ぷれいぶっ! みんなのレビュー
- 著者:高遠 豹介, イラスト:プリンプリン
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紙の本ぷれいぶっ! 3
2011/05/19 21:51
内容的にはつまるところラヴ系一辺倒な一冊
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
表紙カバーを見れば一目瞭然のクリスマス話。というか、前巻辺りから敵キャラらしき存在がいなくなってしまったこにより今回はバトルらしい要素も影を潜め、日常にスポットを当てつつクリスマスその日へと向かうウキウキ青春物語の様相を呈している。
しかし、朱音に対する統吾のラヴリーな想いは何だろう。くすぐったくなるほどの「朱音ラヴで仕方がない」光線が全編に渡ってダダ漏れになっている。これは、アレか?作者自身が現実に恋しい人でもできて、その想いを登場人物に託して語りに語っているのか?そうなのか?と問い詰めたくなるような統吾の朱音溺愛振りである。この路線に作者らしい軽妙でセンスの利いた会話のやり取りがいつも以上に笑わせる内容となっている。
それを加速させるのが新キャラ。その出自といい、キャラ設定といい、特徴的な語り口といい実にナイスな娘っ子の登場が本作をより面白く彩っている。過去の経緯を顧みて今後の目標を見つける辺りは素敵に健気でもあり、思えば親兄妹とも友人達とも離れて別世界に飛ばされているにも関わらず、本シリーズの人物達は強いなぁ~などと改めて思わせる面もあったりする。『ぷれい部』のメンバーに足りなかった最後のピースが収まったような形にもなり、今後の展開を楽しみにさせてくれそうである。
ただし、本巻に限らず高遠作品はどれもそうなのだが、このままシリーズが終わってもいいような、ある意味綺麗な纏め方をするので先が読めないところがある。もちろん続きを予感させる要素も忍ばせているし、統吾&朱音だけではないところにカップルの登場も予感させているので、個人的にはどんどん続けてほしいシリーズだと思うのである。
紙の本ぷれいぶっ! 2
2010/09/16 00:50
前巻に輪をかけて(特にセリフのやり取りが)面白い!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルの由来である「ぷれい部」が晴れて設立された訳だが、この名称の本当の由来が「らしくて」良い。理屈で説明するのは難しいのだが、感覚的に可笑しくて。こういうの、嫌いじゃない。というか、前巻で作品世界の基本部分を描いた分、本巻では心置きなくメンバー達のやり取りに頁を費やしたことが成功したと思う。ツッコミ担当が2人いるのは大きい。というのも、統吾が人並みに能動的で積極的で下心もあるアクティヴ少年なので、統吾の絶妙なツッコミに加え、統吾をツッコむ瑞希が笑いをもう1つ支えているのである。あれだけの優男っぷりを発揮すれば読者全員を敵に回しかねない明道にも憎めないところがあり、今回も綺麗に錐揉みしながらお星様になってくれている。バトルは少なめだったが構わない。特に今回はかなり(ある種の善意と個人のリベンジを兼ねた)作為的なものなので、展開としては多少強引に見えることへのエクスキューズとはなるものの、正直なところ、あの遠回しな策略さえなければ無くても良かったくらいである。
そのバトル(後半)では、作中に『瑞希に全部持っていかれたような気がしてならない』とあったが、物語全般として一番良いところを持っていったのは“魔王”にして生徒会長の安藤和臣であろう。何、この善人っぷり?という意外な一面を見せてくれる。ただ、この和臣にも優秀な故に抱えてしまう弱点があり、これをさり気なく示して、本シリーズに流れる「個人の能力としての強さだけが本当の強さではなく、人と人が繋がるからこそ得られる強さこそが大事」といったテーマを指摘する悠子が光っていた。その悠子と神臣の最後のやり取りが少々気になるし、そもそも「ぷれい部」の活動内容が未だ決まっていないのだが……。今回も綺麗に、そして面白く話が纏まっているだけに今後の展開もまた気になるところである。
紙の本ぷれいぶっ!
2010/02/09 18:05
理屈抜きで超面白い!
3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者の生存確認ができたので、どーしても一言言っておきたい。
「おーい、『藤堂家』の続きはどーなってんの?」
待ちに待った結果がまさかの新シリーズだったとは。あとがきが社交辞令でなければ続巻を期待しようと思うが、読んでみたらこっちも面白いという悩ましい展開。それだけ楽しく読んだ、理屈でどうこう言う前に感覚的に面白いと感じた作品である。
明らかに狙ったね?と言いたくなるほどあからさまに全力で中二病を邁進する冒頭に読む気が少々失せるかもしれないが、今しばらく堪えて読み進めてほしい。これが大逆転というべき逆説的な設定によって鮮やかに覆される。確かに主人公【雪村統吾】は勇者である。しかし勇者だから強い訳ではなく、また世界は1つだけでもないという、世の中の縮図みたいな世知辛さをも内包した「井の中の蛙」が次第に「大海を知る」展開で本作の世界観が示されていく。こんな学園なら通ってみてーとも思う面白展開だが、少なくとも本作の読者諸兄でこの学園に通える有資格者はいない。万が一にも「いや、オレ様なら行ける」と本気で思った御仁は、統吾の置かれた立場や状況を本作で学んで早く目覚めてほしい。そんな「俺って神童だと思ってたけど上には上がいるんだなぁ」的状況から仲間ができる。みんな統吾より能力が高そうだが統吾も頑張る。多少のハッタリも効かせながら頑張る。その姿には“力”が全てではなく、様々なものから醸し出される“仁徳”や“仲間”の存在といったものの大切さを見ることができなくもない。面白い。前シリーズから定評のあった阿吽の呼吸的軽妙なやり取りで笑わせてくれる。全体の構成も巧みだしオチも効果的。上手く纏まった分、続きをどうするかとなるが、これは部活動方面で是非繋いでほしいところである。
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