日陰の存在。
しかし権力者たちにとっては、錬金術師は軽蔑しつつも一発当てる可能性を否定できないため監視下に置いておく必要があり微妙なパワーバランス。
そんな錬金術師2人のもとに現れた、監視役と名乗る修道女の少女。
3人の奇妙な錬金生活がスタート。
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